学問空間

「『増鏡』を読む会」、第9回は2月22日(土)、テーマは「上西門院とその周辺」です。

Avedis Zildjian Company

2008-03-25 | その他
投稿者:鈴木小太郎 投稿日:2008年 3月25日(火)00時46分48秒

今日の日経夕刊最終面に、「運慶作の仏像競売騒動 文化財保護 あり方に一石」という無署名の記事が載っていますね。
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(前略)
 流出が騒がれるほどの名品が、なぜ競売にかけられたのか。最大の理由は文化財保護法で輸出を禁じる重要文化財や国宝の指定を受けていなかったことだ。
(中略)
 一連の事態を受けて渡海紀三朗文部科学相は二十一日、文化財の流出防止に向けた検討を進める考えを示した。とはいえ、文化財保護法は個人の財産権の尊重もうたっており、所有者の意思を無視した強制的な買い上げや調査は法的になじまない。「文化財の公共性と財産権の問題を考えながら、慎重に進めたい」と青木保文化庁長官は言う。
 一方、流出にこだわる必要はないとの見方もある。仏像を最初に調査し、運慶作と指摘した清泉女子大学の山本勉教授は「国内でも文化財を粗雑に扱うところはある。流出を防ぐ政策より、国外に出ても一般公開や調査、研究ができるように支援体制を充実させることが肝要」と話す。
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文化財保護法第4条第3項で「政府及び地方公共団体は、この法律の執行に当って関係者の所有権その他の財産権を尊重しなければならない。 」とありますが、憲法第29条で財産権を保障しているのだから、これ自体は当たり前であって、ここから直ちに「所有者の意思を無視した強制的な買い上げや調査は法的になじまない」とは言えないと思いますね。
憲法第29条自体、第3項で「私有財産は、正当な補償の下に、これを公共のために用ひることができる。」としているのだから、制約の程度に応じた補償があればよいわけで。
そして、「強制的な買い上げ」ではなく輸出禁止程度だったら、別にたいした制約ではないから、ちょこっと補償してやれば充分じゃないですかね。
この記事の良いところは、「他国の文化財流出制限策」としてフランス・英国・イタリアの例をあげている点ですね。
分量が少ないので詳しい規制内容は分かりませんが、各国ともそれぞれ工夫して流出防止を図っているようです。

参考:文化財保護法
http://www.amy.hi-ho.ne.jp/mizuy/pro/hogoho10.htm

>阿哈馬江さん
>コーチャン
そんな人がいましたね。
コーチャン&アルメニアで検索してみたら、リンク先がひっかかりましたが、なるほどミコヤンやハチャトリアンなどもアルメニアですか。
http://www.nippon-foundation.or.jp/org/moyo/2004535/20045351.html

シンバルのジルジャンも元をたどればアルメニアなんですね。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B8%E3%83%AB%E3%82%B8%E3%83%A3%E3%83%B3
コメント
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