素人参加のオーディション番組というと「スター誕生」(スタ誕)が代表でしょうが、他にも「君こそスターだ」(君スタ)、「あなたをスターに」(あなスタ)、「君でもスターだよ」などいろいろあります。(最後のボケがわかる人は上級者)
スタ誕出身者は山ほどいますが、君スタは林寛子、かおりくみこ、高田みづえ、石川ひとみ、越美晴など、あなスタからは岡田奈々、山本由香利、森田つぐみ、大場久美子などがそれぞれデビューしたといわれています。
それで、私が興味を持ったのが「スター・オン・ステージ あなたならOK!」という番組。これはNETテレビで1973年4月から半年間放送されていたもので、もちろん先発のスタ誕に対抗したものですが、Wikipediaによるとあいざき進也、藍美代子らを輩出したことで知られるとのこと。
それがもう一人ここからのデビュー組がいると聞き、実際に太田裕美さんのWikipediaを見ると、「1973年12月、NETテレビのオーディション番組『スター・オン・ステージ あなたならOK!』に出て優勝。渡辺プロダクションと新人養成契約を結び…」とあります。
ただ、その「スター・オン・ステージ あなたならOK!」(略称:あなOK)は1973年9月に終了しており、そのプロフィールに「はて?」と思ったわけです。番組は9月で終わったのになぜ?と。
で、よくよくその「あなOK」のWikiを見ると「なお番組自体は2クールで終了したが、次番組『ビッグスペシャル』でも前期まではワンコーナーとして不定期に行い、決勝大会も同番組で行われた。」という記載があります。なので、太田裕美さんが優勝したというのは、一旦終了した後にスペシャルで継続されていた回ということになりますね。
彼女はNHKの音楽番組「ステージ101」にヤング101のメンバーとして出演しており、この番組終了は1974年3月でした。最終回で「君のコスモス」や「涙をこえて」を歌う映像はよく出てくるので、終了までいたのは確認されています。
なお、太田裕美さんというとよく話題に出てくるのが「キャンディーズに入るはずだった」という話。キャンディーズの三人が「歌のグランドショー」のマスコットガールとして採用されたのが1972年4月で、「そのオーディションには太田裕美もいた」というのがネタ元でしょう。(オーディションを受けていたのは事実。)
それを考えると、1972年4月にNHKの番組のマスコットとしてグループを結成したキャンディーズと、ヤング101のメンバーとして活動しながら1973年12月に「あなOK」優勝をきっかけに渡辺プロとようやく新人養成契約を結んだ太田裕美さんはまったく歩んだ道が違うということになります。
そのキャンディーズが採用された番組のオーディションではもう一人選ばれていたそうで、その方もなかなかの実力だったのでしょうがそれはまた別の話で。まあ芸能人は事務所側が目立たせるためにいろいろと逸話とか伝説を作りたがるのでしょうね。
それにしても「あなOK」というのは知らなかったなあ。