【現代思想とジャーナリスト精神】

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東京新聞(9月17日)報道と補論と私見~安倍総選挙と野党共闘の周辺~

2017-09-17 10:54:17 | 政治・文化・社会評論
【東京新聞(9月17日)報道と補論と私見~安倍総選挙と野党共闘の周辺~】

                       櫻井 智志


①与党、年内解散へ準備本格化 臨時国会冒頭想定も

与党内で、安倍晋三首相が年内の衆院解散・総選挙を検討しているとの見方が広まり、選挙準備が本格化している。早ければ二十八日召集の臨時国会冒頭での解散も想定されている。民進党が離党者続出で混迷し、小池百合子東京都知事が支援する新党の準備が整わない今が好機との判断からだ。だが北朝鮮の核・ミサイル対応や、解散で衆院の改憲勢力が発議に必要な三分の二の議席を失う可能性があり、否定的な意見もある。 (清水俊介)=民進、統一会派提案へ<3>面
 与党内では、首相が提案した「二〇二〇年の改憲施行」に向け、九条を含む改憲案を来年の通常国会で発議することを優先していくため、解散は来年夏以降との見方が支配的だった。
 ところが、加計(かけ)学園や森友学園の問題などを受け低迷していた内閣支持率が、八月の内閣改造以後から回復傾向に転じた。野党は民進党の混迷に加え、次期衆院選に向けた選挙協力の議論も停滞。小池氏側近の若狭勝衆院議員が次期衆院選の候補者育成を念頭に置いて立ち上げた政治塾は、十六日に開講したばかりだ。
 政権に有利な情勢を踏まえ、自民党の竹下亘総務会長は十六日、徳島市内での党会合で、解散に関し「そう遠くないなという思いは全衆院議員が持ち始めている」と発言。党内では「改憲勢力は三分の二を割るかもしれないが、与党で安定多数は確保できる」(閣僚経験者)と年内解散論を唱える意見が増えている。
 公明党も支持母体の創価学会が十七日に地方幹部の緊急会合を都内で開く。自公両党は十八日にも、幹事長、選対委員長らが出席した会合を都内で開き、対応を協議する見通し。
 首相が臨時国会冒頭に解散すれば、十月二十二日投開票の衆院三補欠選挙(青森4区、新潟5区、愛媛3区)はなくなる。衆院選は解散から四十日以内に実施するため、三補選がある予定だった十月二十二日や翌週の二十九日が投開票日に想定される。首相が世論や野党情勢を見極めるため、三補選で自民党が全勝すれば、年末に衆院選になる場合もある。
 だが北朝鮮情勢の緊迫度は高まっている。選挙戦に入れば危機管理に不安が生じる。「冒頭解散」なら、加計・森友問題隠しと受け取られ「国民の反発を招く」(自民党幹部)と懸念する声も根強い。

「来秋の相場観こだわらずに」公明代表
 【サンクトペテルブルク=共同】公明党の山口那津男代表は十六日、衆院解散・総選挙の時期について「これまで来年秋という相場観があったが、そこにこだわらず常在戦場の心構えで臨む」と記者団に語った。

②前原氏、統一会派提案へ
 自由・社民党首ときょう会談(web掲載なし)

 共産党との選挙協力には慎重姿勢を示し、同党には呼びかけていないと強調。「政権交代を実現すめるために、この3党=民進・自由・社民、の枠組みなら政権構想を共有できる」と述べた。


③小池氏「国政で改革を」 若狭氏の政治塾が開講
 小池百合子東京都知事側近の若狭勝衆院議員が運営する政治塾「輝照(きしょう)塾」の第一回講義が十六日、都内で開かれた。講師を務めた小池氏は、全国から集まった約二百人の塾生に「国政を学び、しがらみのない政治を進めてほしい」とエールを送った。若狭氏は年内の新党結成を目指し、塾生から次期衆院選の候補を選ぶ方針だ。
 小池氏は講演で若狭氏に「これから国政で大きな改革を進めてほしい」と期待を示した。新党の基本政策に若狭氏が掲げた改憲による一院制導入に賛同した上で、安倍晋三首相が目指す九条改憲には「九条の何項を入れるかどうかで憲法改正を論じるのではなく、まったく違う切り口から議論すべきだ」と異論を唱えた。
 若狭氏は終了後、記者団に「(小池氏が事実上率いる地域政党の)都民ファーストの会と、私がつくる政党は二人三脚だ」と強調。新党で原発ゼロを目指すことも明かした。
 若狭氏によると、塾への応募者は約六百人。書類選考と面接で約二百人を選んだ。四割強が女性で元国会議員や現職の地方議員も複数。塾は来年二月まで月に一度開催し、細野豪志元環境相を講師に招くことも検討している。(大野暢子)

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【補論】
田中秀征氏の「TBSサンデーモーニング」での発言

 このような解散報道の裏には、政府の明確な意図があり、これで一気に解散風が吹き荒れる。総選挙時期はほぼ確定的だろう。
しかし、戦後最大の北朝鮮による東アジアでの危機と言われる中での解散のもてあそびは、政権を預かる者のすることではない。
 細野・若狭新党は吹き飛んだ。「誰と」組むかでなく、原発・憲法九条・消費税など「なにを」するのかを明確にすべきだ。この新党よりは民進などの統一会派のほうがまだしも期待がもてる。

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【私見】櫻井智志

共産党を除外した野党の統一会派は、今の民進党の本望かも知れない。だがそのことが維新の会をも与党とする安倍自公政権には、さらに独走にはずみをかけて憲法改悪実現の悪夢の現実化も視野に入る。

民進・自由・社民の統一会派が、共産党と共闘することはあり得る。それにしても今の民進党は「政権構想」を現実の構想と本気で思っているのか。

日本共産党は、4党合意を誠実に守り自党の候補者を取り下げて野党の中でも多くの場合民進党候補を支援して当選に貢献してきた。いまの情勢では、むしろ市民連合などの活性化している市民運動とともに連携して政党活動を更に発展させる選択肢を選ばざるを得なくなってきている。この問題は小沢一郎氏率いる自由党の判断がキイワードとなってきたと考える。小沢=前原会談の結果が共産党抜きの統一会派結成とは思いもよらぬことである。

焦ることはない。堂々と国民の願望をくみとり権力と闘っていくことがより重要だ。


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