かっこうのつれづれ

麗夢同盟橿原支部の日記。日々の雑事や思いを並べる極私的テキスト

懐かしいシリーズの「新刊」を手にして、久しぶりにまた読み返してみたくなりました。

2012-06-07 22:14:17 | マリア様がみてる
 昨日、仕事で1日肉体労働をしておりましたら、今日、腰と腕、特に利き腕の左の手首が痛くてたまりません。昨日、作業を終えた時から、腰はいつになく張って真っ直ぐ歩くのが一苦労でしたし、腕はだるくて運転するのが億劫だったりしましたが、一夜明けてこうも厄介なことになろうとは、正直焦りました。朝の通勤で、普通に走る分には特に問題なかったのですが、カーブでちょっとGがかかると途端に腰が悲鳴をあげますし、ギアチェンジでレバー操作する時に、無意識に力を入れた途端、ズキッと手首に驚かされますし、そんな痛みにしばらく翻弄された挙句、ようやく学習した私は、腕や腰に負担がかからないよう、田舎道を我が物顔で行くおじいさんの軽トラもかくやと言わぬばかりの安全運転に徹して残りの道を走り抜けました。まあ、慣れてきてアクセルを踏み込んでまた痛みに芝枯れる、というのをまだしばらくは続けておりましたが、運転の荒さを矯正するにはちょうどいい機会だったかもしれません。

 さて、今日は久しぶりに「マリア様がみてる」の新刊を読みました。「フェアウェル ブーケ」という副題のそれは、もう1ヶ月くらい前に刊行されていたものです。先日、たまたま書店で見かけ、そういえば新刊が出る、という話があったな、と思いだして、目的の本とともにレジまで運んだのでした。
 先ほど、半身浴しながら読み終えたところなのですが、一言で感想を述べると「懐かしかった」でした。私が「マリみて」シリーズを初めて手にしたのが2005年の3月、それでハマってこのブログにも専用カテゴリーを作るほどに没頭したのですが、以来既に7年が経過し、さすがに一頃の熱は冷め、かつては新刊発売日にわざわざ有休をとって買いに行ったり、本を求めて思いつく書店を片端から観に行ったりしたものが、今や発売されたことすら気づかずに、あとから気づいてもわざわざそのために書店に足を運ぶこともなく、たまたま見かけたのでついでに購入する、というところまで、私の中での優先順位は下がってしまいました。それでもこうしてひとときを楽しむ事はできますし、かつての熱狂を思い起こして、その残照を味わうことも出来るのは、ありがたいことだと思います。
 ただ、キャラクターの名前が難しすぎる! 永(ひさ)、亜深(あみ)、貴良(たから)くらいは一度見ればなんとかなりましたが、市子(ながこ)、党江(まさえ)、緩世(のぶよ)、未子(ひでこ)などは、初出の時にのみ付いていたルビを何度見直しにページを繰り直したことか。そのたびに読書のリズムが断ち切られるので、出来れば登場人物の名前は難読にならない字で作って欲しい、と切に望みました。

 本編は、かつて雑誌に発表した短編を集め、それに少し書き下ろしを加えて1冊に構成したもので、作者によるとこれでストックはなくなったとのことですが、また再開するかもしれない、と巻末のあとがきに書いてありましたから、その内また忘れた頃に「新刊」を見かけるかもしれません。多分その時にはまた手にとってレジに運ぶことでしょう。
 それはともかく、久しぶりに初刊から読み返してみようかな、という懐かしさを感じさせてくれた一冊でした。
 
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マリア様がみてる 私の巣 ようやく読みました。

2010-02-06 23:22:12 | マリア様がみてる
 大分遅れましたが、「マリア様がみてる」最新刊、私の巣(マイ ネスト)の感想をしたためておきましょう。今までマリみては大体発売日に購入していたのですが、この本は10日以上遅れた上、そのまま読まずにずっと放置していて、一時はどこに置いたか忘れてしまうというような状態になっておりました。それというのも、基本的にマリみては前巻の祥子卒業で祥祐時代が終結し、とりあえず幕を閉じた、という認識だったことと、本巻がこれまでのレギュラー陣とは違う人たちのお話でまるまる1巻出来ていたこともあって、正直、あまり食指が伸びなかったのです。これまでも、時々あった短編集の巻ではやはり同じようにちょっとした不満を抱いていたのですが、各短編をつなぐための幕間劇で、一応レギュラーのお話が挟まれていたこともあったのか、まだ読む気をそそられていました。いわば、マリみてにしてマリみてにあらず、という感じがどうしても拭えず、ページを開くのが中々だったのです。
 ところが、なんとか本を再発見して読み始めてみると、最初想像していたよりもお話が結構面白く、寸刻の緩みも無く瞬く間に読みきっておりました。一応一つ一つ別のエピソードが割り振られた短編集のような体裁なのですが、登場人物は統一されており、主人公の1年生朝倉百と2年生筒井環が大叔母と姪になるちょっと複雑な家庭事情を、夏から翌年夏の1年を通じて語り継ぐ、という話になっており、舞台も学校よりもその二人がそれぞれの家族もろとも住んでいる古い大きなお屋敷が中心に据えられていて、二人を取り巻く家族たちの姿も結構楽しめる人たちでした。これまでの短編集では、各編の出来にどうも振れがあり、一時的に読む気が削がれるいわゆる淀みができることがあったのですが、この本はそんなことはなかった点も、すんなり読めた理由なのでしょう。
 読む前には「マリみてにしてマリみてにあらず」という点が気になって食わず嫌いになっていたのが、読んだ後は、その似て非なるところが逆に気に入ってしまった、というのですから、私も大概現金なものです。

 それにしても、マリみてはこの後も続くのでしょうか? 続くとして、今回のようなオリジナルサイドストーリーが主になるのか、はたまたこれまで通り薔薇の館を舞台としたお話になるのか、少し気になります。まあ今回のような話ならサイドストーリーも悪くない感じなので、今後とも何らかの形でマリみてが続いてくれたらいいな、と思います。

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今更ですが、マリみて新刊「リトル ホラーズ」感想です。

2009-07-13 21:18:15 | マリア様がみてる
 今日はとにかく暑かった。それを実感したのは、うちに帰って風呂の用意をしようと蛇口をひねったらぬるいお湯がしばらく出てきたことで、なるほど、今日はかなり暑かったのだと改めて認識しました。とは言え、確かに昼間から暑さは尋常ではなく、部屋でじっとしているだけでもじとっと汗が滲み出してくる有様で、節電とかエコとかのお題目で空調を入れられない職場はさながら自然のサウナ。そんな中で仕事用のPCも動いているわけで、もし熱暴走でもしたら一体誰が責任を取ってくれるのだろう? と思いつつ、熱くなった筐体に戦々恐々としながら日々やり過ごしています。生産性は格段に落ちるし体力もそぎ落とされるし、本当にエコなんていうのが人間にとって良いことなのか、はなはだ疑問に感じることもあります。梅雨明けしたら空調も最低限入れられるはずなので、早く梅雨明け宣言してもらいたいです。
 
 さて、7月1日に「マリみて」新刊を入手して、感想は1週間後に、と書いておきながら今日は既に2週間近くを経過、実はすっかり忘れていた、というのを反省しつつ、今のうちに感想を一つしたためておきましょう。

「リトル ホラーズ」の副題の通り、中身はミステリーというかホラーというか、なんとなく不思議な短いお話を寄せ集めて構成された短編集で、それぞれの話の幕間のつなぎで、主要メンバー達の繰り広げる、ちょっとばかりミステリーチックなサプライズ劇が進行する、という、マリみてでは比較的よく見知った短編集のあしらい方で話が進んで行きます。ただ、今回特筆すべき点は、幕間劇の主役がニューフェイスの有馬菜々ちゃんに設定されていること。表紙でもでかでかと三分の一ほどの面積を占有し、姉の黄薔薇さま島津由乃嬢と二人でこれでもかとばかりに黄薔薇を主張しております。でも、アクセントで背景に紅薔薇さまがちらりと顔を見せているあたりは、お話の行方を暗示しているようでなかなかにイミシンな表紙です。アドベンチャー好きで、かつて由乃を振り回していたこともあった菜々ちゃんですが、今回は一年生らしく不安におののくしおらしいところも見せ、なかなかに新鮮な感じがいたしました。
 短編の方は、まあどれもミステリーとかホラーとか言うにはライト過ぎて、幻想的、というほどでもなく、なんとなく不思議だけれど・・・というような正直今ひとつノリの悪い感じがしないでもなかったのですが、雰囲気では、中ほど後半にあった双子姉妹と新任教師の関係を描く「ワンペア」が、比較的ミステリーの味付けがそれなりにしっかり効いていたようで気に入りました。まあ表題も「リトル」ホラーズ、ですし、そもそもマリみての舞台でミステリーとかホラーはなじみにくい気もいたしますから、あまりそういうところをあげつらうのは野暮のきわみというべきもの、一つでも気に入った話があったらそれで十分といって差し支えないでしょう。それより何より、新黄薔薇姉妹のやり取り、特に傍若無人なわがままお姉さまと、やれやれ、といいつつそつなくフォローをこなす出来た妹、という構図は、これまで無かっただけに今後の展開が楽しみでもあります。
 ・・・と書いたものの、マリみてって「今後の展開」ってあるんでしょうか? 一応本編は前巻で了と書いてしめてありますし、今回は幕間劇はともかく、中身はこれまで既に公開されていた話を寄せ集めた短編集。新しい本が出るのはうれしいことですが、再開、と喜ぶには気が早い気がします。少なくともこの夏を越えたころにでも、全くの書き下ろし長編の一つも出ないことには、安心することは出来ないでしょう。でも、できればこの姉妹の行く末は読んでみたいですね。そもそも祐巳1年生から始まったのですから、せめて祐巳が卒業するまでは面倒見てやってください、と作者さまにお願いしたいです。

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マリみて新刊! ついでに週刊西洋絵画も

2009-07-01 22:00:15 | マリア様がみてる
 今日は天気予報がしっかり当たって、夕方から雨が降り出し、暗くなってからとんでもなく強い降りに変化してきました。しばらくして小康状態となりましたが、気象庁の予測を見る限り、今夜未明にもう一波ありそうです。真夜中なら雨音で目覚めるということもそう無いような気がしますが、雷でもなった日にはやっぱり目が覚めるかもしれませんね。新居に越して以来夜は比較的安眠が続いておりましたが、梅雨に入ってからこっち、雨音が意外に強く響き、そのために若干寝不足気味が続いています。こうなると、早く梅雨が明けてくれないか、と勝手なことの一つも言いたくなりますが、かつて過ごした香川県の水がめ早明浦ダムは、現在ようやく貯水率三割を超えたところで、夏を無事越すにはもっと雨が欲しいところです。うちはもういいから、四国の山にたっぷり水を落としていってもらいたいです。

 さて、今日は「マリア様がみてる」最新刊「リトルホラーズ」の発売日ということで、時間をやりくりして帰り道、本屋さんに立ち寄って参りました。前巻末尾に「了」と書いてあったのでてっきり完結か、と思い込んでおりましただけに、この発売はうれしい驚きでした。もっとも書き下ろし長編ではなく、これまでにもあった、既出の短編を書き下ろしでつなぐ形の短編集でしたので、この後いつまでマリみてを書き続けるのかは微妙なところです。出来れば祐巳のエピソードから始まったのですから、彼女の卒業までは話をつないで言って欲しいと思うのですが、果たしてどうなるでしょう。感想はまた例によって1週間ほどずらして書きたいと思いますが、途中の感想としては、「黄薔薇新姉妹、なかなかいい!」 ということで、書き記しておきましょう。

 本屋さんに寄ったとき、たまたま「西洋絵画の巨匠22 ブリューゲル」を見かけたので、ちょっと気になってぱらぱらめくっていたのですが、その内容に圧倒されて思わず買ってしまいました。そもそもブリューゲルという画家は知らなかったのですが、このシリーズの売りの原寸美術館なる一部原寸再現のページが、今回「バベルの塔」だったのが目を惹いたのでした。またゆっくりみて、感想を書こうと思います。でも、目を惹いただけあって「バベルの塔」は圧巻ですよ。必見の価値あり、と申せましょう。

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アニメ「マリア様がみてる」4thシーズン、十分堪能しましたが、内容はしょりすぎで実に残念でした。

2009-04-30 20:40:41 | マリア様がみてる
 マリみてアニメ4期、なかなか観ることができなくて四苦八苦しておりましたが、なんとかそれでも時間を少しずつ作り、ようやく観終わることができました。
 巷で噂になっていた、ずいぶん変調したオープニングとエンディングに戸惑いつつも、活動的なおのおののキャラクターの動きをじっくり堪能できたのは、まずまずだったと思います。中でも、第11話「ハートの鍵穴」のラスト、祐巳を誤解していたのが一気に解け、途方にくれてしゃがみこんで数を数えている瞳子の前に颯爽と現れる乃梨子。原作でも感動的なラストでしたが、ああして映像としてみるとその威力は何倍にも増幅するのだな、と感心しきりでした。
 ただ、「特別でないただの1日」から「あなたを探しに」まで、いや、最後の最後で、祥子様を前に祐巳と瞳子のロザリオ授受をやったのだから、「ばらの花かんむり」の冒頭まで、ですね。都合12冊と40ページほど。実際には短編集1冊とイラストコレクションが1冊あったので、主要なお話としては10冊と40ページなわけですが、それを一気に13話でやっちゃうのですから、ずいぶんはしょられた話が多かったのがちょっと残念でした。第1期が6冊を13話、第2期が5冊を13話、それでもはしょられたエピソードがあって残念に思ったことを思えば、今回どれだけダイジェスト版にまとめられたかが分かろうというものです。
 5thシーズンが出来るかどうかわからない中で、祐巳と瞳子のスール成立を描かずに終わるわけにはいかなかったのだろう、というのは理解できるのですが、それはそれとしても、はしょるには惜しいお話がおおすぎはしませんか? と製作陣には一言物申したくなりました。この辺りの話、特に前半では、原作発表当時はそりゃあやかましいほど、ファンサイトやら某掲示板やらで、祐巳の妹は瞳子か可南子かはたまた別のダークホースか、という話題で盛り上がっていたもので、それを横目に、なかなか話が進まない原作の展開を、ほぼ3ヶ月ごとに出る新刊を心待ちにしながらやきもきしていたものです。そんな当時の心境を思い出すに、こうしてささっと一気にやってもらえるのはそれはそれで一種の快感がないとは言いませんが、あれだけの苦労をこんなに簡単に、しかも重要エピソードをことごとくそぎ落とした上で語られるのは、どうもいわく言いがたいもの、一言で言うと、気に入らない、ということになるのですが、とにかくもやもやしたものが生じるのを否めません。
 残すところ4冊と150ページほど。短編集1冊と短編集もどきが1冊なので、それをはしょると2冊と150ページ、本編といえるお話があります。これをベースに、4thではしょられたエピソード、たとえばスールオーディション中における蔦子さんと笙子ちゃんの出会いとか、由乃と菜々ちゃんの令さまお見合いを巡る冒険譚とか、バレンタイン企画における由乃と田沼ちさととの半日デートの顛末とか、他にもまだありますが、次回予告やらお話の中やらでさらっと触れるだけに終わったそれらエピソードをあわせて、OVAでもなんでもいいですからぜひ映像化してもらいたいと思います。

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マリみて新刊のついでに、オバマ演説集など買ってみました。

2008-12-26 22:14:06 | マリア様がみてる
 今日は朝のうちはそれほど冷えることも無く、珍しく車のフロントガラスも凍り付いていなかったのですが、日中は全然気温が上がらず、3時ごろにはかなり強めの雪が降ってきて、車や芝生や土の上が見る見る真っ白になっていくのをハラハラしながら眺めておりました。幸い雪はすぐに小降りになり、道に雪が積もる、というようなことはありませんでしたが、これから3月までは、何度かそんなハラハラドキドキ感を味わうことになるのでしょう。

 さて、今日はマリア様がみてる新刊「ハロー グッバイ」の発売日ということで、帰りに書店に寄り道し、購入しました。ついでにジパング第38巻と、たまたま帯の「瀬名秀明氏激賞!」の太ゴシック体が目に飛び込んできた、「20世紀の幽霊たち ジョー・ヒル作 小学館文庫」、それから、朝日出版社の「オバマ演説集」もあわせて購入、これでしばらくは読む本に困らなくて済みそうです。マリみての感想は、例によってしばらくしてから公開するとして、現在、半分強読み進めて気になるのは、このお話、まだ続くのだろうか? という一点です。アニメもやるしまだまだ止まることはあるまい、とは思いつつ、なんとなく惰性になっている感もあるお話の流れをできれば何とかてこ入れして欲しいと思うところもあり、少々複雑な気持で新刊を読んでおります。
 オバマ演説集、生の音声収録の付属CDはまだ聞いておりませんが、対訳の日本語を読むだけでもその力強い言葉遣いに感情が高ぶります。実際には、その政治手腕を見て、成果のほどを確認しないと、政治家として信頼するに足るかどうかなんて判断のしようも無いのですが、少なくとも人々の気持を言葉で鼓舞できる力、というのは、リーダーとして天賦の才だと言えるでしょう。翻ってわが国の古今の政治家を見ると、どうもそのような能を示すヒトはいないように感じます。孔子の言葉のように、口の上手いヤツは胡散臭い、といわぬばかりの文化を持ち、不言実行が尊ばれるわが国で演説上手がそうそう生まれようはずも無いことは理解しているのですが、かたや未曾有の危機を前にして、それでも人々の気持を焚きつけ、困難に向かう気力を振り絞らせることができるのに対して、こちらは不安と不信と不満ばかりが醸成されるような言葉がマスコミに踊るという、この違いには絶望すら覚えます。せめてもう少し、暗い世相の中でも、明るく希望に満ちた未来を垣間見せるような言葉使いができないものでしょうか?

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「マリア様がみてる」新刊「卒業前小景」 感想。

2008-10-04 23:21:44 | マリア様がみてる
 「マリア様がみてる」新刊「卒業前小景」を買ってまいりました。一応コバルト公式サイトをチェックして、10月新刊は知っていたのですが、発売日までは記憶していなかったので、たまたま本屋さんで見かけて買って来た、という塩梅でした。1,2年前までの、発売日当日には必ずゲットする、という状況からすれば随分のんびりしたものになってしまったな、と我ながら思いますが、祐瞳姉妹の決着がついてからこっち、少しばかり執着心が薄れたのは間違いないようです。そのせいなのか、『2009年1月4thシーズンTVアニメ放送開始!』と書かれたピンクの帯をまとった本が、なぜか手にした時に「薄い」と感じてしまいました。夏に「お釈迦様もみてる」を書いているから今回はその余波でいつもより中身が短くなったのか、とその時は勘ぐってしまいましたが、実際にはページ数はここ数回とあまり変わらず、どちらかと言うと数ページ多目だったので、本屋さんで手に取ったときに感じた思いは、全くの誤解だったことになります。
さて、今回の新刊はと言うと、まだ「卒業前」です。
 前作は短編集だったので置いておくとしても、前々々作の「薔薇の花かんむり」で三年生を送る会と山百合会お別れ会とを済ませたと言うのに、間1冊(+短編集)をはさんでまだ卒業式に到達しないのです。こちらはその間に1年経ってしまったのですが、卒業式はこの分ですと年明けになりそうですね。
 と言うようなことを書いたものの、中身は割りと楽しめたのもまた間違いないところで、今回短編集的ないでたちながら、一つ一つのお話が結構よく出来ていて、感心いたしました。時間軸が前後する話が並んでいるのが玉に瑕でちょっと混乱させられたりもしましたが、1話分主役を張った桂さん、新聞部の築山三奈子女史、美術部姉妹、久々せりふつき登場の聖様、ほぼ初見参の写真部3年生と蔦子さんの対決、と登場人物達もいつになくバラエティに富んで、それぞれのお話が卒業直前の雰囲気を盛り上げるのに十分な役割を果たしていた、と思います。そしてラストは祥子と祐巳二人だけのお別れ会。今までのお話の集大成的なラインナップで、これを境に次の展開はまた新しい別のものになるのだな、という印象を深くいたしました。
 お話の中では翌日の卒業式も、現実世界では数ヶ月先の話。とにかく一区切りつけるまでは、目を離すことは出来ませんね。

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上京中に読んだ本をいくつか

2008-08-20 22:35:30 | マリア様がみてる
 やはりというかなさけなしというか、今日は一日、どうも具合が変調したまま一日が過ぎてしまいました。昨日の帰りはN700系新幹線(行きの700系に比べて揺れが少なくて技術の進歩、を感じさせられました)、更に京都からは近鉄特急に乗るという、平時には考えられない奮発をしたのですが、それくらいでは補えないほどやっぱり疲れていたようです。それに、疲れだけじゃなくて時間感覚までどうも日常に復帰していないみたいな感じで、ある種時差ぼけに近いヘンな感じのまま、一日が過ぎていきました。恐らく明日にはもう少しマシになっていることと期待しておりますが、きっと、完璧に平常に復するのは、土日の休みを挟んでからになるんじゃなかろうか、という気がしております。どうも年々、変調をきたしてから元に復帰するまでかかる時間が延びているような気がしてならないのです。

 さて、この東京遠征中にはほぼ1日1冊超の本を読んでおりました。行きの京都駅で購入したのが、「『量子論』を楽しむ本」 佐藤勝彦監修 PHP文庫」。相対性理論と双璧をなす、現代物理学の精髄とも言うべき「量子論」について、平易に解説した本です。ちと量子テレポーテーションやら量子コンピューターやらをかじって、さる設定に使ってみたくなったために、そのさわりだけでも理解しておこうと読んでみたのですが、難解極まりなく、専門家でさえ本当に理解しているヒトはいないのでは? とさえ言われる「量子論」について、一通り目を通せばなんとなく判った気にさせてくれる読みやすい本でした。
 次に東京で購入したのは、「道路の決着 猪瀬直樹 文春文庫」。道路公団民営化推進委員として獅子奮迅の活躍をなさった現東京都副知事による、小泉改革の1大功績である道路公団民営化の内幕暴露本です。随分前にその前作「道路の権力」や官僚機構に密接して蠢く天下り先公益法人の様相を抉り出した「日本国の研究」などを読んでいたこともあって、その続きを見つけたのを幸い、手に取りました。誠治家や官僚、マスコミなどの問題、我が国における意思決定システムのあり方など、考えさせられる内容でした。少なくとも新聞や雑誌はそのまま真に受けるわけには行かないな、と改めて認識させてくれます。

 コミケ会場では、「マリみて」関連同人誌を5冊購入、全部読んでしまいました。特に「赤木文庫」の「こちらリリアンかわら版編集部」は内容が実に素晴らしい! 三奈子、真美、日出実の新聞部姉妹を軸に繰り広げられるリリアンかわら版を巡る一連のお話ですが、読者をぐいぐい引き込むテンポのよいかっちりした文体、見事に再現、更に拡張された「マリみて・かわら版世界」、オリジナルの登場人物も含めた人物描写の見事さなど、もう同人の枠を超えたプロ級の表現力だと感服しました。どれ位かかっているのか存じませんが、本そのものもフルカラーカバーつきの完全文庫サイズで、そのまま書店に並んでいても全く違和感の無い出来栄えです。以前初めてそういう本を見たときはそれだけで驚いたものですが、今回ざっと会場を見て回ってあちこちそういう装丁の本が売られているのに気がつきました。印刷屋さんの方も、そういう需要に対応できるところが増えたのでしょうか。

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マリア様がみてる「マーガレットにリボン」感想

2008-04-10 21:03:40 | マリア様がみてる
 私が入手したのが遅かったのですっかり後回しになっておりましたが、マリみて新刊の感想など、したためておこうかと思います。

 前回が祥子さま春の遊園地リベンジデートということでしたので、次はてっきり卒業式なのだろう、と思い込んでいました。ちょうどシーズンでもありますし。ところが今回は短編集で、卒業式はおあずけでした。
 どうも祐巳-瞳子姉妹までの道のりが異様に長かったのがいまだに尾を引いているのか、このところの作者は実に気をもたせてくれます。この分だと卒業式は夏に、由乃の妹獲得は秋以降になるのでしょう。まあゆっくり待つよりないですね。

 そんな新刊ですが、これまで「コバルト」誌上に出ていた短編の取りまとめ、ではなく、巻末のあとがきにもあるように全編新作だったそうです。「コバルト」を購読していないので知る由もなかったのですが、正直なところ、あえて今このインターバルをおく必要があったのか、と少なからず思ってしまいました。内容は、前薔薇様3人の単発エピソードがそれぞれあり、前回明らかになった、志摩子の今は無き本当のお父さんと兄(系譜上は叔父)の話、祐巳の話が2編に、祐巳の傘の話が1つ。それを、バレンタインのお返しを祐巳、志摩子、由乃の3人で知恵を絞って製作する、という話で繋いで、一つの流れを作っているという形になっています・・・が。今描きながら気づきましたが由乃メインのお話がないではありませんか。祐巳は2つもあるのに。さらに前薔薇様3人に山辺父娘、加東景サンに静さままで出て来たというのに。ちょっとかわいそうな気がしますが、その分次の次くらいで主役を張るということでバランスをとっていただくとして、さて今回、新作といいながら、どうも内容がやたらと古いのです。江利子山辺娘に会う、というのは「バラエティギフト」のときの話。聖景イタリアを行くの話はその次の「チャオ ソレッラ!」。コンビニで誰かに持っていかれた祐巳の青い傘の話は、更に古く「レイニーブルー/パラソルをさして」の話。まあ確かに気にならないことではなかったエピソードではありますが、それにしたってこう何年も経ってから改めて語られても、どう受け取っていいものやら。そのくせ祐巳の話2編は極最近のお話になっていて、やっぱり主人公としてひいきされているのだろうか、といらぬことを考えてしまいました。
 まあすでに本筋からはご退場遊ばした前薔薇様のお元気そうなお顔をちゃんと挿絵つきで拝見できましたし、前回どう観てもとってつけた感がぬぐえなかった志摩子の謎に、まずまず納得できるだけの背景を見ることができましたし、卒業式前の箸休めとしては、十分満足できる内容だったと言えるでしょう。あの青い傘の遍歴については、いくらなんでもなぁ、なんて思ってしまいましたが(汗)。
 それにしても、次こそは卒業式、そして由乃と菜々の新しい世界を描いて欲しいと思います。

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マリみて新刊「キラキラまわる」の感想

2008-01-05 23:59:01 | マリア様がみてる
 今日はいろいろやっているうちにすっかり忘れていたマリみて新刊『キラキラまわる』の感想でも一つ記録しておきましょう。この本、発売日にはあえて入手せず、12月28日の上京の際に、途中豊橋で途中下車してお昼ご飯をしたためたときに、たまたま通りかかった本屋さんで購入し、一緒に購入したもう一冊のラノベもろとも、東京に着くまでに読んでしまっておりました。その後3回くらい読み返しております。
 今回の話は前回の続きで遊園地編なわけですが、まず表紙を開いておっ? と驚いたのが、冒頭の登場人物紹介で細川可南子嬢がまた掲載されていたことでした。遊園地の話でどう絡むのか、その謎は読むうちにすぐ解消されるのですが、結構期待を持たされる読み始めでした。
 本編はオープニングから不穏な空気の流れる10人組、という描写からスタート。その後、なぜそういう微妙な空気に支配されたか、各薔薇姉妹+蔦笙+花寺コンビについて次々と語られるのですが、全体としてはまずまずと思いましたものの(蔦子さんの叔父さんの話は気に入りました。私もあのような中年になりたいものです)、前巻の謎ということになっていた祥子さま自動車免許取得というイベント、志摩子さん両親すでに他界という新設定が発覚という二つは、どうもすんなり受け入れられませんでした。祥子さま、免許を取ったのはいいんですが、いきなり左ハンドルの外車に乗って大丈夫なのでしょうか?私は右ハンドルの車しか運転したことが無いので左ハンドルの感覚はわからないのですが、日本の教習所では右ハンドル車で実習するでしょうし、いくら広大な小笠原邸で練習したとはいえ、公道を運転して高速まで乗ることができたというのが、かなり引っかかりました。その上、運転という結構負担のかかる仕事をこなしたあとの遊園地とは、秋は電車で移動して途中リタイアしたのに、本当に大丈夫なのか? と疑問を覚えずにはいられませんでした。
 志摩子さんの新設定はなんかオープニングの微妙な空気を演出するために無理矢理くっつけたみたいな話っぽく見えて、前々から決めていたのならせめて伏線をどこかに張っておいて欲しかった、と思わざるを得ませんでした。
 まあそんな引っかかりはありましたが、お話全般は楽しんで読むことができました。蔦子さんの電話で舞い上がって都合よく言葉を解釈してしまう笙子ちゃんとか、そんな妹をさりげなく応援する内藤克美さまという構図はなかなか楽しかったですし、前出した蔦子さんとおじとの駆け引き、瞳子可南子コンビのイイ関係や可南子ちゃんが結構遊園地好きという設定は良かったと思います。特に185ページの挿絵は最高でした。あと、志摩子さんがジェットコースターで大声できゃあきゃあ騒いでいたなんていうのは、是非動画で見てみたい気がしたものです。
 由乃さんは相変わらずでいつまでたっても子供子供しているのがかわいらしいというか、大丈夫か? と心配になるというか、進展著しい祐巳と比べるまでも無く、「いばらの森」からちっとも変わっていないように見えるのは、作者の「変わらないで欲しい」という願望でも体現しているのでしょうか。
 
 盛りだくさんな内容の中、唯一取り残されたのが菜々ちゃんの問題。これは次巻以降のお話のためにあえて抜いたのだ、と解釈しているのですが、次はたぶん卒業式がらみのお話になるのでしょうし、次の次、位になるんでしょうかね? なんにせよ、今しばらくは楽しんで読んでいられそうです。

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「薔薇の花かんむり」感想。

2007-10-13 23:32:22 | マリア様がみてる
 なんだか風邪がやたらと流行っている感じです。このところ急転直下に気温が下がってきているのが原因なのでしょうか? 気温が下がった、と言っても、まだ平年より少し高いか、せいぜい平年並みになったくらいのところなのですが、ほんの1ヶ月前は平年値より5℃以上高かったのですから、体感的にはいきなり寒くなった、と言うように感じられるのでしょう。
 ただいま、家人のうちでは私一人が風邪の症状を呈すること無く無事に済んでいる状況ですが、この分だといつ私も風邪をひくやも知れません。出来るだけ暖かにして睡眠を十分にとるのが肝要のようです。

 さて、発売から既に10日を超えましたので、そろそろネタバレ感想の一つも記録しておこうかと思います。
「マリア様がみてる 薔薇の花かんむり」。
 これまで引っ張りに引っ張り続けた祐巳瞳子のスール問題がようやくにして解決した重要な巻です。中でも、前々巻「あなたを探しに」でほぼ決着が付いたスール問題。残るはロザリオの授受だけと言う話を、今回一体どうやって1巻分に引き伸ばしてまとめるのか、と言う点が気がかりだったのですが、実にあっさりと、わずか40ページ少々で話を決めてくれました。そして、その後お話の本筋は、祐巳たち2年生が主催するイベント「3年生を送る会」の準備と挙行に移ります。その一方で祥子がついぞ見た事の無い「がり勉」ぶりを見せたり遅刻しそうになったり、と言う謎の奇行を繰り広げる様を、受験を終えて復活した築山三奈子を絡めて話を膨らませてあるという構成になっておりました。色々と想像していた内容とまるきり違う展開に肩透かしを食ったような気がしたのは否めませんが、まあそれはある意味当然なわけで、ようはそれが十分面白く納得できる展開なら問題は無いわけです。
 で、結果的には十分に面白かったと言えるわけですが、発売日の日記にも記載したように、なんとなく違和感と言うか漠然とした理由のわからない不満が残っておりました。その後3回ほど読み返してなんとなく、ああそんなことかもしれないな、と言うところに思い当たりました。
 一つは、瞳子がしっくりと何の軋轢もなく山百合会にはまりきったこと。これまで、祐巳はもちろん志摩子や乃梨子が薔薇の館になじむまでには色々とドラマがあり
、それが丹念に描かれていたように思うのですが、今回は祐巳の「スールになったからよろしく」宣言一つで全てオチが付いたところが、なんともあっさりしていて「ふーむ」と腕を組みたくなった点になります。しかも乃梨子と瞳子の1年生コンビがまたとんでもなく元気で気が利いていて、ほとんど欠点のない無謬性を見せ付けてくれるあたり、ほんとにこいつら一年生か? と疑問の一つも呈したくなるほどのものでした。まあ、スール宣言直後の乃梨子喜びの涙が素直に感動的で、そのあたりの違和感はほとんどそれで解消、というので一向に構わないのですが、ちと末恐ろしさを覚えたのも事実です。
 それよりも多分本質的に違和感を覚えたのが、「3年生を送る会」を巡る祐巳たちの対応振りでしょう。1年前、体調を崩して倒れるようなところまで行った祐巳が今回は実に余裕綽々でこなしているように見えるのです。文中には忙しさをアピールするような文言も散見されるわけですが、「いとしき歳月」の焦燥感というか、多忙で切羽詰ったような感じは今回まるでありませんでした。それだけ祐巳たち2年生トリオが生長し、また1年生コンビが1年生離れした活躍をして仕事をこなしていったからなのだろうと思うわけですが、1年前、祥子と令が「3年制を送る会」にかまけるあまり、山百合会お別れ会を完全に失念していたような余裕のなさを示したのと比べれば、雲泥の差が感じられます。生長振りを描くのはもっともだと思うのですが、少々生長し過ぎているように感じたのは、読者のわがままということになるのでしょうか。
 でもきっと、一番不満を潜在させた原因は、おそらく祐巳ー瞳子の至極あっさりした描かれ方だったのかもしれません。同人関係で散々激甘なお話を見てきたせいか、あっさりと「お姉さま」、「瞳子」と互いを呼び合うことをクリアしたり、その後もさして目立った二人の関係を描くシーンがなかったり、というのが刺激不足に感じられたのだと思います。その点については、今後更に連載が続くのならば何らかの解決を見てみたいものです。

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「マリみて」早くも次の新刊が来月2日に出るそうですね。

2007-09-17 22:36:09 | マリア様がみてる
 今日は格別蒸し暑さがこたえました。どうしていまだに真夏並みの暑さが続いているんでしょうね。いや、真夏はもっと暑かったのかも知れませんし、夜はそれなりに涼しくはなっているんですが、昼間の暑さたるや、もう何をやる気力もわかないくらいひどいもので、これなら休みなどないほうがマシかも? と本気で思わせるものがありました。台風は相変わらず連続してきてるみたいですし、いつになったら秋らしい気持ちの良い気候になってくれるのか、週間予報を見ても来週まできっちり昼の最高気温が30度を超えてるみたいですし、このぶんだと、雨季乾季がはっきり分かれた気候のように、あるときを境に気温が突然急降下して、いきなり冬になったりするような異変があったりするのかもしれません。四季が移ろう瑞穂の国も、いまや過去のものとなりつつあるのでしょうか?

 さて、そろそろ何かあるかな? とコバルト文庫のオフィシャルサイトを観に行きましたら、マリみて新刊の予告が出ておりました。10月2日発売「マリア様がみてる
 薔薇の花かんむり」なんだそうです。事前にちょっとした予告を載せてくれる「漫画王倶楽部」へ早速確認のため観に行きましたら、『送られてきたあらすじがストレートに「あなたを探しに」後のネタバレだったのでup控えます。』との書き込みが。掲載されていた表紙絵では、祐巳と祥子にバラの花でつくったかんむりを付けられて、瞳子が頬を赤く染めている、という内容になっていました。まあ普通に考えるとやはりようやくケリがつくのだな、と予測されるわけですが、前々巻「あなたを探しに」でおおかた話の方は終わっているような気がする中、それだけなら多分20ページもいらないような気もする話を、一体200ページ余をかけてどうやって決めるのか、というのが、一番の関心事だったりします。
 それにしても、『マリア様がみてる』は一体いつまで続くのでしょうか? 祥子卒業で終わるのか、はたまた祐巳卒業までは続けるのか、あるいはその先もまだまだ続くのか。仮に続くとして、主人公は祐巳で続けるのか、あるいは一番最初の話のように、乃梨子が主人公になるのか。そういえば、いつぞやの祥子を巡る祐巳と優の謎なやり取りなどもそのまま手付かずで残っていたりしますけど、その話は今後発展させる予定はあるんでしょうか? 一つ片付いたらまた次が、と、まだ関心は尽きないものがあります。そう考えると、ここ当分はまだまだ楽しんでいられるような気がいたします。

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マリみて新刊「フレーム オブ マインド」の感想を記録しておきましょう。

2007-07-07 23:59:10 | マリア様がみてる
 今日は七夕。本来は1ヶ月先のはずですが、そんなことはお構いなく、地元スーパーとその近隣の数件の商店が合同で、七夕祭りを開催しておりました。お祭りといっても詰めれば50台は入る、と言う駐車場を使って、商工会や自治会やボーイスカウトなどが出す露店やちょっとしたステージを組んでのカラオケ大会などを行なう、ささやかなお祭りです。それでも、焼きそばやら焼きとうもろこしやら焼きイカやらビールやらを目当てに、降るか降らぬか怪しげな空模様の下、私も軽くのぞきに毎年足を運んでいました。ところが、なぜか今日は朝からずっとおなかの具合が悪く、朝から食べるのはおかゆやおじやばかり。原因は不明ですが、昨日寒い中薄着のままバイクで走っていたために軽く風邪をひいてしまったのではないか、というのが今のところ思いついている病因です。おかげで一日身体に力が入らないし食欲もないしで、無理やり買い物だけでも行こうかとも思ったのですが、外に出るのも億劫で、結局ここに越してきて初めて七夕祭りを欠席いたしました。やっぱり無理は禁物ですね。寒いと思ったら躊躇せず防寒対策を採らないと、と反省いたしました。
 
 さて、刊行から1週間たちましたので、そろそろマリみて新刊「フレーム オブ マインド」の感想を記しておきましょう。
 本来なら前巻の「あなたを探しに」でとうとう決着がつくまで後一歩、というところまで迫った祐巳と瞳子の関係、その続きと言うか、判りきったこととは言え、はっきりとした結末を観てみたい、というのが新刊に期待される内容でしたが、この一番興味の魅かれる話は次巻以降におあずけとなりました。もっとも、今回が中休みとでも言うべき短編集であることはかなり早くから判っていたこともあってそれほどがっかりもしませんでしたが、それでも、一つくらいは瞳子関連の話が出るか、と期待していたのが、細川可南子の話だけで終わったのが少々不満が残ると言えば不満な点です。
 それはさておき、まず表紙初登場の蔦子サンはなかなか新鮮で(初め、祐巳ともう一人は誰だろう? と思ってしまいましたが)、次にめくった主要人物紹介に、時期薔薇様3人娘と、「ウァレンティーヌスの贈り物」以来の蔦子サン、「妹オーディション」でも出なかった笙子ちゃんが並んで納められているのが印象的でした。確かに今回の幕間つなぎはこの二人が中心になった話ですからまあ紹介されるのに違和感は無いのですが、編集の都合なんでしょうけど、1ページを上下に区切って5人納める、と言うのはちょっと窮屈な感じでした。乃梨子もいないし、と思ったらお話にも白薔薇の蕾は出てきませんでした。とは言え、いつもどおり2ページあれば、この5人に加え、短編にも出ている可南子、内藤克美、鳥居江利子、支倉令といった面々を加えることができたろうに、などと、まあわりとどうでもいいことを、のっけから考えてしまいました。
 お話は雑誌「コバルト」に掲載されていた短編が主体で、私も既読のモノが幾つかありました。その話だけに登場する新キャラ主体の話も多く、総じて私はその手の話には余り興味をもてないせいもあって、個人的には幕間劇のほうがより楽しめました。タケシマツタコとマジックで名前が書かれた撮影済みの27枚撮りフィルム。しかし、持ち主と目された蔦子は覚えが無く、その本来の落とし主をあれこれ考えつつ、短編を挟んで展開していくお話、一応形として短編も一つ一つ目を通しながら幕間劇を追っていきましたが、純粋に蔦笙話を楽しむのなら、その部分だけを追いかけても良かったかもしれません。再読するときにでも試してみるといたしましょう。
 さて、次はいつ出るんでしょうね。楽しみに、また数ヶ月を待つといたしましょう。

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「あなたを探しに」感想です。

2007-04-08 22:46:41 | マリア様がみてる
 選挙、終わりましたね。まだ開票が進められているのでしょうけど、知事は大体当選確実が出たみたいですし、我が県ではほぼ下馬評どおりの結果でした。この保守的な地方で対抗馬が共産党推薦候補だけ、では、もうハナから勝負は決まったも同然で、面白くもなんとも無い選挙になってしまいました。それでも投票には行きましたけどね。東京都知事選挙ほどは要求しませんから、せめてもう少し「対抗馬」と呼べる相手が欲しかったものです。でもこれからの県政にとってはまあ比較的まし、という形に落ち着いたとはいえるでしょう。共産党知事などあまり歓迎できませんし。私のイメージでは、共産党は議会で一定レベルの発言権を確保するだけの勢力であってくれれば良く、与党のブレーキ役、ご意見番、不正追求の清涼剤であれば存在としては十分で、けして上に立ってもらいたくはないのです。

 さて、1週間たちましたので、予定通り「マリみて」新刊「あなたを探しに」の感想など書いておこうと思います。
 今回は表紙からして祐巳と瞳子の2ショットで、しかもなんとも穏やかな雰囲気で肩を寄せ合う姿。永らく焦らしに焦らされた決着がついに付くのか、と期待させる取っ掛かりではありました。ですが、大方ご存知の通り、ほとんど99%話は付いているというのに、最後の決め手、ロザリオ授受だけが無かったという。次巻以降にお預けになっておりました。読み勧めている間、正直不安だったのです。バレンタインお宝探し大会の副賞にそれぞれカードを発見・隠し場所を予想した優勝者と仲良く(?)デートする次期薔薇様3組の模様を次々切り替えながら中継していく様子は、まあそれなりに楽しめましたのですが、肝心の祐巳瞳子組の歩みが遅々として、見る間に裏表紙が迫り残りページが少なくなってきましたから。といって、その遅さが悪いといっているわけでもないのです。一歩一歩最後のカタルシスに近づくためのタメの時間とでも申しましょうか。瞳子の秘密の核心部分にそろそろと近づいていく展開はいいと思います。でも結局最後の1歩までページが足らず、画竜点睛を欠いた気分にさせられたのはいただけません。後少なくとも50ページ、最低でも30ページは無いと最後までいけなかったと予測されるのですが、逆に言えば次の巻はどうやって間を持たすのでしょう? ざっと50ページ分の話を200ページほどに膨らませるにはどうしたらよいか。自分ならどうするか、と考えるのもなかなか楽しいと言えなくはないですが、出来ればそんなこと考えなくてもよいようにケリをつけておいて欲しかった。祥子祐巳が出会いからロザリオ授受まで1巻でけりが付いたのがもう夢のようです。
 さて、お話的には、紅薔薇組より黄薔薇組の二人の方が単純に楽しめました。仲が悪い、というより由乃が一方的に突っかかっているだけ、という感のあるでこぼこコンビでしたが、次第に打ち解けて仲のよい悪友同士、という感じにまとまっていく姿は結構素朴にうれしさを覚えさせる光景でした。唯一気になったのは、もちろん誤植じゃなくて、二人がすったもんだの末、観る羽目に陥ったホラー映画、「血みどろ屋敷の経文」。これだけではありませんが、二人が観る観ないでもめていた映画の題名、3つとも少々センスが悪すぎるのではないでしょうか。小さいことではありますが、せっかくの楽しみが興を削がれるようで惜しいと思うのです。ま、それを別にすればいい話だったと思います。それにしても、ちさとさんというのはいいキャラに育ちましたね。前巻に続き、蔦子、真美に次ぐ次期薔薇様トリオに絡む重要人物になっても不思議でない存在感を示してくれました。
 一方いまいち良くわからなかったのが白薔薇組の話。とりかえばやはいいんですが、どうもとってつけた感がぬぐえない内容に思えました。黄薔薇組で「去年のリベンジ」を先に考えて、では白でも去年をなぞる形にしよう、とかいうような発想で無理無理話を詰め込んだような話でした。お相手の1年生キャラの設定もどうも薄っぺらいように感じてしまうのは、主要キャラクター達の濃さに慣れてしまったが故の贅沢なのでしょうか。これならいっそ中学生にでもしといた方がまだしもインパクトがあったような気もします。
 
 色々ありましたが、次次第でこの巻の評価は大きく変わりそうな気がします。1巻だけ見ると不満たらたらな内容でも、次のやつと合わせるとたちまち至極の銘品に変わる様を過去見ていますから、是非今回もそれを期待したいです。多分次は夏でしょうか。夏コミ追い込み時期にかからないようにお願いできたらうれしいですねぇ。

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マリみて新刊クリスクロスネタばれ感想など一つ。

2006-12-30 23:30:43 | マリア様がみてる
 今日は大分ほったらかしにしていた部屋の掃除をしました。大掃除、というほど徹底したものでもありませんが、記念誌製作をはじめ、さまざまな「仕事」で放置状態にあっただけに、部屋中から出るわ出るわのごみの山。残念ながらごみ収集は年明けですので、このごみ達とともに新年を迎えるしかないようです。まあ少しだけ整った部屋で記念すべき年を迎えることができるのですから、よしといたしましょう。

 さて、本来なら一週間目の昨日やるべきだったのですが、うっかりして忘れておりました。マリみて新刊「クリスクロス」の感想です。前回で別人のごとく変貌を遂げたやに見えた紅薔薇のつぼみ福沢祐巳が、懐かしい形で御帰還。まあ外観と中身のギャップということでしょうか、前作でご本人が「(大人に)なってないよ、全然」とのたまった通り、祐巳本人はさほど変化していないように感じているのに、周囲の見る目が違ってきた、ということなのでしょう。きっちり百面相してますし。少し安心しつつも、ちょっと振れが大きすぎるかな? と感じないでも無かったです。
 ところで今回は、ちょっと想像していなかった展開と登場人物達に幻惑された感じがします。冒頭、久々にせりふ付で桂さんが現れて祐巳と会話を交わしていますし、メインイベントの「バレンタインお宝探し大会」では、いきなり白薔薇のつぼみ二条乃梨子が参加せず、裏方に徹するという驚きのスタートから、まったく予想してなかった田沼ちさと嬢の大活躍! 挙句に2年連続で黄色カードを手中に収める役とは、ちょっと驚きでした。その様子があまりに大きく紙面を取っていて、はじめ読んでいるときには、「脇役(失礼)にこんなに取って、主役の話が満足にできるのか?」と別の意味ではらはらしながら読みました。結果としてその不安はそれなりに当たったわけですが、その割には楽しめたんじゃないかと思います。祥子と祐巳の、紅色カードをめぐる薔薇の館を舞台にした息詰まる(笑)駆け引きとか、藤堂志摩子が仕掛けた白いカードの謎かけゲームとか。ちなみに謎の答えは一応解けたつもりでいますので、謎解きが多分入るに違いない次巻での答えあわせが楽しみです。
 ところで、一番喫緊の話題たるべき祐巳ー瞳子関係ですが、今回も決着はつきませんでした。が、まさかカード探しイベントを無視して、ラストシーンで瞳子から「妹にしてくれ」と頭を下げに行こうとは、こんなところで切って次の話どうするのでしょう? という感じです。まさか次巻冒頭で祐巳があっさり「うん」と言ってロザリオを渡しなどしたら200ページ到底保たないですし、といってこの展開から祐巳が「うーん、ちょっと待って」とは言いにくいのではないか、という様子でもあります。
 それにしても今年は白色カードが未発見で不参加者抽選に供されることになるわけですが、誰の手に渡るのでしょう? 普通に考えると有馬奈々となるのではなかろうか、と思ったりするのですが、このところいろいろ予測を裏切ってくれる展開なので、たとえば乃梨子の妹候補に躍り出てくるような期待の新人、なんていうのもひょっとしてありかも? とか考えたりしております。いずれにしても次は早くて3月でしょうか? このお話をどうつなげて先を描くのか、作家の手腕に期待したいと思います。

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