今日のひとネタ

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「家族八景」/筒井康隆

2008年09月25日 | ブックレビュー
 ご存知筒井康隆先生の七瀬シリーズ第一弾。30年ほど前からタイトルだけは知ってましたが、実は読んだのは初めて。日曜のトマパラと月曜のトリビュートへの電車の中で読みました。

 人の心を読むことができるテレパス<七瀬>が主人公で、彼女はお手伝いさんなのですがその能力ゆえにいづらくなったりして様々な家を渡り歩き、この本では「家族八景」というくらいなので八家族(あれ? 九家族かな?)の物語となってます。

 感想としては結構面白かったです。もっとおちゃらけた感じかと思ったのですが、「家政婦は見た」になることはなく(もしかしてなってる?)、七瀬が成熟していくと共に苦悩も増えていくあたり連作の面白さを感じました。

 現代だと<お手伝いさん>という存在がなかなかありえないし、それも三畳一間で住み込みとかいうあたりに時代を感じますが、若い人が読んだらどんな感想を持つでしょう。

 で、実はこれは図書館から借りてきたのでした。来月ドラマ化される関係でしょうが書店で「七瀬ふたたび」の文庫も見かけますので、そちらは買わせていただきます。ついでに「エディプスの恋人」も買っちまおう。やはり筒井先生は偉大です。