かっこうのつれづれ

麗夢同盟橿原支部の日記。日々の雑事や思いを並べる極私的テキスト

また飛行機が落ち、列車が脱線していますが、事故の予防に関する研究も進んではいるようです。

2009-06-30 21:43:23 | Weblog
 今朝もおどろおどろしい雨音で早朝から叩き起こされましたが、そろそろ少しは慣れてきたのかして、知らぬ間に二度寝していました。自宅にかくまっているロングへアな美少女が追ってきた殺し屋の前に突然現れ、顔面数センチの距離で拳銃をぶっ放すも、異能生存体のように寸前で銃弾を回避する、というようななにやらやたらとドラマティックな夢を見たのですが、残念ながら全体を思い出せません。相手の殺し屋はターミネーターみたいだったような・・・。まあ色々ごっちゃになっていたんでしょうね、きっと。

 さて、イエメンでまたエアバスのジェット機が墜落しましたね。飛行機事故は一度起こるとなぜか続けざまに発生する、というジンクスがあると聞きますが、まるでそれを証明するかのような出来事です。大事故は空だけじゃなくて陸でも頻発、中国で列車事故があった、と聞いたときは、かの国のことだからまあさもありなん、と軽く観ていたのですが、今度はイタリアで脱線事故、それも深夜の駅を通過中に起こり、貨物として引っ張っていた燃料タンクが爆発炎上、駅とその周辺の字住宅などを巻き込み、多数の死傷者が出ている模様、だそうです。なんだか物騒な様子になってきていますが、早々に事態収拾と原因究明をして、事故の連鎖を断ち切って欲しいものです。
 そんな参考になるかどうかわかりませんが、福知山線での事故をきっかけに立ち上げたJR西日本安全研究所の研究成果を取りまとめた冊子が、今静かな評判になっているのだそうです。ミスを防ぐのは良好な人間関係にあり、ほめて伸ばすも良好な人間関係が無いと効果が無い、というような話は、単に安全運行の次元にとどまらず、会社などの運営にも役に立ちそうです。そのためか、もともと社内教育向けに作られたものなのに、いつの間にか口コミで評判が広まり、あちこちから問い合わせが殺到、色々な会社に社外配布されて、それが現在4万6千冊にもなるそうです。実費(1冊300円)で配布してくれるそうですので、私も是非一冊読んでみたいですね。
 同じような本としてANAが作った冊子があって、これは大分前に手に入れているのですが、空と陸の安全研究の成果を読み比べてみるのも面白いんじゃないかと思っています。

 
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どうして首相本人に聞いたわけでもないのに、衆院の解散日程が断定的に語られるんでしょう?

2009-06-29 21:08:29 | Weblog
 今日はいつ降るのか、と空を見上げながら雲の流れを追いながらの一日でしたが、結局明るいうちはたまにパラッと来る程度で全然まともに降らず、結局、夜になってから急にざあっと降り出しました。なあんだ、と拍子抜けしたのですが、一つだけ助かったのは、昼間、車の運転席の窓を三分の一ほど開けたままになっていたことに全く気づいていなかったことでした。朝、通勤時に窓を開けて走っていたのを、駐車場で降りるときにすっかり忘れ、そのままにして露天に放置していたのです。これでもし今窓の外で轟然と地面を打つ位の雨が昼間に降っていたら、車内はすっかりびしょ濡れになっていたことでしょう。本当に助かりました。

 さて、そろそろ衆院選が近くなってきたかのような報道が相次いでいますが、どうもよく判らないのは、衆院を解散することが出来るのは総理大臣ただ一人であろうはずなのに、どういうわけかその総理が何も言わないうちから日程がさも決定したかのごとく報じられたりしていることです。昼にサイトで見た時事通信でも、
『麻生太郎首相は次期衆院選の日程について、東京都議選(7月12日投開票)前後に衆院解散に踏み切り、8月2日か9日を投開票日とすることを念頭に与党内調整に入った。』
と書いてあったのですが、残りの記事を読んでみても、首相が本当にそういうことを考え、そのような行動に出ている、ということを裏付ける情報は何もありません。周辺の人たちの、『可能性を示した』とか『行われるのではないか』とかいうような要するに憶測を並べ立ててあるだけなのです。
 こんな天下の一大事を、いくら粗忽が売りであるかのごとく報じられている総理大臣でも、そう簡単に口を割ろうはずが無いことは誰が見ても判ろうというものですが、だからといって前半で断定口調にさも日程が決定したかのごとく記述しながら、その根拠が後半の聞きかじりでは、何が本当なのかさっぱり判らないではないですか。これが天下の時事通信の記事かと思うともう一度国語の勉強からやり直してもらいたい気分に陥ってしまうのですが、こと政治関連の報道に関する限り、どの報道機関でもこの種の噂憶測予想ばかりがもてはやされ、一向に真実が語られることはないようです。そもそも衆院選がいつになろうがこっちは知ったことではないのですが、その日程がさも一大事件であるかのように騒ぎ立てるのはどういう利益があってのことなのでしょうか? 首相が決断して公式に解散を発表してから、堂々と報道すればいいじゃないですか。そのときは首相が決断にいたるまでの経緯なりなんなり、報道機関の大好きな「総理周辺」とやらから話を聞いておまけにつければそれで十分なんじゃないか、と思います。くだらないことに張り切りすぎなんですよ。選挙がお祭りなのは判らないでもないですが、年端の行かぬ子供じゃないのだから、始まる前からソワソワするのは実にみっともないと思うわけです。

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本格的な雨の前に布団を干して、今日は気持ちよく寝られそうです。

2009-06-28 22:01:16 | Weblog
 今週は、明日から本格的な雨の毎日になる、との予報です。今日はその前の貴重な日差しの出る日曜日になりましたので、久しぶりに敷布団を干してみました。もっとも、日差しがあるとは言え空にはいかにも怪しげなグレーの雲が空の大半を覆いつつ低空を流れて行ってましたので、今にも降り出しやしないか、と気になってしょうがありませんでした。まあこの時期にあんまり長いこと日に当てていたら夜暑くてとても寝られたものではありませんので、干していたのはほんの1時間少々でしたが、それでも取り入れ直後はすっかり熱せられておりました。それを日陰の風通しの良いところでしばらく置いて冷まし、今寝床に敷き伸べています。今夜はすっかりふかふかになった布団で、良い夢が見られそうです。
 ついでに、明日からの雨で四国の水がめ、早明浦ダムも水が溜まったらいいですね。現在の貯水率は28%ほど。このまま梅雨が明けてしまったら、また今年も沈んでいた旧村が出てくるようなことになるに違いなく、真夏に水無しという過酷な数週間を迎えることになりかねませんから。

 さて、連載小説「アルケミックドリーム 向日葵の姉妹達」は、再びシェリーちゃんとそのお姉さま、これに円光さんが加わって、海水浴に続いて夏の定番、お祭りに向かいます。目的のお祭りは天神祭。関西でも最大級の、連なる屋台、夜空を焦がす花火、そして繰り出す人々の数、で有名な一大イベントです。そんな楽しげな舞台で何ゆえに表題が「亀裂」? かというと、まあ既に概略はその前の章でモニター越しに間欠表示していたわけですが、今回を含めて4小節に小分けして、その詳細をアップして行く予定です。いよいよクライマックスに向けての前哨戦が始まった、という段階。真夏の夜の夢がどう動いて結末を迎えるのか、お楽しみいただければ幸いです。



 
 
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09 亀裂 その1

2009-06-28 10:45:59 | 麗夢小説『向日葵の姉妹達』
「夏と言えばお祭りよお祭り!」
 ちょっとしたアクシデントで海水浴を中止したお姉さまこと佐緒里? こと謎の少女は、それまでと同じく私の手を力一杯引っ張りながら、また電車にと駆け込んだ。
 「ど、どこへ行くんですか?」
 朝、関西国際空港に到着してからずっと走り詰めのような気がする私は、さすがにへとへとになってきた。隣でなんの屈託もなく楽しげに鼻歌を奏でるお姉さまの様子がちょっと勘にさわる。
 ただ、これまでと違うのは円光さんがピッタリくっついて来てくれること。それだけでも、何となく心強い感じがして、少しだけ気持ちに余裕が出来る。
「さっきも言ったじゃない。お祭りよ」
 すると、隣で腕を組んで何やら考え事をしていた円光さんが、急にぽんと手を打った。
「そうか! 今日は7月25日、すなわち天神祭の日ではないか!」
「今まで考えてたの? 信じらんない。シェリーちゃんはともかく、貴方日本人でしょ? 7月25日と言ったら天神祭以外あり得ないじゃない」
 容赦なくお姉さまの呆れ声が飛ぶ。
「面目次第もない。拙僧、修行中は特に日取りなど考えることもない故、今日が何の日かすっかり失念していた」
 律儀に頭を下げる円光さんに、お姉さまはまんざらでもなさそうに笑みを浮かべると、私に言った。
「つまり、そう言うことよシェリーちゃん。今日のこの日に、日本のそれも大阪に来たからには、参加しない手はないわよ」
「しかしシェリー殿はキリスト教徒であろう? 天神祭は文字通り日本の天神を祀る宗教行事だ。シェリー殿は抵抗はないのか?」
 円光さんの言葉はもっともだ。私自身は確かにクリスチャンだから、他の宗教の行事に参加しようとは思わない。
 とはいえ、お祭りごとはきらいじゃない。それに、お姉さまによるとこれは日本でも代表的なカーニバルだそうだ。そう言われてはこれを見ずに帰ることもできないだろう。
「郷に入りては郷に従え、って聞いたことがあります」
 私は、こういうときに便利な日本語を口にして、ほんの一時だけ、敬虔なクリスチャンである自分を忘れることにした。
「なるほど、確かに」
 円光さんがしきりに感心したように頷く。お姉さまはにこにこして私に言った。
「じゃ、決まりね」 
「あ、でもお姉さまの捜し物は……」
「お祭りに行ったらきっと見つかるわよ!」
 本当? 
 私はいい加減適当に遊ばれているのではないのだろうか?
 実際ここまでの行動を思い返してみても、この人が何かを探しているような気配は微塵もなかった。
 疑わしげに見つめる私に、お姉さまはなんの衒いもなく華やかにほころんでみせる。私は疲れもあったのか、取りあえず疑問は疑問のまま棚上げにすることにした。どのみち聞いて答えてくれる訳でも無し、今は考え事をするには頭がうまく働いてくれない。
 私は幸いお姉さまと隣り合わせに座ることが出来た電車の座席で、自分でもまるで気づかないうちに眠り込んでいた。
 ……………………
「ほら起きて! 着くわよ!」
「れ、麗夢さん?……」
 突然肩ががくがくと揺すられて、私は唐突に目を覚ました。
 何かさっきまで麗夢さんが哀しげに呼びかけてくる夢を見ていたようだ。
 勝手に遊び回ってごめんなさい、と私は確かに謝っていた。
 そこをいきなり起こされたものだから、私は一瞬、自分が今誰とどこにいるのか、判らなくなっていた。
「もう、寝ぼけてたら一瞬で迷子になっちゃうわよ!」
 私はお姉さまの叱咤でようやく我に返った。
 なんだか異様に騒々しい。
 私たちの前にボディーガードのように立った円光さんの体が、すぐ目の前に迫っている。
 ちょっとどぎまぎして目をそらした私は、何故そうなっているのかに気が付いて愕然とした。
 ひとヒト人……!
 乗るときも結構混雑していて、これが噂に聞くラッシュと言うものか、と思っていたのだけれど、今、目の前に展開する光景は、自分が本当に何も知らないのだと言うことを思い知らさせてくれた。
 人ってこんなに固まりになれるものなの?
 日本語のすし詰め、と言う単語を思い出した。
 円光さんが私達の前で頑張ってくれていなければ、たちまち大勢の足で私達の足が踏みつぶされていたかも知れない。
 やがて、電車がぐうんと坐っていても体が持っていかれそうになるほど急激に減速した。
 立っている人達の体が、電車の進行方向に向かって一斉に倒れるのが見える。
 でも崩れるところまでいかない。
 皆、強い風に耐え忍ぶ木々の様に、足はしっかりと床について頑張っている。
 いや、あの押し合いへし合い状態では、倒れるための余裕すらないのかも。
 さしもの円光さんも、腰を軽く落として踏ん張っている。
 そうするうちにも電車はようやく止まり、開いたドアから一斉に人々が飛び出していった。まるで水が一杯入ったダムが放水するみたいに、皆怒濤の勢いで瞬く間に流れていく。
「さあ、行くわよ! はぐれないようにしっかり付いてきなさい!」
 私の手をぎゅっと握りしめ、お姉さまが立ち上がった。
 私もその引きにあって自然と腰を上げる。
 円光さんも少しほっとした様子で、私達が人の流れに呑み込まれないよう先導してくれた。
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今日は昼間からカラオケ三昧でした。

2009-06-27 23:08:17 | Weblog
 今日は、先月徹夜カラオケマラソンをやったカラオケ好きな友人達と、昼間っからカラオケ三昧で楽しみました。午後0時から8時までの8時間ひたすら歌い続け、遅めの夕食を近所のファミレスで済ませて解散しましたが、どうやらこれから月一の定期開催になるようです。私も極力時間を都合して参加することになるでしょう。ちなみに私が今日歌ったのは、

奈落の花(ひぐらしの鳴く頃に解OP)
白い奇跡(聖飢魔II)
地図をください(遊佐未森)
そりゃ君が好きだから(RADWIMPS)
あの鐘を鳴らすのはあなた(和田アキ子)
世界一のくちづけを(聖飢魔II)
旅立ち(松山千春)
栄冠は君に輝く(夏の全国高校野球テーマソング)
渚のシンドバット(ピンクレディー)
夏のお嬢さん(榊原郁恵)

の10曲を記憶していますが、後1,2曲くらいは歌ったような気がします。
 うーん、前回に引き続き、アニソンが少なくて軍歌は一曲もなし。
 総勢9名ともなると、8時間を費やしてもせいぜい一人10曲少々しか歌えないもので、その点でも若干不完全燃焼気味ではありますが、それくらい喉を休めながら歌ったおかげか、聖飢魔IIの高音が今でも何とか出せることが確認できたのが収穫でした。次回はもっとアニソンなども熱唱できるように、選曲を考えたいですね。

 さて、エールフランスのジェット機事故の調査、遺体等の捜索がとうとう打ち切られたとのことです。捜索を開始して既に26日。現場海域についてよく知らないのでなんともいえませんが、機長を含む51名の遺体と600点余の残骸を回収できたというのは、大西洋の真っ只中に分解墜落した飛行機事故としては、捜索陣は相当頑張ったといえるのではないのでしょうか。また、ブラックボックスは引き続き捜索を続けるそうですし、ここは是非その努力が実って、一刻も早い回収と解析がなされるように、祈っています。



 さて、
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第2次大戦末期、ドイツの科学技術力は本当に「世界一」だったんですね。

2009-06-26 21:49:15 | Weblog
 今日は走り回るように実験をやっている最中にミスを連発して忙しさを倍化させてしまうという厄介な悪循環に悪戦苦闘の末、何とか片付ける所までこぎつけましたが、おかげで普段の3倍くらい疲れてしまいました。まあ通常なら、最初の失敗の段階で、今日はヤメ! と両手挙げてうっちゃっていた所でしたが、明日は休みでしたし、今どうしても早く結果を見たいデータがありましたし、結局、繰り返す失敗もものともせずに、いつになく粘り強く頑張ってしまいました。というわけでもう即布団にひっくり返りたいところですが、もう少しだけ、と自分を励まし励まし書いております。
 そんな風に慌てふためいていたせいか、昼間「マイケル急死」という携帯に流れるニュースを観たときは、マイケル・ジャクソンのことではなく、マイケル・J・フォックスのことと完全に勘違いしていました。「バック・トゥ・ザ・フューチャー」3部作は大好きでしたし、難病であるパーキンソン病に罹って闘病生活をしていたことが記憶にこびりついていましたし、失礼ながらマイケル・ジャクソンは、私にとっては「スリラー」以外どんな歌を歌い、踊りを踊っていたかトンと知識がない、ニュースで観て、そういえばそんな歌手が昔いたな、という程度の感慨しか浮かばないヒトだったので、間違えても仕方ない気もいたします。個人的にはこの間亡くなった栗本薫の方がよほど惜しかったりもしますし。それでも芸能関係にはとんと疎い私でさえ記憶に残る歌を遺しているのはやはりすごいというよりなく、わずか50歳でこの才能が永遠に失われた衝撃は、確かにあるのだと思います。欧米人に対して冥福を祈る、というのが通用するのかどうか知りませんが、一時代を築いた才人に敬意を表し、日本風に冥福を祈ろうと思います。
 
 さて、個人的には、このニュースよりナショナルジオグラフィックスの「ヒトラーのステルス戦闘機を復元」というニュースの方が遥かに興味をそそられます。これが、本当に60年以上も前に設計・試作された機体なのか? と驚きを禁じえないほど洗練された全翼機は、素直に「かっこいい・・・」と賛嘆のため息をつくよりなく、改めて当時のドイツの科学技術の底力を納得しました。復元の目的は、本当にこの機体にステルス性があったのかどうかを検証することだったそうですが、飛ばしてみたところ、確かに一定のレーダー回避効果があったそうで、実戦に投入されていたら、時速900キロを超える速度と、30ミリ機銃4丁の攻撃力、500キロ爆弾2発を搭載できる積載力とで、強力な戦闘爆撃機として、連合軍にはその跳梁を阻止することは難しかったことでしょう。当時のジェットエンジンは信頼性が低かったことを加味すると、たとえ量産されていてもそうそう戦局に影響するほどの力は発揮されなかったのではないか、とも思いますが、こんな飛行機を考え付き、それを作ろうと意欲を燃やし、実際に飛ぶところまでこぎつけたこと自体が驚異です。

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知らぬ間に、機長が発見されたりコダクロームが製造中止になっていたり。

2009-06-25 22:53:35 | Weblog
 動作異常が完全に治らなかったマウス、あれからずっと使い続けているのですが、意外に変な動きをすることが少なく、実用上ほとんど問題ないレベルで安定しているみたいです。クリックのスイッチ部分は機械的な動作をするところですから、しばらく使っているうちに、何かの拍子にちょうど程よい状態に移行したのかもしれません。まあそれで安定してくれれば言うことありませんが、月が満ち欠けするかのように。いずれまた異常動作の方へ状態が移行していくとも考えられますので、様子を見つつマウスの新調を引き続き要検討事項として頭の隅においておくつもりです。とは言え、多分もう一回異常をきたした時は、改めて分解して修理を試みることでしょうが。

 さて、もう3週間以上になる、エールフランスのジェット機墜落事故ですが、わが国の報道機関はもうこれっぽっちも振り返ることはなさそうなので、海外のニュースサイトなどを見て続報が無いか、チェックしています。たとえばCNNニュースは日本語版もあるので容易にチェックできるところがありがたいのですが、その今日の記事によると、これまでに収容された遺体50人の中から、機長と乗務員が見つかったのだそうです。また、遺体の損壊状態から、飛行機は空中分解したものと見られる、との見解が、フランス事故調査局の見解として出ているとのことで、そうなると単に悪天候でピトー管に凍結が生じ、速度計が異常をきたして正常な速度が表示できなくなってついに失速して墜落した、というだけではない「何か」が空中で生じていたことになります。本当に何があったのか、結局はブラックボックスを発見できるかどうかにかかっているということなのでしょう。当局は全力を挙げて回収にいそしんでいるとのことですが、果たして電池が切れるまでに発見できるのか。原潜まで繰り出しての捜索、うまくいって欲しいものです。

 もう一つ、国内のニュースでは気づかないで見過ごしてしまった話がひとつ。
 74年間世界の写真家に愛用されてきたイーストマン・コダックのフィルム、コダクロームが、3日前についに製造中止になった、というニュースです。これはナショナルジオグラフィックの日本語サイトで見た話ですが、日本では報道されたのでしょうか? 
 私は基本的に富士フィルム中心だったのであまりコダックのフィルムには格別な思い入れは無いのですが、その発色のよさや粒状性の美しさに一種の憧れを抱いておりました。実際にコダックの方が店で買うときも少し高かったりしたこともあったのでしょうが、あの黄色と黒のパトローネには、富士の緑にはない独特の貫禄があったような気がします。露出も現像処理も結構シビアな条件を要求をされたような記憶が残っているのですが、またこうして一つ、私の思い出の品が過去の遺物へと整理されてしまったのを実感したのでした。

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事件報道など百害あって一理も無いような気がします。いっそやめたらどうでしょう。

2009-06-24 21:35:03 | Weblog
 今日も朝未明の集中豪雨で目が覚めて、睡眠不足気味で一日を過ごしました。雨が降るのは別にかまわないのですが、夜中うるさいのは困りものです。なんでも台風崩れの低気圧が前線を刺激したそうですが、こう連続するとさすがに体調にも影響してきます。どうやら梅雨前線はいったん離れ、天気が回復するそうですから、今夜はぐっすり静かに眠ることが出来るのでしょう。本当に、そう期待したいです。

 さて、冤罪がどうやら確実視される足利の事件で、マスコミが、裁判所と検察と警察ばっかり攻撃して、当時の自分たちの行為にじは頬っかむりするつもりかと思っておりましたら、ようやく報道姿勢についての話が、各新聞社から出てきたようです。裁判員制度が始まるにあたり、各社とも事件報道で予断を与えることが無いようガイドラインを策定しているとのことですが、それに照らし合わせ、当時の報道に問題が無かったか、検証する、という話でした。各社とも、一様に、犯人視するような内容の記事があったことを認めており、警察からの発表を鵜呑みにした紙面を作っていたことを反省しているようです。
 そのこと自体は評価に値すると思いますが、では何らかの改善策がとりうるのか、というと、「それでも容疑者を手中にしている当局からの情報を核にせざるを得ない属性を持つから」事件報道は難しい、とA紙の話にもあるように、これといった具体的な対策は難しく、ガイドラインでも、捜査情報について「犯人視しない報道」の徹底を掲げているくらいで、具体的に「犯人視しない報道」とは何なのか、これだけでは判りかねます。
 私個人としては、そもそも事件報道など必要なのだろうか? という疑問もあります。事件があったこと、位は報道されても良いと思いますし、容疑者が逮捕された、という話もあっても良いでしょう。でも、罪も確定していない段階で実名報道や写真、映像を公開されるのは明らかに行き過ぎのように感じます。秋葉原の連続殺人のように、どうみても疑いようの無い現行犯逮捕な容疑者ならばともかく、事件後何日かたってから捕まった容疑者については、ごくごく小さな扱いで名前も抜きでそっと端っこに乗せるくらいでちょうど良いのではないのでしょうか。
 それに、結局足利の事件でもどこかにいるはずの真犯人は逃げおおせており、犯人逮捕、といわぬばかりな報道で、真犯人の周囲にいるヒト達も今更疑いを持つこともなく、もし何か小さな齟齬を感じても見逃してしまったかもしれませんし、真犯人も安堵してのうのうと人生を送ったのかもしれません。そういうバイアスを世間に与え、事件解決をほとんど不可能にしてしまったことについては、どの新聞も特に反省点として述べてはいませんが、容疑者の人権と同じくらいの重みで、事件解決を結果として阻害したかもしれないことを、マスコミ各社は改めて反省すべきだと思います。

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ムンク!

2009-06-23 22:23:11 | Weblog
 昨日の夜は、懸念していた通り、案の定夜中にものすごい雨が降って、うるさくて眠ることが出来ませんでした。気のせいか風も吹きすさんでいたようで、その様子はまるで台風に直撃されたかのようでした。もっとも、真っ暗闇の中、寝ぼけ眼で雨風ばかりすさまじき音を鳴らしていたのをただじっと聞いて結構不安も感じておりましたから、雨の降りようは多少は割り引いておいた方がいいのかもしれません。でも、ようやく梅雨らしく雨が降ってきたと思ったらこのスコールの様な豪雨続き。本当に、西日本は亜熱帯な気候になりつつあるのかもしれません。

 さて、夢防人さんのブログで連載されている「週間 西洋絵画の巨匠(小学館)」のレビューを見てちょっとコメントを残しましたところ、今日発売の分が「ムンク」だと教えてもらいました。エドワルド・ムンクは、私が自らの意思で絵画展を観に行こうと美術館まで出向き、ちゃんと鑑賞料を払って観た最初の画家で、本物の絵画の持つ迫力を魂に焼き付けた、私の人生に欠かせないピースの一つです。私の母が割と西洋絵画が好きで、中でもレンブラントが好きだったりしたのですが、そんな関係で幼い頃から母に連れられて京都市美術館や大阪市立美術館などに足を運んでおりました。残念ながら、当時の幼い私には混み合った雑踏のすごさくらいしか印象に残らなかったのですが、無意識下には結構しっかりと影響を残したらしく、今でもたとえば出張先で時間があると地方の美術館などにふらりと立ち寄ることがあります。そういったところは大抵人気も少なく、ゆっくりと観て回ることができるので、結構満足できる時間を過ごすことが出来ます。
 まあそれはともかく、「ムンク」です。2008年に兵庫県立美術館に来たときは色々あって結局行けなかったのを今でも悔やんでいるのですが、冊子とは言えこうして改めてじっくり観る機会を得たのは望外の喜びといえます。
 ことに折込で代表作「叫び」の一部分を原寸大で収録してくれているのが圧巻です。美術館では確かに本物と出会うことが出来ますが、こんなに近くで、まさに手にとって細部を観る機会はまずありません。この表紙もなかなかのものですが、私の感じではこの表題のもう少し上辺りにある赤い色が渦をなす夕焼けの表現にこそこの絵の真骨頂があるような気がしますので、折込の方が一部とはいえそこまでちゃんと入っていたのが、まことにうれしい限りでした。

 まだ買ってきてすぐなのでぱらぱらとめくってみただけですが、薄い割に濃度の高い内容に感じられますので、しばらくじっくりと1ページ1ページ堪能してみようと思います。まだ学割で美術館に出入りしていたあの頃と今とで感じ方が代わっているのか、あるいは同じなのか、そんな時の流れを体感してみるのもなかなかにおつなものでしょう。

 ・・・それにしてもこの本、表紙がてかてかして携帯で撮影するのが一苦労でした。一眼レフなら偏光フィルター使って割合簡単に撮ることが出来るんですが、光がはねて白抜けしたり、自分自身が鏡のように映ってしまったり、それらを抑え込むのが大変でした。いまいちピントが甘いのは、ピントがあっていないせいではなく、写りこみの無くなる距離まで離れて撮影し、500万画素を利用して中央に写った小さな冊子をトリミングしたせいで、このあたりが携帯のレンズの限界なんでしょうね。携帯用の偏光フィルターを発売してくれたら絶対買うんですけどね、まあありえないでしょうが。

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原因不明、謎の食中毒が列島に蔓延しつつあるそうです。

2009-06-22 21:54:35 | Weblog
 今朝5時ごろから雷を伴ってものすごい雨が降ってきて、6時半ごろまで、断続的に強くなったり弱くなったりしながらひたすら振り続けました。出勤大丈夫かな? と少々危惧していたのですが、7時ごろまでにはすっかり雨も上がり、その後は何事もなく蒸し暑い曇り時々晴れな一日になりました。でも、今風がかなり強く吹いていて、いわゆる雨風とのことですが、今夜から明日朝にかけて、またとんでもない降りになる可能性が大なのだそうです。まあなるべく静かに降ってくれたらいいんですが、夜中に雷でたたき起こされるのだけはちょっと勘弁願いたいものです。

 さて、今、何でも謎の食中毒が増えているのだそうです。どんな食中毒かというと、1.下痢や嘔吐 2.食後、発症までごく短時間(平均4、5時間)3.症状が軽く、回復も早い という特徴があるもので、原因の菌ないし物質が不明で、患者の吐しゃ物などを検査しても、今のところ疑わしいものが出てこないのだとか。ここ数年のうちに、首都圏や瀬戸内海沿岸、北陸地方などで報告が相次いでいて、年間数百人が罹患している可能性があるのだそうです。まだ各地の事例が同一の原因からなる同じ食中毒だ、とも言い切れない状況で、各地の保健所も予防措置もと利用がなく、対応に難儀しています。
 まあノロウィルスも発見されるまでは謎の食中毒としてつい最近まで不思議がられていましたし、いずれ近いうちに何か原因物質なり菌なりが見つかることもあるだろう、とは思いますが、結局身の回りを清潔に保ち、手洗いを励行、ちゃんとバランスよく食べて睡眠を十分取って体調を維持するくらいしか、やりようもないでしょうね。
 ちなみに私も先週一週間謎の腹下しに襲われておりましたが、原因はどうやらのど飴のなめ過ぎでした。こののど飴、口の中がすっと冷たくなるキシリトールやソルビトール入りの飴だったのですが、これらの糖類は人が代謝できないものなので、食べ過ぎるとおなかを壊すのです。袋の注意書きにもちゃんと食べ過ぎるとお腹がゆるくなると書いてあったのですが、自分ではそんなに摂取しているつもりではありませんでした。でも、目覚まし代わりに仕事中かなり頻繁に飴を口に放り込んでいたようで、結局この土日ほとんど舐めることなく、今日も意識的に控えておりましたら、あっさり症状は改善しました。
 正直、ちょっと体の調子が変だ、と気にかかっていた折だったのでこのニュースにも注目していたのですが、少なくとも自分の問題はあっさり解決したようなので、とりあえずはめでたしめでたし、です。

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梅雨突入を控え、今年最後の花を楽しみました。

2009-06-21 21:35:25 | サボテン
 今日は朝からそれほど暑くも無いか、と思っていたのですが、3時過ぎに軽く通り雨がさっと行った後に日差しが戻るというイヤな天気で、まるでサウナ風呂にでも入っているかのような蒸し暑いひと時がありました。ようやく梅雨本番というところでしょうか。明日からはしばらくお日様とは縁の薄い日々が続くらしいですし、この春から初夏にかけてはとにかく雨がありませんでしたから、このあたりでしっかり降ってくれることを期待しています。
 
 さて、そんなわけで、サボテンの花もそろそろおしまいです。本当はまだつぼみが付いていて、後1週間もすれば花が咲くぐらいまで膨らんできてもいるのですが、本格的に入梅したとあっては、そろそろ夏越しのための休眠の準備に入らないといけませんし、ここで無理に花を咲かせて消耗してしまうと、秋の生育、ひいては来年の花にも影響しますので、涙を呑んで残るつぼみを摘んでしまいました。更に小さいつぼみが残ってはいますが、恐らくこれはそのまま咲くこともなくしぼんでしまうことでしょう。春、もう少し早く植え替えして水をやり、休眠から目覚めさせてやれば、花も早く咲いて全てのつぼみを開かせることも出来るのですが、簡単なフレームしかないうちの施設では、やはりお彼岸を過ぎるまでは植え替え・水遣りを始めるのは高いリスクがあります。昔それでたくさんのサボテンを3月最後の寒波で枯らしてしまった経験があるだけに、なかなか思い切って作業できないのです。そのためにも、この冬が来るまでに温室を何とかしたいと思っております。

それで、今年最後の花は、例によって青王丸の黄色い花です。



アップでも一枚撮ってみました。金属光沢を持つ半透明な花弁が重なり合って生み出すグラデーションの造形美は、まさに絶品の自然の妙味をかもし出してくれます。


 青王丸は自家和合性ですので、このまま放っといても種子が実ります。花の右下の小ぶりのサボテンは、2年前にこぼれた種子が芽を出して、知らぬ間に育っていたという第2世代ですが、いくら花がきれいでも青王丸ばかり増やしてもしょうがないので、どうしたものか、とちょっと思案中です。

 ところで連載小説は来週から再びシェリーちゃんの独白による「お姉さま」とのめくるめく大阪探検の再開です。今度は円光さんも加わっての珍道中になります。もちろんその先にはクライマックスが控え、いよいよ後半に突入! という段階です。



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08 悪夢 その3

2009-06-21 10:01:55 | 麗夢小説『向日葵の姉妹達』
 この期に及んで何を? となおもその華奢な姿に迫ろうとした麗夢の全身に鳥肌が立った。身体を圧する驚異的な威圧感が、肌をピリピリと震えさせる。麗夢は、気を奮い起こして目の前の佐緒里=ROMを凝視した。その背後、グリフィンの中心から、漆黒の闇よりも濃い負のエネルギーが、渦巻きながら吹き出していた。
 暗黒の瘴気だ。
 瘴気は、所々で不気味な稲光をちらつかせながら急激に佐緒里=ROMの夢を侵食していった。
 更に所々で一段と濃く凝り固まった瘴気から、実体を得た悪魔の手先が生まれていった。
 人の夢を啜り喰らい、悪夢へと落とし込む夢魔の群である。
 麗夢は背筋にぞっとした冷や汗を覚えつつ、醜く変容した佐緒里=ROMの夢を凝視した。
「なぜ夢魔がここに?」
 すると佐緒里=ROMは、今や幾百とも知れぬ数まで膨れ上がった夢魔達に囲まれながら、麗夢に言った。
「人間達の夢を集めていたとき、その一つから彼らを取り入れた。私の完成に不可欠な因子の一つだ」
 まさか! 麗夢は思わず出かかった叫び声を呑みこんだ。
 かつて、ROMは人間の心を理解するため、その精神を根こそぎ奪い取っていった。人口一千万人を超える東京都中心部が、そのために目覚める者とて無いゴーストタウンに変じたのだ。だが、その夢の中に、夢魔に苛まれていた人がいたとしたらどうだろう。ROMはなんの区別もしないままその悪夢を取り込み、保存したのではないか。そしてその解析にも取り組んでいたのであろう。その課程でROMが夢魔に汚染されてしまったとしたら……。純粋なプログラムであったが故に、人間なら多少は備えている太古の呪いへの抵抗力を、ROMは持っていなかったに違いない。それが佐緒里=ROMと言う格好の器を得たとき、悪夢と直結した佐緒里=ROMの夢は、そのまま悪夢の噴出口としてその火口を現実世界に開いたのだ。
「まさかプログラムが夢魔に侵されるなんて、正直思わなかったわ」
 麗夢は一人突然のピンチに唇をかみしめながら、剣の束をぐいと握り直した、その時である。
「にゃーン!」
「ワンワンワンっ!」
「アルファ! ベータ!」
 突然空から降ってきた二色の毛玉が、麗夢の左右に見事な着地を決めた。右のオレンジは子猫のアルファ、左の焦げ茶は子犬のベータである。二匹のテレパシーが、鬼童と共に、大阪ビジネスパークの一角にそびえる真野製薬のビルディングに駆け付けてきたのだと告げていた。間一髪と言えたかも知れない絶妙のタイミングに、麗夢の気合いが一段と高まった。
「ありがとうアルファ、ベータ! それじゃ、この悪夢をきれいさっぱり掃除しちゃうわよ!」
 麗夢の言葉を待っていたかのように、二匹はその持てる力を解放した。ドリームガーディアン降臨に匹敵する光の柱が二本、麗夢の左右に噴騰し、掌に乗りそうな小さな身体が、人の背丈を超える巨大な姿に生まれ変わった。鋭い爪、長大な牙、あらゆる物を噛み砕く強靱な顎を備えた二頭の魔獣が、麗夢の左右に出現したのである。
「行くわよ、アルファ、ベータ!」
「グゥオウワゥオゥ!」
 肝魂も消し飛ぶほどな咆哮の二重奏が闇をうち払った。横溢する力を光に変えて惜しげもなくなびかせながら、三本の光芒が一気に飛んだ。
 麗夢の斬撃が闇を裂き、アルファ、ベータの爪と牙が瘴気を打ち払う。一陣の颶風となって夢魔達を屠りまくった三つの光が、瞬く間に佐緒里の夢を席巻し、数だけは圧倒的多数を誇った夢魔が見る見る討ち減らされる。遂に最後の一体があえなく消滅し、麗夢、アルファ、ベータは、三方から佐緒里=ROMを取り囲んだ。だが、佐緒里=ROMは一向にひるむ様子もなく、相変わらず無表情に麗夢を見つめて言った。
「これまでのデータを解析した結果、現状でお前達を排除するのは不可能であるとの結論に達した」
「賢明な判断ね。降参する気になったの?」
 すると佐緒里=ROMは、抑揚のない平板な声で答えた。
「準備が整った。私の主体を向うの私に移動させる。この肉体はもういらない」
「どういう意味よ!」
 見ると、既に佐緒里=ROMの体が足元から薄く透け始めているではないか。麗夢の視界の端に、あの大きな液晶ディスプレイが映った。その中のシェリーちゃんが、信じられないことに声を荒げて怒りをぶつけているようだ。やがて映像が不安定に揺れ、シェリーちゃんの顔を外れて、その足元へと急に移動した。
「いずれお前達のデータもいただく。お前達も私の完成に必要な因子かも知れない」
 佐緒里=ROMは今や全身透明感を増しながら、麗夢に最後の一言を告げた。
「待ちなさい!」
 麗夢は思わず叫んだが、佐緒里=ROMは遂にくすりとも笑うことなく消滅した。
 その途端、佐緒里=ROMの夢が急激に光を失った。
 奇妙に歪み、明らかに崩れはじめている。
 たちまち麗夢、アルファ、ベータは現実感を喪失し、次の瞬間には、意識そのものを鷲掴みにされて、猛烈な勢いで投げ飛ばされた。
 はっと気が付いたとき、麗夢達は、既に佐緒里=ROMの夢から強制的に排除されていた。いや、その母胎を動かす命というエネルギーが唐突に失われたため、佐緒里=ROMの夢もまた消失してしまったのだ。そのために麗夢達の意識が居場所を失い、一気に本体に帰ってきたのである。
 麗夢は、まるで静かに眠ったままに見える佐緒里=ROMの首筋に手を当てながら、近寄って鼻を鳴らすベータに言った。
「どう?」
 麗夢の問いかけに、ベータは難しい顔のまま首を左右に振った。命の匂いがしない。すなわち、たった今、佐緒里=ROMは生命活動を停止したのだ。
 まるで、コンピューターののスイッチをぷつりと切ったときのように。
 麗夢はやりきれない思いを持て余しながら、とにかく立ち上がった。今はシェリーちゃんを助けないといけない。
 きびすを返し、仮眠室に当てられた部屋を出ようとした麗夢の耳を、真野昇造翁の悲鳴が駆け抜けていった。
 どうやら一刻の猶予もないようだ。
 麗夢、アルファ、ベータは、文字通り脱兎の如く駆け出した。
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PCの夏対策をとりつつ、注文した通販の商品を堪能しました。

2009-06-20 21:39:18 | Weblog
 梅雨の雨がいっこうに降る様子がなく、昼間はまるで夏のような暑さが続いていたここ数日の天気ですが、今日は夕方から雨が降ったようで、どうやらようやく本格的な梅雨入りを迎えつつあるようです。そんな時ではありますが、夏を無事に越すために、今日はPCを冷やすためケースの改造とファンの増設をやってみました。改造といっても、背面パネルの、8センチのファンを装着する2箇所の排気口を一部ニッパーで切り開き、開放状態にしただけなのですが、およそ半分の面積を開削したことで、空気の流れが大分スムーズになったようです。2箇所のうち片方は以前からファンをつけていたのですが、今回は空いているほうに更に8センチのファンを1基増設しました。更に、ハードディスク付近に8センチファンを取り付けられる構造になっていたので、ちょうどディスクに風が当たるようファンを増設し、少しでも空気を流して、熱がこもらないように配慮してみました。ついでにCPUクーラーに溜まりかけていたホコリをブロアーで吹き飛ばして掃除してみましたが、少ーしうるさくなった代償に、これでこの夏を無事乗り切れるかどうか。CPUの温度観測結果を見ていると、昨日までよりは5℃くらい下がっているような数字も出ていますが、もう少し動かし続けてみないとなんともいえないような気もします。
 それと、無事夏が越えられたとして、その後の冬はどうしたものでしょうね。多分こんなにファンを回さなくても室温で十分冷えると思いますし、一時的に一部のファンの電源ケーブルを抜いて停止しておくようなことも検討しておく必要があるかもしれません。

 そうこう作業をしているうちに、アマゾンから注文していた荷物が届きました。内容は、「BASTARD!! 暗黒の破壊神」26巻、「乃木坂春香の秘密」10巻の本2冊と、フィリップスという会社のSHE9701/97という型番のイヤホンで、アウトレット品を安売りしている、という話、利用者のコメントを見ても結構評判がよさそうだったので、物は試しと購入してみました。早速開封していつものMP3プレーヤーにつないでみましたが、なんとなく音の抜けが良くなったような気がいたします。
 バスタードの方は、たまたま新刊が出る、という情報を見て、正直「まだ続いていたの?」と目を丸くしてから発注したのですが、とりあえず1年以上前に尻切れトンボになっていたお話の決着が付いたので、良しと思っています。たった2話で古い読みきりが増量剤に使われていることなど、評判はあまりよくないようですが、まだまだ続きを過去にさかのぼって描くそうですし、私としてはのんびりのんびり次を待って、もし本当に次巻が出たら買ってもいいな、と考えています。
 「乃木坂春香の秘密」は、相変わらずな荒唐無稽さの割りにみみっちさも感じられるセレブ設定とか、京都の老舗旅館の人たちが何故京都弁じゃないの? なんていうような素朴な疑問とか気になるところが満載だったのですが、まあこれもこの物語の仕様なのだ、と思うようになってからはさほど気にならなくなりました。初めて新井素子を読んだ時ほどではないですが、こういうのもありなのか、という新鮮な驚きを素直に楽しんでいるところです。

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「かぐや」が月に「還って」、来年は「はやぶさ」が地球に帰ってくるのですね。

2009-06-19 21:55:53 | Weblog
 やっと1週間が終わって、待望の金曜日の夜を迎えました。睡眠不足もきっとこれで解消できるでしょう。途中、たとえばだんだん車の運転が荒くなってきたり、細い道で無神経に突っ込んできて、さも当然の如く絶対自分からバックしようとしない(バックできない?)おばさんにむかっ腹立てたりと、気づかない間に神経がささくれて来ている自分を認識するたび、これはまずいな、と思っていたのですが、それもとりあえずリセットできそうです。それにしても、車一台しか通れないブラインド・コーナーを向こう見ずに減速せずに突っ込む女性が多いのは、どうしてなんでしょうね。対向車が来たらどうするの? とこっちの方が冷や汗モノなのですが、よくあれで事故もせず車を乗り続けていられるものです。

 それはさておき、魅惑的な映像を次々と見せてくれた月周回衛星「かぐや」が、ついに最後の時を迎えたそうです。徐々に高度を下げながら撮影されたラストショットが公開されました。連続して見ると、遠くにあった山の稜線が次第に近づき、その向こうにあるクレーターがアップになっていく様子が実によく判る見事な映像で、およそ2年弱活動を続けた集大成にふさわしい、迫力の写真でした。
 一年後には、小惑星「イトカワ」から試料を採取した、と期待される「はやぶさ」が7年ぶりに地球に帰還、わが身を犠牲にして、小惑星の地球衝突シュミレーションという最後のミッションを行いつつ、小惑星サンプルを収めたはずの容器を地球に投下するとのことですし、「かぐや」にせよ「はやぶさ」にせよ、宇宙ステーションの実験棟「きぼう」にせよ、日本の宇宙工学技術はけして低いものではないことを教えてくれたように思います。政府も補正予算を大盤振る舞いするのなら、こういった分野にこそドカンと入れてはどうでしょうか。あとiPS細胞とか、余計な事務手続きやら煩雑な書類作りやら、研究者の足を引っ張るだけの無駄な仕事をさくっと簡略化して、わが国が世界に伍して行ける科学分野に今こそ注力すべき時でしょう。それが数年後にわが国の血となり肉となって、有形無形の利益を無限に生み出す原動力となることでしょう。

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恒例の初夏の睡眠不足で、頭が少々ぼけているみたいです。

2009-06-18 20:38:45 | Weblog
 今週に入ってから朝早くに目が覚めるようになってしまい、ちょっとばかり困っております。月曜日は5時半でまあそれまでの起床時間からすれば30分ばかり早いくらいでそれほど影響は無かったのですが、火曜日からは3日連続して5時前に目が覚めてしまい、睡眠時間が極端に減っております。それでも昨日まではまだ体力的にもさほど影響なく、就寝時間まで強い眠気も無いまま過ごせたのですが、今日はもう、まだ9時過ぎだというのに、この日記を書きながらもまぶたが勝手に閉じてしまいそうな、強烈な眠気に襲われております。それでも昼間は長時間の運転も無理なくこなしましたし、まだまだ余力があるような感じがありました。でも、果たして明日はどうでしょうか? 翌日は休みだというのを心の支えに、何とか一日乗り切るよう頑張るより無いでしょう。かなり難儀なことには、明日昼から七面倒な会議が控えており、ここで猛烈な睡魔に襲われたら、果たして抵抗できるかどうか微妙なのです。もちろんこれも仕事ですから眠ってしまうなど言語道断なわけですが、楽しく実験でもしているならともかく、つまらない退屈な会議はもうそれだけで元気なときでも眠気を誘われる厄介なもの。それだけに、明日は非常の覚悟を持って臨まないとならないでしょうね。

 さて、鳩山大臣更迭で内閣支持率が暴落した、とのことですが、更迭された大臣が人気者だったから失望を買ったのか、いつまでもぐずぐずしていたから失望されたのか、眠気が酷いせいかもう一つ判然といたしません。個人的にはあの大臣はどうも胡散臭くて好きになれない方で、法務大臣の時に死刑執行をどしどし進めていたあたりはまだ好感が持てたのですが、総務大臣になってからの立ち居振る舞いはどうも何か勘違いしているのではないか? と感じられることが多かった気がします。そもそも正義なんてものを振り回す人物がリアルでいること自体怪しさいっぱいなのですが、地デジにしろ郵政にしろ、結局関連の官僚達を利するだけの、お先棒かつぎをしていたようにしか私には見えなかったのです。その大臣が閣僚からようやく更迭されてさっぱりした、と思ったら支持率急落という結果。マスコミの論調も鳩山擁護から批判まで結構ばらついて、単にマスコミのミスリードと言うわけでもなさそうですから、やはりこれは、あまりにぐずぐずして決断を欠いたため呆れられた、ということになるのでしょうか。安保理決議がまとまり、景気が底を打ち、郵便不正で民主党に新たな火種がつき始め、とどちらかというと支持率上がってもよさそうな話が出てきているのにこの体たらくとは、さすがに天も見放した、と言うより無いのかもしれません。
 ・・・でも、民主党は更に輪をかけて信頼にかけるし、いっそ思い切って一時だけ共産党に政権を渡したほうがかえってマシだったりするんじゃないでしょうか。そんな悪い冗談さえ頭に浮かぶほど、次の選挙で投票する相手を決めるのは難しい気がします。

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