藍のア。
(阿波(あわ)・藍(あい))(紅花(べにばな)・出羽(でわ))
[ポイント]
1.江戸時代の代表的特産物といえば、阿波の藍、出羽の紅花。
[解説]
1.藍は、タデ科の1年草。葉や茎を原料に染料を採る。欧米ではジャパン・ブルーとかヒロシゲ・ブルーとよんだ。Gパンの染料がこれである。葉藍を発酵させたものを搗(つ)き固めたものを藍玉(あいだま)といい、この特産地として阿波地方が有名。
2.紅花は、アザミに似た花。花から紅が採れ京染めなどの染料や化粧品に使われる。種からは油をとる。最上地方(出羽)が特産地として著名。
〈2014立大・現心コミュ福祉観光営:「
問10.これ(各地の特産物)に関する記述として正しくないのはどれか。次のa~dから1つ選べ。
a.阿波の藍玉と出羽村山の紅花が染料として利用された
b.紀州みかんや甲州ぶどうといった果物が生産された
c.薩摩藩の専売品となった伊万里焼が、長崎から輸出された
d.名産品の生産現場を紹介した『日本山海名産図会』が刊行された」
(答:c×伊万里焼は唐津藩)〉
〈2014早大・教育:「
次の史料とその解説文を読み、下記の問に答えよ。
〈史料〉
[ A ]の儀、連年違作(注1)凶年打ち続き侯うち、たまたま去丑年豊熟の様申し触れ候ところ、もっての外、見込み違いの作毛にて驚き入り候えども、郡内一統の見込み違い詮方なく、当春中ご廻米高存外あい嵩み、それらにつき夫食(ふじき)(注2)払底(ふってい)にあいなり、米穀直段は春中より至ってあい進み、日々増し高貴にあいなり、a買い食いの者夫食に差し支え侯……、ケ様に候うえは、来卯年に至り何様の変事出来申すべく哉計り難し、と郡内一統悲歎に沈み捨て置かず、今般[ A ]御料御私領むきむき重立ち候名主庄屋ども、一統参会仕り、左の通り取りきめ申し候、
[ A ]一統申し合わす議定(ぎじょう)
一 米穀他郡出に御差し留め願い上ぐべき事、
但、樽酒紅花種同断の事、
これは紅花の義、当郡第一の産物ゆえ、先年より紅花種他郡出に留め願い上げ奉りおき候えども、猶又今般申し合わせ厳しく他郡出御差し留め願い上げ奉るべき事、
一 酒寒造りの儀は三分の一造り、……
一 b神事仏事婚礼などに至るまで手軽にいたし、その外年賀すべて祝い事決して致すまじく候事、
一 夫食の儀は一食は粥、その外雑穀糧たくさんに取り用い申すべき事、
(以下略)
(注1)違作:凶作のこと。 (注2)夫食:百姓の食糧のこと。
問1 この史料を代表例とする議定は、空欄のような単位で作成されることが多かった。その地域単位は何か。この史科中にその語があるので、そこから見つけ出し、漢字一字で答えよ。
問3 この史料の文脈上、下線部a買い食いの者に該当しないものはどれか。
ア小作人 イ日用 ウ職人
エ水呑 オ在方商人
問4 この史料が作成されたのはどこか。
ア肥後 イ出羽 ウ飛騨
エ土佐 オ越中
問5 この史料が取り決めたことに該当しないものをすべて選べ。
ア 樽酒の[ A ]の外への移出を推進する。
イ 神事・仏事・婚礼などを簡素化する。
ウ 紅花の種の[ A ]の外への移出を禁止する。
エ 年賀などの祝い事については通常通りとする。
オ 粥・雑穀の食用を推進する。
カ 米穀の[ A ]の外への移出を禁止する。
キ 酒造を制限する。
問6 江戸時代の下線部b神事仏事の説明で正しいものはどれか。
ア 檀那寺の行事ではない宗教行事に参加する者はいなかった。
イ 幕末に登場した民衆宗教は、おもに仏教系の宗教活動であった。
ウ 天皇や将軍の宗教活動は、もっぱら神社信仰であった。
エ 修験者・陰陽師の祈躊や占いは人びとの頼りにされた。
オ 神職は寺請けの宗門改を免除された。」
(答:問1郡※史料文の「郡内一統の見込み違い詮方なく」から、郡とわかる、問3オ※「買い食いの者」とは米価が上昇して苦しむ、日用(日雇い)や水呑のような貧民層、問4イ※「紅花の儀、当郡第一の産物」とあるので紅花の特産地である出羽とわかる、問6エ)〉
〈2012立大・全学部2/6:「
また、染色技術が進んだことにより、阿波の〈 え 〉や出羽の紅花が特産物となっていった。」
(答:藍)〉