御大にうかがいましたところ、「ドリームハンター麗夢XX 蒼の機関騎士」、初版完売に付き、重版されるのだそうです。初版の部数まではうかがってないので、どれくらい売れているのか、ちょっと判らないのですが、この不況下でわざわざ増し刷りしようというのですから、出版社もそれなりの手ごたえを感じたのでしょう。この勢いで新たな連載開始、というようなお話になってくれればありがたいと思います。そのためにもお買い求めいただいた皆様は、必ず読者アンケートハガキを出して、応援くださいますようお願いいたします。
さて、長編小説「アルケミック・ドリーム 向日葵の姉妹達」の連載がついに終わりました、と思っていたのですが、挿絵を入れるのを忘れておりました。うーむ、綺麗に終わるつもりでいたのですが、なかなか完璧には行きませんね。
このお話、私の作品では一番完成度が高いのではないか、と今でも思っていたりするのですが、バランス、という点でも、私の到達点になると当時から考えておりました。前作の「ドリームジェノミクス」が遺伝子工学をベースとした科学なお話に偏ったり、「麗しき、夢」シリーズが歴史趣味に暴走していたり、と、まあ自分が読みたいものを書くのだ、という同人小説を書き始めた当初からの欲望に忠実に従ってきたわけですが、それだけに読者そっちのけで一人悦にはいる、というようなところが多々あった作品が多かったように思います。御大にも評されたのですが、基本的に私は理屈っぽいので、荒唐無稽なお話にも一定の理屈を要求するようなところがあり、それがお話作りに一種の枠をはめるようなところがあったり、やたらと説明好きになってしまったり、と、エンターテイメントというには難のあるものが多かったです。それに対して、この作品では、それまでの私ならたぶんあと連載10回分は様々な背景設定の説明に費やしていかにも冗長なお話作りに終始していたと思うところをスパッと切り捨て、お話の本筋だけに焦点を絞って描くことに専念することにしたのでした。もっとも、最初書きかけのときは色々とその辺の設定をあれこれ考えていて、実際に下書きではそういう説明を延々と書き連ねていたりもしたのです。その粘着質な描き方をやめたのは、描いているうちに、自分が何を描きたいのか判らなくなったからです。当初ROMちゃんをも一回描こう、とだけ思って書き始めたのですが、どうROMちゃんを復活させるか、ばかり考えていて、途中で、はたとキーボードを叩けなくなってしまったのでした。結局瑣末な設定ばかり考えていて、お話の主題を全く想定していなかったため、書いているうちに、何故ROMちゃんでないといけないのか、訳がわからなくなってしまったのです。テーマの設定の重要さは一応頭ではわかっていたつもりでしたが、結局理解はしていなかったのですね。書きあぐねてから一旦それ以上続けるのを止め、振り出しに戻ってテーマを考え直すことにして、最終的にはROMちゃんに命の大切さを学んでいただこう、という基本が生まれ、相手役にジュリアンの魂を開放したシェリーちゃんを選び、今度はROMちゃんも救済してもらおう、というお話になったのでした。後はどうやって二人を出会わせるか、という点にだけ話を絞り、どうせなら土地勘のある関西に来てもらおう、と様々なエピソードをつむぎだしたわけですが、その過程で、どうせならやったことの無い一人称で書いてみようとシェリーちゃん視点でモノローグで進めることに決め、話の筋を進める三人称と重奏させながらクライマックスに持って行く、という、書いていて実に楽しい経験をしたのでした。当時はちょうど「マリみて」にはまった時期でもありましたので、そのテイストをちょっとばかり取り入れて二人の関係を設定したりしましたが、見ず知らずの何の接点も無い二人の少女を偶然出会わせる、という、以前の私には暴挙としか思えない形でスタートさせた話が、最後の最後まで、私としては適度な適当感を作品に付与することができ、私の作品の中では異例の出来栄えになったのではないか、と思っている次第です。
さて、新作、現在も挿絵と表紙を作成中ですが、自分ではなかなかこの『アルケミック・ドリーム』を超える作品を書けるという感じがいたしません。多分それにはもう一皮、何かが剥けないといけないのだろうな、と思いつつ、次の作品ではそんな過去の自分を超える努力をして、成長を実感してみたいと思っていたりもします。まあそう簡単には行かないでしょうけど。
さて、長編小説「アルケミック・ドリーム 向日葵の姉妹達」の連載がついに終わりました、と思っていたのですが、挿絵を入れるのを忘れておりました。うーむ、綺麗に終わるつもりでいたのですが、なかなか完璧には行きませんね。
このお話、私の作品では一番完成度が高いのではないか、と今でも思っていたりするのですが、バランス、という点でも、私の到達点になると当時から考えておりました。前作の「ドリームジェノミクス」が遺伝子工学をベースとした科学なお話に偏ったり、「麗しき、夢」シリーズが歴史趣味に暴走していたり、と、まあ自分が読みたいものを書くのだ、という同人小説を書き始めた当初からの欲望に忠実に従ってきたわけですが、それだけに読者そっちのけで一人悦にはいる、というようなところが多々あった作品が多かったように思います。御大にも評されたのですが、基本的に私は理屈っぽいので、荒唐無稽なお話にも一定の理屈を要求するようなところがあり、それがお話作りに一種の枠をはめるようなところがあったり、やたらと説明好きになってしまったり、と、エンターテイメントというには難のあるものが多かったです。それに対して、この作品では、それまでの私ならたぶんあと連載10回分は様々な背景設定の説明に費やしていかにも冗長なお話作りに終始していたと思うところをスパッと切り捨て、お話の本筋だけに焦点を絞って描くことに専念することにしたのでした。もっとも、最初書きかけのときは色々とその辺の設定をあれこれ考えていて、実際に下書きではそういう説明を延々と書き連ねていたりもしたのです。その粘着質な描き方をやめたのは、描いているうちに、自分が何を描きたいのか判らなくなったからです。当初ROMちゃんをも一回描こう、とだけ思って書き始めたのですが、どうROMちゃんを復活させるか、ばかり考えていて、途中で、はたとキーボードを叩けなくなってしまったのでした。結局瑣末な設定ばかり考えていて、お話の主題を全く想定していなかったため、書いているうちに、何故ROMちゃんでないといけないのか、訳がわからなくなってしまったのです。テーマの設定の重要さは一応頭ではわかっていたつもりでしたが、結局理解はしていなかったのですね。書きあぐねてから一旦それ以上続けるのを止め、振り出しに戻ってテーマを考え直すことにして、最終的にはROMちゃんに命の大切さを学んでいただこう、という基本が生まれ、相手役にジュリアンの魂を開放したシェリーちゃんを選び、今度はROMちゃんも救済してもらおう、というお話になったのでした。後はどうやって二人を出会わせるか、という点にだけ話を絞り、どうせなら土地勘のある関西に来てもらおう、と様々なエピソードをつむぎだしたわけですが、その過程で、どうせならやったことの無い一人称で書いてみようとシェリーちゃん視点でモノローグで進めることに決め、話の筋を進める三人称と重奏させながらクライマックスに持って行く、という、書いていて実に楽しい経験をしたのでした。当時はちょうど「マリみて」にはまった時期でもありましたので、そのテイストをちょっとばかり取り入れて二人の関係を設定したりしましたが、見ず知らずの何の接点も無い二人の少女を偶然出会わせる、という、以前の私には暴挙としか思えない形でスタートさせた話が、最後の最後まで、私としては適度な適当感を作品に付与することができ、私の作品の中では異例の出来栄えになったのではないか、と思っている次第です。
さて、新作、現在も挿絵と表紙を作成中ですが、自分ではなかなかこの『アルケミック・ドリーム』を超える作品を書けるという感じがいたしません。多分それにはもう一皮、何かが剥けないといけないのだろうな、と思いつつ、次の作品ではそんな過去の自分を超える努力をして、成長を実感してみたいと思っていたりもします。まあそう簡単には行かないでしょうけど。