春雨に畑の湿つてきたりけり
単に春に降る雨を意味するのではなく、春に静かに降る雨をいう。
古くから、しっとりとした情緒のある雨として詠まれてきた。
春先の台風のような激しい風雨は「春雨」ではなく、「春荒」「春嵐」と呼ぶものである。
春雨が降っていた。
畑が次第に湿ってきた。
境内に駐輪ありぬ春の雨
春雨に畑の湿つてきたりけり
単に春に降る雨を意味するのではなく、春に静かに降る雨をいう。
古くから、しっとりとした情緒のある雨として詠まれてきた。
春先の台風のような激しい風雨は「春雨」ではなく、「春荒」「春嵐」と呼ぶものである。
春雨が降っていた。
畑が次第に湿ってきた。
境内に駐輪ありぬ春の雨
古草の水辺にありて青青し
前年の草が冬を生き抜き春を迎えたものをいう。
去年生えてまだ枯れずにある草で、常緑の多年草が当てはまる。
古草は古草のみがあるのではなく、若草の中に混じっているものをさす。
古草が水辺に残っていた。
そのためか青青としていた。
腰下ろす木の根に残る古草に
早春の空や飛行機雲幾つ
立春以後、二月いっぱいくらいをいう。
暦の上では春であるが、まだ寒さが残っている。
それでも春の息吹が少しずつ感じられる時期である。
「春浅し」とほぼ同時期であるが、春早々の気配が漂う。
早春の明るい空が広がっていた。
そこに幾筋もの飛行機雲が見られた。
早春や草地の彼方夕日落ち
畑には足跡のなし春の雪
春になってから降る雪をいう。
関東以西では、真冬より春先に雪が降ることが多い。
春の雪は融けやすく、多少積もってもすぐに消えてゆく。
畑に春の雪が降り積もっていた。
足跡などなく、真っ白であった。
春雪や幼の記憶よみがへり
屈まねば節分草の見えぬなり
キンポウゲ科セツブンソウ属の多年草。
関東地方や中部地方以西の山地の木陰などに自生する。
茎の先に白色の梅花に似た花をつける。
花弁に見えるものは蕚片で、花びらは変化して黄色い蜜腺となっている。
節分の頃に開花するのでこの名がある。
小さな節分草が沢山咲いていた。
あまりに小さいので屈まなければ見えないほどであった。
節分草カメラ集めてゐたりけり