今日のひとネタ

日常ふと浮かんだことを思いのままに。更新は基本的に毎日。笑っていただければ幸いです。

それでも…という思い

2008年06月10日 | ニュースに一言
 秋葉原の事件のニュースを聞くたびに胸が痛みます。何が悪いといえば犯人だけが悪いに決まってるのですが、どこかでどうにかできなかったのかという思いもよぎります。店がナイフを売らなければなんて言ってもその場合は包丁買ってただろうし、結局こいつがいた限りは事件は起こったのだろうと。しかし、それでも…と思ってしまうんですね。

 私は世の中に負け組はいないと思ってます。そもそもこの世に生まれただけでも凄いことだし、遡ってみれば自分の先祖がそれぞれの時代で生き残ってきたから自分がいるわけで、今存在しているというだけで物凄い勝ち組なのです。

 先祖まで遡らなくても、私たちの年代の場合両親は戦前の生まれ。もし両親が戦時中に亡くなっていたら私は存在しないのだし、実際私の母は長兄と長姉を戦時中に亡くしています。お姉さんの場合は体が弱くて亡くなったそうですが、お兄さんの方は出征して戦死したのだとか。兵役に行ったということは健康だった証拠であり、本当に「そういう時代だった」というしかありません。

 そうやって先祖代々の勝ち残りとして存在している人それぞれに、家族があり友達があり恋人があり、仕事仲間からご近所さんなどいろいろいます。そうやって目に見えるものだけでなく、夢があり思い出があり喜びも悩みも苦しみも身にまとって生きているわけで、自分でも断ち切れないものを他人が勝手に終わらせてしまってよいわけはありません。

 「誰でもいいから殺したかった」という動機の事件が続けて起きる社会は正常ではないのでしょう。とはいえ悪いのは犯人であって社会ではないはず。そしてこういうときに「命の大切さを考えて」なんていっても起こってしまった事件はなかったことにできないし、死んでしまった人も戻りません。それでも、なんとかしたい、なんとかならないか、という思いはあるんです。

 それにしても、実際にできることが「被害に遭わないように注意する」しかないのが虚しい限りです。