今日で長いカーティスクリークの歴史の幕を閉じる。
最後のお客様、T氏ご家族は奥様、お嬢様の3人家族。数えきれないほどお越しいただいた。
今春、お嬢様がご結婚し、4人でお見えになった。幼稚園生だったあの小さな女の子がご結婚、ご主人と一に・・・
二晩バーカンターで一緒にお酒を飲みながら語り合えたのは歴史を閉じるこの時、最もふさわしい時間、
この職業を生業として悔いなき、胸にこみ上げる万感の思いが。


前日、お帰りになったO氏ご夫妻もまたカーティスクリーク廃業を知り、急遽お越しになった。
カウンターがいっぱい、お酒を飲みながらゆっくりお話しできなく、悔いが残ってしまった。
お持ちになった居間に飾られている額に入った2枚のお写真、O氏ご家族とカーティスクリークの歴史がそこにあった。
お許しを頂き、複写を撮らせて頂いた。撮りながら万感胸に迫り、落涙寸前。
お嬢様はドイツにピアノ留学、ドイツ人とご結婚され、お子様もお生まれになり、
男のお子様は今年ご結婚、コロナ禍の中、披露宴もできず、ドイツのお孫さんにも会えないという。
娘に写真を送るからと、このむさ苦しい老人はカメラの前に立たされてしまった。
とはいえ、ここにも歴史の幕を引くにこの時、この職業を生業とした無上の幸福、こみ上げる万感の思い・・・


今日で長いカーティスクリークの歴史の幕は閉じられた。同時に人生残された短い我々夫婦最終章の始まりでもある。
珍しく霧の流れる森を見ながらキーボードをたたいている。
が為し終えたという思いより、風景同様、気分は重く、暗く、虚しいだけ。
