裏磐梯 秋元湖にほど近い森の中から・・・

裏磐梯の森の中の家、薪ストーブ、庭、山、酒、音楽を愛する独居老人の日常生活の記録、綴り続ける備忘録。

 

弥生 近づく春

2023年03月02日 | 本を読む

昨日も裏磐梯は暖かく気温7°c、三寒四温、吹雪の日も何日かあろう。

餌台のヒマワリの種が今日も残っている、野鳥たちは自然の餌を採って満腹、これも近づく春の証拠。

窓辺のシクラメンにつぼみ発見、ミニシクラメンだろうか、冬中咲いていたヘリオトロープ、ますます花を咲かせ、

甘い香りを部屋に漂わせている。ヘリオトロープ、思い出すは漱石の『三四郎』

淡い恋心を抱く美禰子に店で香水「ヘリオトロープ」を選んあげる主人公三四郎、

学生時代読んだ時、深く私の心に焼き付いた「ヘリオトロープ」その香り、名前すら知らなかった。

やがて美禰子と決別の時(失恋)

結婚するそうですね。手帛が三四郎の顔の前にきた。鋭い香がぷんとする。「ヘリオトロープ」と女が静かに云った。

三四郎は思わず顔を後へ引いた、ヘリオトロープの壜、四丁目の夕暮、

ストレイシープ、ストレイシイプ、空には高い日が明かに懸る・・・

数日前、福島からの帰りの車の中で東京にいる孫娘からLINEが入った、

今「紀伊国屋」にいる、なにか面白い本を教えてと。

同時代の本に限らず、ほとんど本を読まない私に咄嗟に20歳の孫娘に推奨する本などない、

『三四郎』と一瞬思ったか今の若者にバカな、

老人の貧しい読書経験から思いついたのは情けなくも春樹の『ノルウェイの森』

店を出る前にLINEせねば、隣に座っている妻に返事を送ってもらった・・・


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