在宅酸素療法の器具を引き取りに業者が一時に来るという連絡があり、
外出はその後とした。短い期間であったが寝室に置かれた機器の発する音、
思い浮かぶカニューラをつけた妻の顔、運び出される器具、空白の空間、
堪えようにも流れる涙・・・
散髪に、買い物に、自然に車は郡山に向かっている、
心は虚ろ、信号機のない交差点でずっと止まって動かなかったり・・・
いつもの買い物コースにみかけていた理髪店に入る、
2012年9月乳がん手術のため入院、10月退院、その間一度だけ他人に切ってもらった。
散髪はいつも妻がやってくれていた、昨年12月に妻にやってもらった散髪、
それが最後になってしまった・・・
それにしても思い返せば返すほど酷い夫だったと思う、
堅実なサラリーマンを自身の都合であっさりやめ、
専業主婦だった妻をペンション業という水商売に強引に引きずり込んみ、
酷い苦労をさせてしまった。
金銭感覚、管理能力ゼロの私、商売のほとんどの苦労を彼女に背負わせていた。
結婚後から銀行の預金金額全く知らず(知りたくないという気持ちもあった)
10数日前までキャッシュ・ディスペンサーの利用方法全く解らず、
1月31日妻の見舞いかたがた遊びに来た孫に教わりつつ、
妻から預かったキャッシュカード、ピンコード、金額のメモ、
妻の指示する金額を人生始めて下ろすことができた、改めて我ながら呆れる。
貯金どころか借金だらけ、そんな男と結婚してくれた彼女、
更に結婚式、新婚旅行、すべて借金、一人暮らしの経験なし、借金はほとんど母からだった。
母の手から妻の手へ、思い返せば返すほど、なんとだらしない酷い男、それが私という男。