安倍暴政か平成民主化改革か、日本は岐路に立っている
櫻井 智志
①資料として-【日刊ゲンダイ】
空気一変…オバマ大統領の広島訪問で再燃する「衆参W選」
2016年5月13日
解散風が吹いてきた…(C)日刊ゲンダイ
政界で再び「解散風」が吹き始めた。オバマ大統領の広島訪問が実現したことで、勢いに乗る安倍政権が衆参ダブル選に打って出るというのだ。シナリオはサミット直後の6月1日に衆院を解散し、7月10日にダブル選だ。
「どのポスターを選挙で使うか急ピッチで準備を進めています。7月10日の選挙なら選挙事務所の手付金も、そろそろ払わなければいけない。療養中の甘利明前経済再生担当相も、ダブル選に向け秘書たちに『地元を回れ』と指示していると聞きました。5月18日には党首討論がありますが、そこで安倍首相がいきなり解散をブチ上げてもおかしくない。4年前の野田佳彦元首相と同じです」
スマホに写った選挙用ポスター10枚を見せながら、衆院の民進党幹部はこう言った。
ダブル選は見送り――そんな臆測が流れていた永田町の空気が一変したのは10日。オバマ大統領の広島訪問が電撃発表されたからだ。27日に訪問予定だが、安倍首相と世界に平和をアピールすれば、報道はそれ一色になる。
■サミットで世界経済のリーダーシップを演出
さらに、伊勢志摩サミット(26、27日)でも、安倍首相は財政出動を約束する形で、世界経済のリーダーシップを演出するだろう。そうなれば、野党の存在なんて影も形もなくなる。
安倍政権にとって唯一の“アキレス腱”ともいえるのが「パナマ文書」だ。リストの中には政権関係者もいて、調査が進めば安倍政権にとって“致命傷”になるのは間違いないが、全容解明への動きは遅い。民進党のパナマ文書調査チームのメンバーが言う。
「国税庁にとって、パナマ文書は“宝の山”のはず。民進党のヒアリングには部長クラスが出席していて、本気で調査をやりたそうでした。しかし、実際は異様に腰が重い。上から何か“ブレーキ”がかかっているとしか思えません」
戦後、ダブル選が行われたのは1980年と86年の2回。大平内閣の「ハプニング解散」と、中曽根内閣の「死んだふり解散」だ。これまで「やらない」と言っておきながら、解散・総選挙に踏み切り、いずれも自民党が大勝している。今回も熊本地震後には、安倍首相がダブル選を断念したと大手メディアが一斉に報じているが、政治評論家の伊藤達美氏はこうみる。
「熊本の被災地のことを考えれば常識的にはダブル選はない。ただし、野党が会期末に内閣不信任決議案を出した場合などに“ハプニング的”に解散に踏み切る可能性はある。参院選だけなら野党も統一候補を立てられますが、衆院選も同時となると、全国の小選挙区で統一候補を立てるのは難しいでしょう。圧勝とはいきませんが、与党が有利であることは確かです」
政権維持のためなら何でも仕掛ける安倍政権。何があってもおかしくない。
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②櫻井智志の見解
安倍は、自分に有利ならなんでもする男。彼の言葉の一切は詭弁と行き当たりばったりの方便。政治的論理とはかけ離れた直感的本能だけで動く。安倍が政権でやったことは、急スピードで日本を戦時中態勢に似た時代閉塞の社会にしてしまったこと。
安倍の発言や演説は一切無視して、そういう状況の裏側の本音だけ類推すれば充分。
日本共産党と市民運動は、衆参同時選挙をめざして、「衆院選野党共闘」が予想されることは他の野党と連繋し、衆院選選挙区複数区や比例区は急いで候補者を絞りこんでおいても、ムダではない。今回なくとも定例衆院選挙は、すぐやってくる。
オバマは前回来日した時に、広島訪問を切り出していた。ところが日本政府側が官僚対応で「日程的に無理です」とオバマに言い、マスコミには逆の報道を垂れ流した。
今回も、任期切れとなるオバマの政治的信念にもとづく広島訪問の意思を、安倍は変なことを言いだして、まったく別の方向に利用を思いたった。この男、恐ろしいマキャベリスト。前後の脈絡もなく、なんでも牽強付会してしまう。
しかし、日本社会は、急速な極右反動化が進む中で、支配者と国民との矛盾とはかってなかったほどに断裂を広げている。安倍の政治的寿命は尽きて、保守勢力の中から、引導を渡す政治家が出てこよう。さらに安倍政権が終焉を迎えた時に、日本は軍事大国化か、市民主導の平成民主化改革か、明確な別れ道が見えてこよう。
櫻井 智志
①資料として-【日刊ゲンダイ】
空気一変…オバマ大統領の広島訪問で再燃する「衆参W選」
2016年5月13日
解散風が吹いてきた…(C)日刊ゲンダイ
政界で再び「解散風」が吹き始めた。オバマ大統領の広島訪問が実現したことで、勢いに乗る安倍政権が衆参ダブル選に打って出るというのだ。シナリオはサミット直後の6月1日に衆院を解散し、7月10日にダブル選だ。
「どのポスターを選挙で使うか急ピッチで準備を進めています。7月10日の選挙なら選挙事務所の手付金も、そろそろ払わなければいけない。療養中の甘利明前経済再生担当相も、ダブル選に向け秘書たちに『地元を回れ』と指示していると聞きました。5月18日には党首討論がありますが、そこで安倍首相がいきなり解散をブチ上げてもおかしくない。4年前の野田佳彦元首相と同じです」
スマホに写った選挙用ポスター10枚を見せながら、衆院の民進党幹部はこう言った。
ダブル選は見送り――そんな臆測が流れていた永田町の空気が一変したのは10日。オバマ大統領の広島訪問が電撃発表されたからだ。27日に訪問予定だが、安倍首相と世界に平和をアピールすれば、報道はそれ一色になる。
■サミットで世界経済のリーダーシップを演出
さらに、伊勢志摩サミット(26、27日)でも、安倍首相は財政出動を約束する形で、世界経済のリーダーシップを演出するだろう。そうなれば、野党の存在なんて影も形もなくなる。
安倍政権にとって唯一の“アキレス腱”ともいえるのが「パナマ文書」だ。リストの中には政権関係者もいて、調査が進めば安倍政権にとって“致命傷”になるのは間違いないが、全容解明への動きは遅い。民進党のパナマ文書調査チームのメンバーが言う。
「国税庁にとって、パナマ文書は“宝の山”のはず。民進党のヒアリングには部長クラスが出席していて、本気で調査をやりたそうでした。しかし、実際は異様に腰が重い。上から何か“ブレーキ”がかかっているとしか思えません」
戦後、ダブル選が行われたのは1980年と86年の2回。大平内閣の「ハプニング解散」と、中曽根内閣の「死んだふり解散」だ。これまで「やらない」と言っておきながら、解散・総選挙に踏み切り、いずれも自民党が大勝している。今回も熊本地震後には、安倍首相がダブル選を断念したと大手メディアが一斉に報じているが、政治評論家の伊藤達美氏はこうみる。
「熊本の被災地のことを考えれば常識的にはダブル選はない。ただし、野党が会期末に内閣不信任決議案を出した場合などに“ハプニング的”に解散に踏み切る可能性はある。参院選だけなら野党も統一候補を立てられますが、衆院選も同時となると、全国の小選挙区で統一候補を立てるのは難しいでしょう。圧勝とはいきませんが、与党が有利であることは確かです」
政権維持のためなら何でも仕掛ける安倍政権。何があってもおかしくない。
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②櫻井智志の見解
安倍は、自分に有利ならなんでもする男。彼の言葉の一切は詭弁と行き当たりばったりの方便。政治的論理とはかけ離れた直感的本能だけで動く。安倍が政権でやったことは、急スピードで日本を戦時中態勢に似た時代閉塞の社会にしてしまったこと。
安倍の発言や演説は一切無視して、そういう状況の裏側の本音だけ類推すれば充分。
日本共産党と市民運動は、衆参同時選挙をめざして、「衆院選野党共闘」が予想されることは他の野党と連繋し、衆院選選挙区複数区や比例区は急いで候補者を絞りこんでおいても、ムダではない。今回なくとも定例衆院選挙は、すぐやってくる。
オバマは前回来日した時に、広島訪問を切り出していた。ところが日本政府側が官僚対応で「日程的に無理です」とオバマに言い、マスコミには逆の報道を垂れ流した。
今回も、任期切れとなるオバマの政治的信念にもとづく広島訪問の意思を、安倍は変なことを言いだして、まったく別の方向に利用を思いたった。この男、恐ろしいマキャベリスト。前後の脈絡もなく、なんでも牽強付会してしまう。
しかし、日本社会は、急速な極右反動化が進む中で、支配者と国民との矛盾とはかってなかったほどに断裂を広げている。安倍の政治的寿命は尽きて、保守勢力の中から、引導を渡す政治家が出てこよう。さらに安倍政権が終焉を迎えた時に、日本は軍事大国化か、市民主導の平成民主化改革か、明確な別れ道が見えてこよう。