●ローマ(ビザンツ帝国)
Justinian the Great of East Roman Empire enthroned.
古風(こふう)なローマ ユー素敵!
527年 東ローマ帝国 ユスティニアヌス帝
527年に東ローマ帝国(ビザンツ帝国)の皇帝として即位したユスティニアヌスは積極的に領土を拡大。東方でササン朝の侵入を退け、西方では西ローマ領の回復をめざした。ヴァンダル王国・東ゴート王国を征服、イベリア半島にも領土を拡大した。また、首都の聖ソフィア聖堂を再建。『ローマ法大全』を編纂させるなど、文化面の功績も著しかった。
.ビザンツ帝国の繁栄と衰亡
■ポイント ローマ帝国を継承しながら、独自の発展を遂げたビザンツ帝国のあゆみを理解する。
Aビザンツ帝国 394年 ローマ帝国の東西分裂 → 東ローマ帝国の形成。
解説
ビザンツ帝国の始まりは、330年のコンスタンティノープルの建設、395年のローマ帝国の東西分裂による東ローマ帝国の分離、さらに西ローマ帝国が滅亡して東ローマが唯一の「ローマ帝国」となった476年などに求めることが出来るが、定説はない。いずれにせよローマ帝国を継承した国家であり、首都コンスタンティノープルは第二のローマと言われたのであるが、その地域性から次第にギリシア的性格が強くなり、西方教会(ローマ教会)と分離した結果、7世紀頃からコンスタンティノープルの古称であるビザンティウムに由来する「ビザンツ帝国」と言われるようになった。
- ゲルマン人の侵入をあまり受けず、ローマの伝統を維持。
→ 商業とa 貨幣経済 ( ノミスマ金貨 を発行)の繁栄が続く。 - 都b コンスタンティノープル (旧名c ビザンティウム )の繁栄。
- 政治体制:d ローマ帝国以来の官僚制を継承し、その頂点の皇帝は専制君主として権力を維持した。
- 特徴:皇帝は教会の首長を兼ねるe 皇帝教皇主義 にたち、f ギリシア正教会 を直接支配。
→ 西ローマ帝国滅亡後、地中海世界の統一の再現を目指す。
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Bユスティニアヌス帝 在位527~565年 ビザンツ帝国の最盛期となる。
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B ユスティニアヌス帝
Text p.133
- aヴァンダル王国 、b 東ゴート王国 を征服。
→ 地中海の旧ローマ帝国領を回復。 - 東方ではc ササン朝ペルシア のホスロー1世と対抗。
→ 交易ルートがメソポタミアや・紅海からアラビア半島内陸部に移る。 - d 「ローマ法大全」 を集成。トリボニアヌスらに命じ、534年完成。
- e バギア=ソフィア聖堂 を建設。ビザンツ様式の代表的建造物。(後出)
- 中国からf 養蚕技術 を学び、絹織物業を起こす。
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6世紀 次第にギリシア化が進む。
地図 ビザンツ帝国とその周辺(6世紀)
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・征服されたゲルマン諸国 a 東ゴート王国 b ヴァンダル王国
・周辺諸国 c フランク王国 d 西ゴート王国 e ササン朝ペルシア
・主要都市 1 コンスタンティノープル 2 テッサロニケ 3 ラヴェンナ 4 ローマ
5 ミラノ 6 コルドバ 7 カルタゴ 8 アレクサンドリア
9 イェルサレム 10 ダマスクス 11 アンティオキア 12 クテシフォン
・周辺諸国 c フランク王国 d 西ゴート王国 e ササン朝ペルシア
・主要都市 1 コンスタンティノープル 2 テッサロニケ 3 ラヴェンナ 4 ローマ
5 ミラノ 6 コルドバ 7 カルタゴ 8 アレクサンドリア
9 イェルサレム 10 ダマスクス 11 アンティオキア 12 クテシフォン