今年もT氏からお送りいただいたシュトレン、兄夫婦からの白百合、そして妻の手料理、雪の庭のライトアップ、すべて舞台は整った。
演じるヒロインは妻、ヒーローは私、二人だけの舞台開演。
ランプの下、クリスマスイブのディナーの一時、人生これ以上の幸せなどあろうか・・・と思う。
料理と味わうカヴァーがうまい、シャトー・ラネッサンがいい・・・
アルコールに酔った妻、今年も薪ストーブが暑い暑いと早くもベッドへ。
ヒーローは薪ストーブの前の絨毯にあぐらをかき、一人ラネッサンを啜る。
締め、手に入れたばかりのTHE GLENLIVET FOUNDER`SRESERVEの栓を開ける。
独りよがりのクリスマス開幕。
海辺のコテッジ、砂浜の流木を暖炉で燃やす、炎をじっと見つめる主人公、
数十年前に読んだ本、全く正確ではない、が、ヘミングウエイの海流の中の島々のその主人公を気取って。
私はグレンリベットのグラスを握り締め、いつまでも薪ストーブの炎を見つめている。