数か月前に注文していたCDが届きました。「アイドル・ミラクルバイブルシリーズ」という企画の一つですが、今回の4組にピンと来る人はどれくらいいるでしょうか。共通点としてはヤマハのポプコン出身者ということになります。
私の場合はピーマンの「部屋を出て下さい」が昔から大好きで、それが入ってるというだけですぐ注文しました。なにしろこれまで未CD化でしたし。そして葛城ゆきの「木曽は山の中」も好きなのですが、もう数十年聞いてなかったのでそちらも嬉しかったと。
この収録曲は以下の通りです。ちなみにCDのジャケットは田中真美「涙のロンリー・ボーイ」のジャケット。美人ですね。
01. 木曽は山の中 / 葛城ゆき
02. いつか、そっと / 葛城ゆき
03. 蛍 / 葛城ゆき
04. 小さな出発 / 葛城ゆき
05. 泣かせて今夜は / 葛城ゆき
06. 悲しみが消えるまで / 葛城ゆき
07. ムーンライト・セレナーデ / 田中真美
08. 漂流 / 田中真美
09. 愛は黄昏の中で / 田中真美
10. 気まぐれマイ・ラブ / 田中真美
11. 涙のロンリー・ボーイ / 田中真美
12. 時よ / 田中真美
13. GOOD LUCK MY YESTERDAY / 田生真美
14. おもかげMy Friend / 田島裕子
15. ガラスの午後 / 田島裕子
16. 恋のライバル3対1 / ピーマン
17. 青空のラブサイン / ピーマン
18. ラブ・タッチ / ピーマン
19. ブルーの瞳 / ピーマン
20. 部屋を出て下さい / ピーマン
21. 小さな詩 / ピーマン
珍しい音源も嬉しいのですが、歌詞カードにはそれぞれの楽曲についての解説がちょこっとついてるのでそれもありがたいです。詳細はお買い上げの上ご確認いただきたいですが、それも基にして楽曲の感想を一言ずつ。
葛城ゆきは、あの「ボヘミアン」の葛城ユキです。この「葛城ゆき」にした時点で3回目の改名だったそうで、名前をカタカナの「ユキ」にしたのは4回目だったのでしょうか。当時の様子は雑誌記事で見るとこんな感じです。
「木曽は山の中」は発売が1974年12月の発売で、コッキーポップのテーマ曲だったこともあるそうですが、その時に聞いてたのでしょうか。手持ちの明星の歌本に出てたので、歌詞は全部知ってました。まだ「ボヘミアン」ほどの迫力の声にはなってないですが、雰囲気は感じます。それよりも、あらためて聞くとすごくいい曲ですね。日本のスタンダードとなりうる曲だと思います。
この人は当時のシングルが3曲とそれぞれのB面で計6曲入ってますが、全部雰囲気が全然ちがうのでびっくり。「木曽は山の中」のB面はポップですごく可愛く歌ってますが、次の曲はほぼ演歌。その次は歌謡曲という感じ。今聞くと面白いですが、当時はヒットを出そうと色々模索中ということだったのでしょうか。
田中真美はシンガーソングライターですが、その後ビジネスの世界でも大成功したとか。プロフィールを調べてみたら、提供曲として石川ひとみの「何も言わないで」があってびっくり。この人の歌声は、しっとりしつつ力強さもあって伊東ゆかりとか上田知華の声を太くしたという感じでしょうか。あまり例えようがないですが、1979年デビューなので完全にニューミュージック世代という感じですね。ただ、曲は結構歌謡曲っぽいです。
田島裕子の曲は1981年11月だそうですが初めて聞きました。シンガーソングライターですが「おもかげMy Friend」は自身の作曲、B面は森田公一作品でした。こちらも結構大人の歌手という歌声です。
そして注目のピーマン。先に書いた通り、とにかく「部屋を出て下さい」が大好きだったのですが、何しろこの人たちの情報がほとんどなく。たまに見かけるのはデビュー曲の「恋のライバル3対1」のシングルくらい。
このグループはメンバーの叶正子が後年サーカスとしてデビューするわけですが、ピーマンのデビューが1974年4月なので「Mr.サマータイム」よりは4年も前。ピーマンはキャンディーズのちょっとあとにデビューしたわけで、こちらの記事によると事務所もレコード会社も「キャンディーズに追いつけ追い越せ」という事だったのですね。
ある番組にサーカスが出た際、「叶正子はアイドルでデビューした」と言ってて、私は「え、ピーマンってアイドルだったの?」と驚いたのですが、確かに「恋のライバル3対1」を聞いてみると完全にアイドル歌謡。
実はこのアルバムではピーマンの楽曲が楽しみだったのですが、「部屋を出て下さい」以外はあんまりピンときません。前述の記事によると、4枚目のシングルもレコーディングしたものの日の目を見なかったということですね。「部屋を出て下さい」は叶正子のソロパートが中心ですが、次のシングルはどんな感じだったのでしょうか。
この「部屋を出て下さい」は、ピンクレディーの二人が「スター誕生」で歌ったことが有名で、好きな人が多いことはわかりますし、あの二人がどういう方向を目指してたのかもなんとなくわかります。それにしても、この曲が当時どの程度ヒットしたか、世間の評価はどうだったのか、その辺はほとんど情報がないです。
私はこの曲がボーカルもアレンジも、特にイントロのギターの音色とフレーズが大好きで長年ちゃんと聞きたかったので、このCDについては満足しています。これが1975年1月の発売。当時ラジオからカセットに録音して聞いていたということは、巷にはそこそこ流れていたと思うのですが、みんな知ってるのかなあ。