この本は辛酸なめ子さんが本名の池松絵美名義で1999年から2001年にWeb上で書き綴っていた日記からの抜粋なのだとか。それを考えると厳密には「辛酸なめ子の作品」とはいえないのかもしれませんが、いずれにしても彼女の本は初めて読みました。
私は彼女がレギュラー出演しているラジオをしょっちゅう聞いているのでどういう感じの人かというのは大体わかってたのですが、実際にしゃべるよりは文章を書く方が面白いですね、この人は。一言で自虐ネタと言い切ってしまうのは簡単でしょうが、ネタにするも何もご本人は至って真剣なところが面白いです。
気に入ったフレーズとしては、花見の幹事をしたときの
<幹事というか企画者は、最近ひまになっていたわたしが買ってでたが、これまでの例に漏れず、人徳がないために人の集まりが悪かった。それでも全部で四人になった>
とかいうのや、
<松嶋菜々子が、はじめは好きだったけれど、だんだん好きではなくなって行くようです。なんとなく、ビデを常用していそうなので…。>
とか、
<SPEED好きの有志に声をかけ、SPEEDカラオケ会を主催したのですが、例によってわたしが何かを催すと誰も来ないという運命の星によって、二人しか集まりませんでした。>
とか。
あとは英会話を習いに行って「池松さんは文法や語彙には特に問題はないですが、積極性が足りませんね。これをクリアすれば上に上がれます。」と言われ、「日本語でも積極的に話せないのに、急に英語で積極的になどなれません。これは性格の問題なので仕方ないのですが」とか返すあたり。
後半では「友達からの誘いがないのは浦和に住んでるせいだ」と思い込んで、都内のマンション探しに奔走し荒川区に移住しますが、その挙句に
<彩の国から東京に引っ越したら、きっと「友達」から
夜中とかに「今からきなよ」という遊びの誘いが
どんどん来るかも……という希望的観測は見事に打ち砕かれ
電話が一回も鳴ってません……
孤独にさいなまれております
心の中で友達リストに横線を引いていく……
心の手帖、もう真っ黒だね>
というフレーズも出てきました。就職して以来転勤とか引越しばかりで親しい友達がいない私としても笑い事にはできませんが、「なんもそこまで言わなくても」と思わせてくれるのが素敵です。
ご本人が25歳~27歳までの日記だそうですが、霊障だとか金縛りだとか幻覚だとかが満載で「この年代の女性ってみんなこういう物の見方をするの?」とか思ってしまったのですが、その辺どんなもんでしょう?
いずれにしてもエッセイとして爆笑ものではありませんが、私は楽しめました。文春文庫PLUSで524円です。どーですか、お客さん。
私は彼女がレギュラー出演しているラジオをしょっちゅう聞いているのでどういう感じの人かというのは大体わかってたのですが、実際にしゃべるよりは文章を書く方が面白いですね、この人は。一言で自虐ネタと言い切ってしまうのは簡単でしょうが、ネタにするも何もご本人は至って真剣なところが面白いです。
気に入ったフレーズとしては、花見の幹事をしたときの
<幹事というか企画者は、最近ひまになっていたわたしが買ってでたが、これまでの例に漏れず、人徳がないために人の集まりが悪かった。それでも全部で四人になった>
とかいうのや、
<松嶋菜々子が、はじめは好きだったけれど、だんだん好きではなくなって行くようです。なんとなく、ビデを常用していそうなので…。>
とか、
<SPEED好きの有志に声をかけ、SPEEDカラオケ会を主催したのですが、例によってわたしが何かを催すと誰も来ないという運命の星によって、二人しか集まりませんでした。>
とか。
あとは英会話を習いに行って「池松さんは文法や語彙には特に問題はないですが、積極性が足りませんね。これをクリアすれば上に上がれます。」と言われ、「日本語でも積極的に話せないのに、急に英語で積極的になどなれません。これは性格の問題なので仕方ないのですが」とか返すあたり。
後半では「友達からの誘いがないのは浦和に住んでるせいだ」と思い込んで、都内のマンション探しに奔走し荒川区に移住しますが、その挙句に
<彩の国から東京に引っ越したら、きっと「友達」から
夜中とかに「今からきなよ」という遊びの誘いが
どんどん来るかも……という希望的観測は見事に打ち砕かれ
電話が一回も鳴ってません……
孤独にさいなまれております
心の中で友達リストに横線を引いていく……
心の手帖、もう真っ黒だね>
というフレーズも出てきました。就職して以来転勤とか引越しばかりで親しい友達がいない私としても笑い事にはできませんが、「なんもそこまで言わなくても」と思わせてくれるのが素敵です。
ご本人が25歳~27歳までの日記だそうですが、霊障だとか金縛りだとか幻覚だとかが満載で「この年代の女性ってみんなこういう物の見方をするの?」とか思ってしまったのですが、その辺どんなもんでしょう?
いずれにしてもエッセイとして爆笑ものではありませんが、私は楽しめました。文春文庫PLUSで524円です。どーですか、お客さん。