
単衣を縫っていると、縫い代の始末の多さに辟易します。
今回は浴衣なので、耳くけになります。
折りくけより多少針目も大きくなるのでよいものの、それでも うんざりです。
仕立てを生業にしている人に 改めて脱帽です。
縫っているだけだと 飽きてくるので、ちょこちょこ写真を撮っています。
そこで 今回は 糸継ぎ。
最初の一枚は

ここで しっかり糸こき をします。
糸こきとは 親指と人差し指で縫った糸の部分の布を挟み、縫った糸を縫いはじめから縫い終わりにむかって
しっかり糸目の上をしごいて 縫うことによって縮まった部分を伸ばす作業です。
私は この糸こきが なかなかうまく出来ず、最初糸こきを2回ほどした後、平ごてをあて、
さらにもう一度 糸こきをするという 三段階でしています。
お稽古を始めてしばらくは 縫ったところを 先生が点検されては、
「糸こきが足りないです」 と言われて、縫った真中あたりで 糸に挟みを入れられていました。
すると 自分では 十分糸こきしたつもりでも、挟みを入れられると ひと針分ぐらいあくのです

ミシンなどで糸縮みが生じていると、全部ほどいて 糸調子をとりなおして やり直しになります。
その感覚で 最初の一~二回は ぜーんぶやり直しだ


例えば 脇縫いで糸こきが足りないと言われれば、脇線全部をほどいてやり直すのかと思ったからです。
ところが 先生は
「不足した部分の前後を6~7㎝縫い足しなさい」 と言われるのです。
「縫ったことろの糸を割りながら縫い継ぐと 絶対にほどけません。大丈夫です。」とのことでした。
この糸こきが足りないことで 縫い縮みを修正することも 糸継ぎのやり方に慣れると
さほど億劫でなくなりました。
もちろん 1回で糸こきが完全に出来ればそれにこしたことないのですが。

3~4㎝手前から縫った糸に重なるように針を入れていきます。
縫い終わりの糸が 玉止めをしていないのが わかると思います。

縫い足した糸だけに 玉止めがしてあるのがわかると思います。
糸をきちんと割りながら針を入れていくと もう絶対にほどけたりしません。
下手な長糸といいますが、わかっていても やはり針へ糸を通すのは面倒です。
それでついつい長めに糸をとり、縫っていて あるいはくけていて 糸がもつれてどうしようもなくなることがあります。
そんな場合も あっさりもつれたところで糸を切り、この糸継ぎのやり方で縫い進めていきます。
補足:画像は クリックすると 別画面で 拡大画像がご覧になれます。