庭のはずれに白い花を満開にした潅木が2本あることに気づく。
果たして何の花であろうか。
こんな木があることに気が付かなかったことを不思議に思う。5メートル近くはあろうに、毎年白い花を咲かせていたであろうに。
近寄って観察する。カメラに収める。まさか、コナシ?庭にコナシが存在するとは・・・
ズミという別名を持つが私は断然コナシが好きだ。理由は単純、以下の出来事からだ。
上高地に小梨平というところがある。
2人の子供たちが就学前の頃、たびたびマイカーファミリーキャンプに出かけた。
6月初旬、小梨平にテントを張った。当時の6月はまだ上高地にマイカー規制がなかった。
快晴、梓川の青き流れ、青空を突き刺す穂高の峰、小梨平に人影ほとんどなし、カラマツの落ち葉でフカフカの大地に張ったテントは快適そのもの。
小梨平快晴の3日間、明神池、大正池、河童橋、徳沢をふらついた。日暮れにはテントのそばで焚き火を囲むこともできた。
今では考えられない時間だった。
小梨平に咲いていただろうコナシの花を見たかどうかの記憶はないものの、
家族で過ごしたそれは夢のような時間だった。