【現代思想とジャーナリスト精神】

価値判断の基軸は自らが判断し思考し実践することの主体であるか否かであると考えております。

#とことん共産党opinion~2020.3.23 櫻井智志

2020-03-23 22:49:48 | 言論と政治
ネット生放送
とことん共産党3月23日放送

「いま、マルクスがおもしろい」

ゲスト 石川康宏さん(神戸女学院大学教授)
MC・司会 小池晃書記局長、朝岡晶子さん
https://youtu.be/1UdBOsVgwA4




国会参院予算委員会での小池晃氏の質問は感銘的だった。赤木さんご夫妻の意思と哀しみを踏まえ、明快な事実に組み立てられ説得力のある展開だった。情理ふまえ無言の国民の怒りをわきまえた質問だった。

コロナと赤木さん夫妻の勇気ある告発の事態。ともに繋がる水脈がある。新型コロナ感染症対策は、安部首相なりに対応しているが「やってみせる感」が前面にあり、根本からの取り組みとは異質だ。だが安部氏も麻生氏も庶民とは全く異質の生活感覚で生きているのだろう。

「マルクス #者」は、「もの」でなく「しゃ」と思う、本質とは異なるが。
マルクスの実践と学問は新たな歴史的地平を拓いた画期的な存在と考える。ただ、マルクスを偉大な崇拝対象ととらえることよりも、時代を自分はどうとらえ生きていくかの生きた知恵として認識している。

サンダースの民主的社会主義は現代アメリカにとり重要な存在だ。ニューヨーク市立大哲学教授ジョンサマヴィルやキング牧師などアメリカの市民の側の民主主義は深い。北欧は資本主義だが「福祉社会」「社会民主主義」の特徴が現代的な意義を持つと考える。

マルクスの時代に「階級闘争」をメインに出した背景がある。資本主義が労働者を搾取し疎外を極めた。労働者・市民・国民・民族とカテゴリーが歴史的に発展していく。今のフェミニズムは、市民や女性への社会的発展によってマルクス期よりも発展している。

マルクスが開拓した画期的理論と思想の領域と併存する価値観の共存に40才頃から視野が変わった。「マルクス曰く」ではなく現実をどう認識するかの方法論として思考すべきと思う。近代からの科学技術の幾何級数的発展は、核や生物科学の発展は新たな理論的深化を要請している。

石川康弘先生のおっしゃる「資本主義の2つの側面」という考えに同感である。2つの矛盾はやがて対立を止揚する段階を必要とする。だが現在日本社会をよりよくしていくために、緻密なステップを要求される。その政策化にはかなり議論や発展が必要とされよう。

私は厳密に社会主義よりも「民主主義」の課題に関心をもつ。過去のロシア革命やコミンテルン、国共合作など今では疑問をもつ人々も増えているだろうが、同時代的には当時の矛盾を解決する集団的主体として意義がある。さらに時代も歴史も前に進む。民主主義運動が鍵。

今の時代をとらえる上で「マルクス」。私は日本の中にマルクス同様の人物を媒介としたい。戸坂潤、野呂栄太郎、芝田進午、渡辺治、などなど。生涯を終えるまでに日本人を終えてマルクスには到達できるだろうか?!

上昌広氏激白 新型コロナ対策で“人体実験”が行われている

2020-03-23 13:26:52 | 転載
日刊ゲンダイDIGITAL 政治・社会 社会ニュース 記事
注目の人 直撃インタビュー
上昌広氏激白 新型コロナ対策で“人体実験”が行われている
公開日:2020/03/23 06:00 更新日:2020/03/23 09:16


医療ガバナンス研究所の上昌広理事長(C)日刊ゲンダイ

上 昌広氏(医療ガバナンス研究所理事長)
 中国・武漢市が「震源地」だった新型コロナウイルスは世界中に感染拡大し、WHO(世界保健機関)は「パンデミック」を宣言した。日本でも連日、感染者が増え、「政治決断」の名の下、安倍首相が思いつきで打ち出す対策は効果に科学的根拠が見えない。感染を判断する検査件数も依然増えず、国民の不安は募るばかりだ。そんな状況を、内科医の立場から冷静に分析し、話題を呼んでいるのがこの人。山積する問題の背景には何があるのか。


 ◇  ◇  ◇

 ――日本でも感染拡大が止まりません。政府の対策について、どう見ていますか。特に「一斉休校」は、安倍首相の思いつきと批判が多く上がっています。

 医学的にはあまり効果がありません。「学級閉鎖」にはそれなりのエビデンス(根拠)があります。学級閉鎖すると、接触者である子供たちの数が少なくなるので、伝染する機会が減るのです。しかし、今回は全国一律ですから流行していない学校まで閉鎖してしまう。すると、子供から教育を受ける権利を奪ったり、保護者の負担を増やすことになる。この「副作用」は全ての学校に出てきます。一方、効果については、校内に感染者がいなければありませんね。政治的メッセージとしては効果があったとは思いますが。

 ――イベントの自粛要請についてはどうでしょうか。

 まず、イベント自粛について効果を検証した事例が過去にありません。過去の医学論文をほぼ全て収載している米国国立医学図書館のデータベースで検索したところ、大型イベントの中止で地域の感染症が減るといった研究は見つかりませんでした。効果については「分からない」としか言いようがないです。純粋な政治的メッセージで、科学的なバックボーンはないと思います。

 ――3月5日に政府が発表した中国、韓国からの入国制限策については、WHO幹部も「政治的な争いは必要ない」と苦言を呈していました。

 この対策は、医学的なエビデンスに反します。3月に、アメリカの一流科学誌「サイエンス」で、ボストンの研究者がある論文を発表しています。1月下旬の武漢封鎖が周囲への蔓延防止に効果があったかを検証した結果、「ほとんど効果がなかった」「数日間、(感染拡大を)遅らせた程度」ということでした。封鎖した時に、既に周囲に広がっていたのです。ウイルスが蔓延している状況で、中韓をシャットアウトすることは、科学的に意味がありません。これも政治的判断なのでしょう。

 ――陽性か陰性かを見分けるための「検査」の態勢にも賛否があります。保険適用されてもなお、日本では検査件数が増えていません。

 日本では、誰でも検査を受けられるようになると、「病院がパンクする」「院内で感染が広がる」と否定的な意見が多く聞かれます。しかし、いくらでも対策は取れるはずです。

 韓国はドライブスルー式の検査を実施しました。これなら車内で検査するわけですから、感染を広げることはない。また、ネットを通じて患者さんに検体を送ってもらい、検査できる可能性があります。そもそも、現在、実施されているPCR検査に難しい技術は必要ありません。新型コロナの正体を知る上でも、検査態勢の拡充が肝要です。
日本では検査件数が増えない(新型コロナウィルスの検査をする中国・武漢市の病院) (C)Featurechina/共同通信イメージズ

検査が増えない理由は感染研が仕切っているから
 ――なぜ検査件数が増えないのでしょうか。

 厚労省の研究機関「国立感染症研究所」が検査を仕切っていることが原因だと思います。現在、感染研が検体をハンドリングして、一部を外注したりしながら取り仕切っています。感染症研究の原資は税金です。これがもし、一般診療になり、民間のクリニックと健康保険組合、検査会社の仕事になると、感染研と厚労省はタッチできなくなる。

 患者さんのデータはクリニックと患者が保有します。検査会社は研究所にデータを横流しできません。感染研は研究する上で極めて重要な臨床データを取れなくなる。ですから、感染研のキャパシティーの範囲内で、検査をハンドリングしたいということでしょう。

 ――医師の紹介があったにもかかわらず、保健所に検査を拒否されたという声も上がっています。

 あってはならないことですが、これは基本的に「積極的疫学調査」という研究事業の延長線上です。専門家会議の方々が、「こういう基準を満たした人を検査します」と決めています。治療より研究を優先させているのでしょう。専門家会議は、コロナウイルスの効率よい研究体制を念頭においているように見えます。

 ――今、専門家を中心に行われているのは「治療」ではなく「研究」であると。

 例えば、90代のおばあさんが38度の熱を出しても、専門家会議は「2日間病院に行くのを控えてくれ」と条件をつけています。一部からは「陽性が判明しても、治療法がないから検査しても意味がない」という指摘もあります。

 しかし、我々医師の考え方は全く違います。患者さんに高熱が出た場合、コロナウイルスはあくまでひとつの可能性と捉える。まずは脱水になったら点滴をします。熱を下げないと体力を失います。もちろん、インフルエンザの可能性も探ります。それから、実際に診て「大丈夫だよ」と話をして、安心してもらう。それが患者さんの立場に立つということです。

 現行のやり方はあくまで「研究」で、患者ではなくコロナウイルスだけを見ているような気がするのです。

 ――国の研究機関が患者の治療よりも新型コロナの研究を優先する現状は、社会で「人体実験」が行われているようなものではないですか。

 はい。今、行われていることは「人体実験」だと思います。患者を見ていないと思うんです。例えば、高齢者の致死率が高いことが問題視されていますけど、介護や高齢者医療の専門の人はひとりも専門家会議に入っていません。多くが公衆衛生、感染症対策の専門家なのです。

 ――恐ろしい話です。医師と研究者・専門家は全然考え方が違うのですね。

 私は「国立がん研究センター」に2001年から05年まで勤務していました。同センターはがん対策基本法で、研究の司令塔となることが規定されるほどの機関でしたが、臨床医としては違和感を持つことがままありました。部長の先生が入院を希望した患者に、「臨床研究できないから、あなたは受け入れられない」と発言しました。こういう発言が問題視されないというのは、驚きでした。ある意味、病的だと思いますね。

 ――そういった環境下で仕事をされ、どう感じましたか。

 役人が仕切っており、「非効率だな」と感じることはありました。病院長のポジションに臨床経験の全くないキャリア官僚がやってくるのですから。ほんの一部ですが、エリート意識の強すぎる人物もいました。ただ、大半はみな非常に真面目。悪意がある人もほとんどいません。長年、こういう組織の中にいるので分かるのですが、「我々が国を率いねばならない」と本気で考えているのです。

■陸軍の「伝染病研究所」を引き継ぐDNA

 ――上先生は05年から16年までは、「東京大学医科学研究所」に所属していました。同研究所も“体制側”です。辞めて今の立場になったのは、やはり専門家や研究者に対して違和感を覚えることがあったからでしょうか。

 いやいや、純粋に自分のキャリアのことで、年も重ね独立しないといけないと思ったまでです。独立したほうが動きやすいという事情もありましたので。東大医科研は国立がん研究センターほど、国べったりではありませんでした。ただ、創設者の北里柴三郎以来の長い歴史を感じることが多かったです。陸軍と密接に関係して、研究を進めてきたのです。

 戦前、「日本のCDC(米疾病対策センター)」とも言える組織は伝染病研究所です。これが現在の東大医科研と国立感染症研究所です。今回の専門家会議を仕切る人たちです。同じDNAを引き継いでいると思います。

 ――「お国のために」では、患者目線から離れていくのも当然かもしれません。

 専門家の方々は医師免許があっても普段は診療しませんから。こういう方が主導的に感染症対策を決めるのは、暴走するリスクすらあると思います。テクノクラート(科学者・技術者出身の政治家・高級官僚)が主導権を握ると、しばしば暴走して第2次世界大戦のようなことになる可能性もありますよね。専門家に対応を丸投げするのは非常に危険なことだと思います。医療現場の判断を優先すべきでしょう。

(聞き手=小幡元太/日刊ゲンダイ)

※インタビューは【動画】でもご覧いただけます。
https://youtu.be/8EUMDgeSnxA
▽かみ・まさひろ 1968年兵庫県生まれ。内科医。東京大学医学部卒。虎の門病院や国立がん研究センター中央病院で臨床研究に従事。2005年から16年まで東京大学医科学研究所で、先端医療社会コミュニケーションシステムを主宰し、医療ガバナンスを研究。16年から現職。