2011/04/20 Engizerレビューへのリンクを追記
本日は森のなかまのなかで最近大きな存在になってしまった小さな灯具を紹介します。
良質なフラッシュライトが多いアメリカの
PEAK LED SOLUTIONS社の「EIGER」というフラッシュライトの
ステンレス製モデルです。
EIGERはキーリング等に付けて毎日持ち歩く(EDC: Every Day Carry)ライトです。
単4電池1本で動作するため小さくて軽いのですが、公称12時間と長いランタイムと、40ルーメン(公称値は分かりませんが)を超えるというサイズからは想像し難い非常に明るい光を放ちます。
これだけの明るさとランタイムを両立している時点でなかなか素晴らしいものでありますが、EIGERの素晴らしさはその配光にあります。
広角拡散系で均一で滑らかな光なのです。
1.2mの壁に向けた時のパターンです。左からEIGER、6PX+FM34(15ルーメン)、6PX+FM34(200ルーメン)
「電球な週末」紹介した撮影条件と同じです。
暗闇で「こんな感じに見えますよ」という事を優先したカメラセッティングで撮影していますので厳密ではありませんが、光を拡散するためのFM34というパーツを別途付けた6PXよりも広い範囲を照らしているのが分かるかと思います。
どう拡散させているのか分かりませんが、できる影も比較的柔らかいのでキリキリした感じも少なく非常に見易いのです。
手元作業用には若干明る過ぎるかもしれませんが、少し離せば問題も無く、広範囲を均一に見渡せます。屋内では周囲の状況もわかりやすくEDCツールとして実用性が高いフラッシュライトなのであります。
ちなみにスイッチは「ツイスト式」で頭部を締めると点灯、緩めると消灯と単純明快です。
調光等特別な機能もないので使い方が分からなくなるような事はないでしょう(笑)。
ツイスト式キーライトの代名詞
MAGLite社のSolitaireと並べてみます。
Solitaireよりも短くコロンコロンして可愛いのです。
私が購入した銀色のステンレスの他にもハーモニカ吹きには馴染みの深い
ブラス製(金色)、
最も軽く強靭なハードアナダイズド加工されたアルミ製(ブラック)等があります。
はい。ここまでがEIGERの紹介でした。
以降個人的な話となります(笑)。
EIGERの存在は
Leatherman S2を購入する前に知っていましたし、配光を見るたびに欲しかったのですが値段と調光できないことから見送り続けていました。
しかし、連日知恵熱が出そうな仕事に終われ、一山超えるとなんかご褒美が欲しくなってくるのです(笑)。
良質なツイスト式で拡散系のライトを手にしたい(笑)。。。
そんなおり、入荷待ちが続いていたEIGERが入荷したとのお知らせが。。。
そう言えばクリスマスと誕生日は何もなかったよな。。。
ということで長く悩ましく楽しい時間を過ごした後、ワイフにお願いしたところプレゼントしてくれる事になりました(ヤッホー)。
売り切れる前に、ワイフの気が変わる前にということで大急ぎで(笑)Akaricenterさんに注文しました。
気持ちを察してくれたのか(笑)電光石火で処理をしてくれ、3/10に到着したのでありました。
当日も疲れて帰宅したのですが、もうニヤニヤしながら箱をあけると疲れが吹っ飛んでしまいました(笑)。
どんな外箱で来るのだろうと興味津々でしたが、実用本位のストイックなケースでした(ストラップ、電池は付きません自前です)。
フラッシュライトですからケースに入れて使う事はありませんので、これくらいで良いのです。というかもっと簡素でもなんら問題ないですよね。
下に書かれている「Made in USA!!」が誇らしげです。
滑り止めとしてローレット加工がなされているのですが、Marine Bandのコーム先端のようにクラフトマンシップが発揮されているのかエッジが立っていました。
触ると東レのToracyのように肌に絡み付くような感触があります。
森のなかまはこの感触が苦手で、ボロ布にコンパウンドを付けて1時間近くニヤニヤしながら丁寧に磨きました(笑)。
すると、絡み付くような感触は殆どなくなりステンレスの輝きも増したのでありました。
ネジ山とOリング部を清掃し白色ワセリンでグリスアップします。端子等も磨きます。
別にこんな事をしなくても良いのですが、こういう事をしていると幸せな気分になれる人間ですので最大限に楽しみます(笑)。
もうすること無いの?
#元からないよ(笑)
「いやいや、ステキなストラップとか付けられるでしょ?」と小人さんが囁きます(笑)。
色々試してみて(笑)しっくりきたのが以前赤レンガ倉庫で買った革の組紐のストラップでした(写真に映っているものです)。
本当に疲れて帰って来たのでしょうか(笑)?
あれこれやっていると本当にやれる事が無くなって来てしまいました(笑)。
これ以上なんかやろうとすると取り返しのつかないようなことをしてしまったりしそうだったので、大人しく暗い部屋で点灯してみたり、ハープを分解して覗いてみたりします。
ひとしきり満足し、枕元にEIGERを置いて(笑)寝入るのでありました。ムニャムニャ。
翌日からズボンの左ポケットがEIGERが定位置になりました。
昔は「ポケットとは何かを詰め込むためのもの」と思っていたのですが、ある日突然ポケットに何もいれない事に爽快感を感じる人間になってしまいました。
今ではケータイをポケットに入れなければいけない状況など出来れば考えたないくらいです。
でも、EIGERは小さく軽いので入れている事を忘れてしまうくらいです。
仕事中に辛くなってくると左ポケットに手をいれローレットの感触を楽しむとなんとなく希望が湧いてくるのです(笑)。
そして、その日地震がおきました。
徒歩帰宅した時、町は停電で暗くなっていました。EIGERは歩くのに十分な視野を確保してくれました。
あまりにも明るいので対向者の視界を奪わないよう水平には照射せず下向きにしていたくらいです。
信号も止まっているため道路を横断する際は前方3メート辺りを狙って左右に振って(自分の位置をアピール)から渡っていました。
普段は実用品と言いながら、半ば趣味で使っていたフラッシュライトがこういうかたちで使わざる得ない事は非常に複雑な気持ちです。
6PXの15ルーメンモード(48時間のランタイム)に比べるとこんなに明るいのです。
もちろん6PXの200ルーメンモードでは明るさでは敵いませんが、何時でも身に付けて持ち歩ける点ではEIGERはとても頼りになります。
あの日以来、町からは単一電池と強力な灯具が消え入手しにくい状況が続いています。単3、4は比較的入手し易かったと思います(今後はわかりませんが)。
計画停電回避の方向から徐々に落ち着いて来てはいると思いますが、それでもランタン等はまだバックオーダを抱えているようです。
昔は単1電池を4-6本使ったサーチライト等でないと心元無かったからでしょうが、現在は単3、単4で実用的な明るさとランタイムが得られるような製品が多く出ています。
どんなに素晴らしい灯具が家にあっても必要な瞬間に利用出来なければ意味はありません。
持ち歩きが苦にならない、もっている事を忘れてしまうような小さくて軽いライトを何時でも利用出来るようにしておく事を奨めるのはマニアだからでもなく、それほどおせっかいな話ではないかと思います。
確かにEIGERは安いものではありませんので、そのための用途であれば別途入手しやすいもので全く問題ないと思います。
ただ常に使えるようにとなると、気に入ったものの方が良いでしょう。
気に入ったものであれば、意味も無く点灯したりします(笑)のでわざわざ定期点検したりする必要もありません。
いつもの事ですが少し脱線します。
基本的にLEDライトは故障しません。
もし点灯しないのであれば電池周りのトラブルが殆どです。
6ヶ月以上点灯しなければ電池は液漏する事もあり、接点が腐食してしまい導通しなくなる事がありますが、こんな時は接点を綺麗にしてあげれば治ります。
漏れた液が手についたら石鹸でよく洗いましょう。
酷い時は電池がライト内で腐食して膨らみ取り出す事さえ出来なくなる事もあります。こうなったらどうしようもできません。
液漏れは定期的に電源入れてあげれば基本的には防げます。
しかし、避難袋に入れっぱなしにしている懐中電灯などはこういう事になっている可能性があります。
でも、避難袋を定期的に開けてライトを点けるという儀式を行うのはマニアよりもマニアっぽくはないでしょうか。
このため長期に入れっぱなしにできる、アルカリ、マンガン電池よりも液漏れし難いリチウム電池というものもあります。
Energizerの高性能リチウム
イオン電池。
左が単3、
右が単4です。
2011/04/20 追加
昼休みにEngizerのレビュー記事を見つけました
「長持ちすぎる乾電池」エナジャイザー リチウム乾電池
かなり突っ込んだレポートになっていますので森のなかまでは消化不良なかたはどうぞ。
国産有名メーカのアルカリ電池でも機器に入れず3-4年保存しておいたら使えなくなってしまった(実体験です)のに対し、15年は保存できるそうです。
初期電圧を長く維持するので、デジタル機器(デジカメ等)に使用した場合長時間使えますし、マイナス40度でも使用出来ます。
また普通の電池に比べ30%程「軽い」のです。
本数を使用する場合、携行品の重さを軽くしたい時には効果があります。
と、良い事尽くめですが「非常に高価」な電池です。
高性能と信頼性にはそれなりにお金が懸かるわけです。
と、電池の話で脱線しましたが、日頃から使っていれば「保管目的」で高価な電池を購入する必要はないのです。
最後にEIGER同様例外的にズボンの右ポケットに入っているライターとの合同写真です(笑)。
畑違いですが、お互い銀色でなので相性は良さそうですね。
千葉県船橋市で日本を代表するステキなライターを作り続けている
SAROME社の
PSD12-12です。以前
SV3という海底を思わせるライターを
紹介しましたがそれ以前に購入し使い続けているものです。
その日の気分でライターを選びます。
「また変なものにお金使ってるよな」と馬鹿にする人。
まじまじと見つめて「ステキ」と言ってくれる人。
色々な反応が見られて面白いですが「ステキ」と言ってくれる人の方が好きです(笑)。
「昔は高価なZippoを使っていたけど飲み屋でなくした」という人が多く「無くすから使わない」と言います。
森のなかまは「無くしたくないので使い終わったら右のポケットにしまう」ようにしています。
お母さんが子供に言うみたいな事ですがこれは結構効果があります。この歳になってようやく出来るようになってきました(笑)。
仕事の合間に喫煙室で胸ポケットから煙草を取り出し、右ポケットからライターを取り出し火を点け、そしてライターをしまいます。
一服煙を吐き出して左手をポケットに入れると自然とEIGERに触れます。
嬉しい事や、忘れてはいけない事をひっそりと思い返します。
EIGERとは全く関係のない個人的な話ですが、そういうものに出会えた一連の繋がりは、忘れっぽい自分にとってある意味幸せな事だと思う今日この頃です。