学問空間

「『増鏡』を読む会」、第9回は2月22日(土)、テーマは「上西門院とその周辺」です。

0009 権門体制論・東国国家論の現状(その1)

2024-01-13 | 鈴木小太郎チャンネル2024
第9回配信です。


権門体制論・東国国家論について、現在の研究状況を概観するのに便利な論考
秋山哲雄氏「鎌倉幕府論 中世の特質を明らかにする」

秋山哲雄・田中大喜・野口華世編『増補改訂新版 日本中世史入門 論文を書こう』
https://bensei.jp/index.php?main_page=product_book_info&products_id=101192
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0008 石井進氏の青春

2024-01-13 | 鈴木小太郎チャンネル2024
第8回配信です。


『日本中世国家史の研究』 「序章 問題の所在-回顧と展望」

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【前略】 上に述べたように私は、断続的にではあっても十五年以上も、この第一論文のテーマにかかり合ってきたわけであるが、思えば、その底にはやはり私なりの執念ともいうべきものがあったのかも知れない。一九五〇年から五五年春まで大学生活を送った私にとって、もっともつよい印象をやきつけられたのは、周囲の友人たちの参加していった学生運動であり、「国民的歴史学」運動であり、「山村調査」であった。のちにみずから極左冒険主義路線として否定された戦術に指導されたそれらの運動に、敢然として参加していったすぐれた友人たちをみながら、しかも私はどうしてもそれについて行くことができなかった。その運動に色濃くまつわりついていた「事実への尊敬」の念をかいた主観主義への疑問と、その上に立って強要される、敵か味方か、味方でないものは敵だという二者択一への疑問からであった。
 こうした運動への緊張関係をつよく感じながら文学部国史学科での勉強をはじめた私は、たとえ「素朴実証主義」といわれようとも、できるだけ確実な論証方法をとりつつ、歴史上の変革期について、そこをつらぬいている連続面を明らかに見定めたいと考えるようになった。佐藤進一先生の講義「中世政治史」を聴講して鎌倉幕府の成立期に興味をいだき、『吾妻鏡』の演習では初期の頼朝の権力が、律令系の地方行政機関である国衙機構を利用しつつきずかれて行った事実に目を開かれた。前年の演習のレポートとして提出されたという山本(現、尾藤)さき子氏の常陸国衙と頼朝との関係の究明の内容を紹介されたことも刺戟となって、幕府による国衙支配のテーマにひきつけられ、やがて卒業論文では、そのもっとも顕著な場合と考えられる大宰府の事例をとりあげて、幕府による大宰府支配の成立とその前提をあとづけることとなった。

https://web.archive.org/web/20061006213323/http://www015.upp.so-net.ne.jp/gofukakusa/ishii-susumu-kaikototenbo-01.htm

「運動も結構だが勉強もして下さい」(by 坂本太郎)
https://blog.goo.ne.jp/daikanjin/e/06ac5441a8971a3ada912df93428d77f

尾藤正英氏「戦争体験と思想史研究」
https://blog.goo.ne.jp/daikanjin/e/374c0c8c4c719c85bc48c81710595a2b
「国史学界の今昔」
https://blog.goo.ne.jp/daikanjin/e/85973fb60a7ab3ff5e3f348dc5cb7438
林健太郎氏「国史学界傍観」
https://blog.goo.ne.jp/daikanjin/e/42cbebf025ab3c471233d1b18081e9af

網野善彦を探して(その1)─「民主主義学生同盟」副委員長の頃
https://blog.goo.ne.jp/daikanjin/e/344193180a4815652c4f1cbfaea2f3b9
【中略】
網野善彦を探して(その16)─「『井上清なり、山辺健太郎』なりを送るから待っていろ」(by 松島栄一)
https://blog.goo.ne.jp/daikanjin/e/97491474634c9e8f8f70bc5ffe3305ae
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