生き物好き気象予報士&理科教員、公認心理師・金子大輔(金兵衛)のブログ~通り雨の旅路~

拙著10冊目出版、ぜひ読んでね!おかげ様で19年続いている老舗ブログです。

"魔薬"がなくなる日はいつ?

2007-09-11 | 昆虫・生き物
先日、実家の狭い庭に何かの粉が散布されていた。
地面や下草が、雪化粧したように白くなっている。
ミステリーでよくあるシーン……一瞬そう思ったげっそり

だが、
思い起こせば、その付近にはアリの巣があり、
アリが辺りを歩き回ってたのを思い出した
生物を毛嫌いしている、近所のある人にとっては
それが我慢ならなかったのだろう。

だが、うちは農薬はいらんです手(パー)
アリが千や二千、歩いてようが困ることはない。
農薬撒くなら金を撒いてくれ~ドル袋

この事件だけでなく、
屋根にスズメが巣をかければ、
即座にすきまをぴったりと埋める修理したり、
クモが巣を張れば、狂ったようにキンチョールを噴霧したり……
そんな場面を、何回か見かけてきた。

クモが人に害を与えることはないし、
むしろ草木が弱ったり、毒薬が人の口に入るリスクの方が怖い

※カバキコマチグモやセアカゴケグモなど、
多少注意を要する種もいるにはいるが、
日常生活でナーバスになる必要はないであろう。


この出来事が殊更悲しく感じたのには、
以下のような理由もある。

さらに数日前だが感動的な弁論を拝読したぴかぴか(新しい)
相互リンクさせていただいてるサイトの管理人さんで、
虫(特にガ)が大好きな中学生が書かれたものである。

『晶子のお庭は虫づくし』より
http://www.geocities.co.jp/AnimalPark-Tama/1915/hon/smallfaity.html

この論文を拝読して、
農薬は恐ろしい、農薬をなくす研究が進むといいですね、
というお話をした矢先だったのだ衝撃

でも、リンクした弁論のような考えをする方も
確実に存在することほどうれしいこともない。
生物の研究軸も、
「農薬の開発」から「環境づくり」へと移りゆく時代に
いよいよ突入するときが来たのかもしれない。
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4 コメント

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ありがとうございます (うさこ)
2007-09-12 08:19:33
金兵衛さん こんにちは
娘の作文を紹介して頂きありがとうございます。

虫からスズメまで自分にとって不快と
感じる生き物の命を平気で奪う人って
かわいそうな人ですね。

不快と感じることを排除すれば、
事がうまくいくとは思えないです。

そういう意味でもIPM(総合的害虫管理)、
この方法がもっと世の中に広まってくれることを
願わずにはいられません。
返信する
Unknown (金兵衛)
2007-09-12 09:53:18
うさこさん こんにちは。

>娘の作文を紹介して頂きありがとうございます。

物凄く感動したので、紹介させていただきました。
ぜひとも世に広まって欲しいメッセージですし、
これまで虫に興味がなかった人でさえも、
作文を見てはっとするかも知れません。


さすがに、工事をしたのはスズメガ巣立った後、
と信じたいですが、なぜあそこまで生物を
嫌悪するのあろう、と思ってしまいますね。
人間も生物だということが忘れられてる気がします。

>そういう意味でもIPM(総合的害虫管理)、
>この方法がもっと世の中に広まってくれることを
>願わずにはいられません。

そうですね、「適材適所」を全生物に応用するのも
面白いと思います。
除草剤の代わりに、イモムシを養殖して食べさせるとか。

以前、ヤギに線路の草むしりをさせている駅が
都内でありましたが、あれもいいアイデアでしたね。
返信する
気持ちが分からないでもないよ。 (Johnny T)
2007-09-12 15:48:04
難しい問題だよね。
俺もね、虫は好きなほうじゃないんだ。
かといって毛嫌いするほどでもない。

確かにさ、大金をかけた家を虫とか鳥とかに汚されたくない、
そういう気持ちは分からないでもないよ。
だけど限度があるよね。

虫とか鳥とかと本当に接点を持ちたくないなら、
超高層マンションに引っ越すしかないよね。
あとは家自体をネットで囲んでしまうかしか。

香港だったか台湾だったかは忘れちゃったけど、
ゴミの処理にミミズを使っているんだよね。
そうすることで埋め立てゴミの8割を削減できるらしいよ。
こうやって共存を考えることも大切だよね。
(ミミズは虫か?)

殺虫剤とか化学洗剤を使ってしまうと、
人体にも大きな影響が生まれてしまうからね。
例えば合成界面活性剤が多量に人体に入ってしまうと、
腎臓が破壊されてしまったりとか。

殺虫剤だって虫を殺してしまうくらいだからね。
人体に無害なわけないし。

だから退治するのはさ、部屋に侵入してきたやつだけにして欲しいね。
ゴキブリとかさ。^^;

LOHASに興味津々な俺としては、
農薬自体を使わない方向に将来が向いてくれれば嬉しいよ。

でもさ、殺虫剤を撒き散らしてしまう人ってのはさ、
きっと虫が恐いって人も中にはいるかもね。
そういう人は仕方ないと思うよ。

でもスズメの巣くらいいいと思うなぁ。
来月からさ、スズメから家賃を取りたてれば良いんだよ。

うちのベランダなんてさ、
ベランダの床のど真ん中に巣を作って毎年鳩が産卵しているよ。^^
今年はもう巣立っちゃったけどね。
返信する
Unknown (金兵衛)
2007-09-12 20:45:49
う~ん、難しい問題だよね。

やっぱり「知的生物」などと自負してる以上、
人間が動物のことを考慮していくしかないかも。
結局、人間が動物のすみかにお邪魔してるんだしね。

そうだね、
どうしても動物との関わりを避けるとなると、
超高層マンションか超高山か深海しかないと思う。

香港たか台湾だかのミミズの利用はいいね。
ミミズやダンゴムシがいる土地は肥沃で
農作物もよく育つと聞くし。。。

>(ミミズは虫か?)

昆虫ではないけれど、虫という言葉なら曖昧だし、
含めてぜんぜんOK! 極端な話、
エビとかカエル、ヘビも虫と言って間違いでないよ。

殺虫剤・農薬はやっぱり怖いよ。
サリンの遠い親戚のような物質だからね。
いつか、なくなる日がくればいいのだが。。。

>きっと虫が恐いって人も中にはいるかもね。

学生のとき、昆虫学学者の矢島先生の講義を
聞いたことがあるんだけれど、先生いわく
「虫嫌いは教育によるもの。先生にお願いしたいが、
虫を見て悲鳴を上げることだけはやめてほしい。
好きになれとまでは言えませんが」
と熱弁してたのを覚えてるよ。

動物・鳥・虫もうまく同居すると楽しいんだけれど、
一度嫌いになっちゃうとどんどんこじれちゃうのかな。
返信する

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