俳句の風景

写真と自作の俳句を掲載しています。

菜種梅雨

2024-03-26 | 俳句・春・天文

 

 

菜種梅雨レターパックを小脇にし

 

 

 

 

 

 

三月から四月菜の花が咲く頃、しとしとと降り続く長雨をいう。

 

 

 

 

 

 

本来の意は、その頃に吹く雨を含んだ南東の風のことであったようであるが、今では雨天を指す。

 

 

 

 

 

 

暗さの中にもどこか明るさの漂う気分がある。

 

 

 

 

 

 

昨夜から菜種梅雨となっていた。

その中を、レターパックを小脇に抱えて、郵便局のポストまで出しに行った。

 

 

 

 

 

野菜なき直売所なり菜種梅雨

 

 

 

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鳥曇

2024-03-25 | 俳句・春・天文

 

 

すれ違ふ人なき道や鳥曇

 

 

 

 

 

 

雁や鴨などの渡り鳥が、春になって北方へ帰っていく頃の曇り空をいう。

 

 

 

 

 

 

その雲を鳥雲といい、この頃の風を鳥風という。

 

 

 

 

 

 

この風に乗って鳥は北へ帰っていくという。

また、帰る鳥の群れをなして羽ばたく音が風音のように聞こえるので、鳥風という説もある。

 

 

 

 

 

 

川沿いの道を歩いた。

鳥曇というべき曇り空であったため、すれ違う人がいなかった。

 

 

 

 

 

木を映す潦あり鳥曇

 

 

 

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馬酔木の花

2024-03-24 | 俳句・新年・時候

 

 

花馬酔木池の向かうに茶室あり

 

 

 

 

 

 

ツツジ科の常緑低木。

日本固有種。

山野に自生するが、庭に植えられたり、盆栽にもされる。

 

 

 

 

 

 

三~四月頃、鈴蘭に似た白色で壺状の花を枝先に多数総状に垂らす。

 

 

 

 

 

 

有毒植物で、牛馬が食すると痺れて酔ったようになるのでこの名がある。

標準和名は「あせび」。

園芸品種には桃色の花もある。

 

 

 

 

 

 

日本庭園に馬酔木が咲いていた。

池を隔てた向こう側には茶室があるのが見えた。

 

 

 

 

 

馬酔木咲く畑にいつもの農夫ゐて

 

 

 

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辛夷

2024-03-23 | 俳句・春・植物

 

 

青空に似合ふ辛夷と仰ぎけり

 

 

 

 

 

 

モクレン科の落葉高木。

日本原産。

山林に自生し、庭木にもされる。

 

 

 

 

 

 

三月中旬頃から、葉に先立って木蓮よりやや小振りの白色六弁花をつける。

 

 

 

 

 

 

花には芳香があり、一樹を真っ白に覆うと、春が来たことを実感する。

 

 

 

 

 

 

辛夷の花が咲いていた。

この白い花は、青空によく似合うと思い、見上げていた。

 

 

 

 

 

花辛夷昼月掲げゐたりけり

 

 

 

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柳の芽

2024-03-22 | 俳句・春・植物

 

 

芽柳と風に吹かれてゐたりけり

 

 

 

 

 

 

柳は種類が多いが、なかでも枝垂柳の芽はその美しさを讃えられる。

 

 

 

 

 

 

早春に伸びた柳の枝に、三月頃、浅緑の新芽が吹き出す。

 

 

 

 

 

 

芽吹いた柳が池畔や街路で揺れているさまは、いかにも春らしい。

 

 

 

 

 

 

川に風が吹いていた。

川岸に立ち、柳の芽と一緒に風に吹かれていた。

 

 

 

 

 

シューマンの「ライン」聴きをり柳の芽

 

 

 

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