3月2日(土)、朝から辺野古へ。今日は毎月第1土曜日の辺野古大行動と午後には障がい者の集いが予定され、私も挨拶するよう頼まれている。
午前11時からの大行動を前に、工事用ゲート前の座りこみからメインゲート前にデモ。
辺野古大行動の冒頭は、3月4日の三線の日のリハーサルを兼ねた「かぎやで風」の踊りで幕を開けた。大行動には1300人もの人たちが集まった。
稲嶺進共同代表、国会議員さんらの挨拶が続く。県民投票の勝利の後なので、皆、力が入っている。
午後は、「障がい者の集い」。翁長前知事のお連れ合いの樹子さんの挨拶の後、私が工事の現状、特に最近、大きな問題となっている軟弱地盤問題について説明した。
今日も、何人かの人たちから、「政府は軟弱地盤90mのうち、70mだけの地盤改良ですますと言っているが大丈夫なのか?」とご質問をいただいた。そのため、今日のスピーチはこの問題を中心に説明した。
政府は、連日、軟弱地盤の厚さが90m、砂杭の数は7万7千本という報道が続いているにもかかわらず、「行政不服審査請求中なので内容についてはお答えできない」と逃げ続けてきた。しかし岩屋防衛大臣は、2月28日の衆議院代表質問で赤嶺政賢衆議院議員の質問に答え、やっとこれらの事実を認めた。それでも地盤改良工事は海面下70mまでだと主張する。
●「-70mより下の地盤が固いから地盤改良工事の必要はない」のではなく、「-70mより下は作業船がなく施工できない」のが事実
岩屋防衛大臣は予算委員会で、「地盤改良の深さは、必ずしも十分に固く安定した土層に達する深度まで施工しなくてもよい」「-70mより下はかなり固い粘土層となっている」から、地盤改良工事は海面下70mまでだと答弁した。
しかしこの政府の説明には納得がいかない。
まず、政府の『地盤に係る設計・施行の検討結果 報告書』(2019.1)の「工法の検討」では、「専門工事業者へのヒヤリングから現有作業船の能力等を考慮し、改良可能な最大深度はCDL-70m程度とする」(P53)と明記されている。
この報告書には、防衛大臣が言うような、-70mより下は地盤が固いので地盤改良工事の必要はないとは記載されていない。あくまでも「現有作業船の能力」等から、改良可能な最大深度を-70m程度としたにすぎないのだ。日本には海面下70mまで地盤改良できるサンドコンパクションパイル工法の作業船が2隻しかないため、70mまでの地盤改良しかできないのだ。それを-70mより下は地盤が固いので地盤改良工事の必要はないと言い始めているにすぎない。
また、-70mより下の地盤が固いというのも正確ではない。上記報告書では、谷埋堆積物(粘性土)の層であっても、-74mの付近で地層の性状が異なっているとしている。もし比較的固い地層となっているとしても、それは-70mではなく、-74mより下の地層である。政府の言い分を認めるとしても、地盤改良工事は少なくとも-74mまで行なう必要がある。
なお、-74m付近で地層の性状が異なるという点については、N値等のデータが示されておらず、判断できない。少なくとも、同じ谷埋堆積物(粘性土)の層であるにもかかわらず、下部については地盤改良の必要がないとは考えられない。岩屋防衛大臣は、「地盤改良の深さは、必ずしも十分に固く安定した土層に達する深度まで施工しなくてもよい」と答弁したが、これは、-70mより下も「十分に固く安定した土層」ではないと認めたことでもある。防衛局は全ての土質調査結果を速やかに公表すべきである。
●-70mより下の部分を地盤改良しない場合、深刻な圧密沈下が生じる。---しかも海底地盤の沈下だけではなく、厚さ30mの埋立部分の沈下も併せて進行
-70mまでしか地盤改良工事を行なわない場合、下部に地盤改良をしていない谷埋堆積物(粘土質)の層が20mほど存在しているため、長期にわたって圧密沈下が生じる。
しかも、大浦湾の最大厚30mほどの埋立部分でも滑走路等の重要構造物周りは、サンドコンパクションパイル工法による地盤改良工事が行なわれる(設計概要説明書2-76)。海底地盤と、その上の盛土部分をあわせて上下2段の地盤改良工事が必要なのだが、沈下量の検討にあたっては基礎部分、盛土部分をあわせて検討しなければならない。