北海道・京都の衆院補選と画期的なレジスタンス
櫻井 智志
北海道必勝は、安倍政権には最低のライン。もともとが町村派の領袖故町村信孝氏の議席。安倍晋三は策を弄した。5区が地盤の鈴木宗男と密かに連絡をとり、得意のアベノウラコーサクをはかった。公民権を失った鈴木宗男は、子どもの鈴木貴子を立候補させた。「新党大地」は足寄高校で鈴木の後輩の松山千春がかかわり、党名さえ考えた。
鈴木宗男は、共産党は革命政党と反共の常套句で民主党を批判、自民党候補支持を表明した。そこまでは安倍晋三の思惑通り。
しかし、安倍の考えられない事態が発生して安倍自民党は真っ青になった。なんと、日本共産党が選挙区候補を辞退させて、民主党候補支援にまわった。しかも共産党の勢力が強い京都府の候補も辞退して、反共色の強い民主党を考慮して「自主投票」とした。自主投票といっても自民党に投票する党員はまずいまい。しかも、自民党は悪名高い宮崎元議員の影響を考慮して候補さえ立てられない状況にある。
北海道、京都で衆院補選議席を二つ失うことは、安倍晋三にとってとんでもない政局に連なる。衆参同時選挙どころではない.万一同一選挙をおこなって、自公惨敗となれば安倍政権は吹き飛ぶ。
しかし、世界各国の首脳の前で、福島原発の汚染水は完全にブロックしたと、数値まであげてとんでもない嘘をつく虚言癖のある首相。おそらく何でもやるだろう。民主党、維新の党のそれぞれの議員の籠絡や「民進党」へのダメージ演出、共産党などへのスキャンダルでっち上げなどおよそ考えられることはもちろん、想定外のことさえありうる。それは過剰防衛ではなく、いままでに安倍晋三という政治家総理が行ってきたことの経歴を見れば、油断は絶対にできない。
日本共産党の「一人区」選挙政策は秀逸である。「肉を切らして骨を切る」という言葉の通り、共産党が具体的分析に基づいて細かく選挙区に応じてとり組む戦略は、戦後共産党史において、戦後直後の民主化の闘争、1960年代を画期とする人民的議会主義、革新統一戦線による革新自治体メガロポリス、これらに匹敵する反軍事大国主義のレジスタンスと言えよう。
しかもこの共産党の活躍の背景に、反原発運動連合以来、広範な市民の自立的闘いの拡大と成長がある。若者が大健闘しているSEALDsは全国各地に誕生し、重要な意義を果たしている。子育て中のママさんを名前とした市民の団体など、共産党とは異なる団体が活躍し、市民団体も日本共産党も互いを尊重し理解しあっている。これは戦術論ではなく、すでに1950年代にあった大衆社会論争の土台が、21世紀に入り、個人や個性の成熟した集団の誕生という学問的検討の対象ともなる社会発展が背景にあると私は考える。
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重要参考資料【日刊ゲンダイ】
“3点セット”が逆風に…自民党「北海道5区補選」で大苦戦
2016年3月20日
野党統一候補の池田真紀(C)日刊ゲンダイ
「このままでは負ける」――と、自民党が真っ青になっている。4月24日に行われる“北海道5区”と“京都3区”の2つの補欠選挙。不戦敗の京都3区だけでなく、負けるはずがない北海道5区まで勝利が怪しくなっているからだ。
自民党の直近の調査によると、なんと自民候補と野党候補の支持率は「45対43」の横一線。さらに、農業専門紙の調査では、北海道は「政党支持率」まで「自民17%、民主17%」と並んでいるという。
自民党にとって北海道5区補選は、本来、絶対に負けるはずがない選挙。自民党議員だった町村信孝氏が死亡したために行われる“弔い合戦”だからだ。しかも、自民党は、万全を期して町村氏の娘婿を擁立している。なのに大接戦とは、いったい何が起きているのか。地元の政界関係者がこう言う。
「まず、候補者の差が大きい。亡くなった町村さんの娘婿である自民党候補は、とにかくエラソーで頭を下げない。有権者に会えば会うほど票を減らしています。その反対に、野党統一候補の池田真紀氏(43)は、ざっくばらんで明るく、会った人は皆、ファンになっている。彼女は、介護の専門家。苦労しながら子供を育てているシングルマザーです。エリートである自民党候補と違って、生活感があることが受けているのでしょう」
さらに「TPP、安保、保育園」の3点セットが、自民党を直撃しているという。
もともと北海道はTPP反対が強い。さらに、基地を抱えている北海道5区は、安保問題にも敏感。そこへ、保育園問題が加わった形だ。安倍首相が、保育園不足に困っている母親を冷たく切り捨てたことで、女性有権者はカンカンになっているという。
「危機感を強める自民党は、総裁特別補佐の下村博文氏を現地に張りつけるつもりです。対する野党陣営は、女性議員を連日、送り込む方針。4月24日の投票日まで総力戦になるはずです」(永田町関係者)
もし、北海道5区で敗れ、補選連敗となれば、安倍首相はダブル選挙どころではなくなる。
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櫻井 智志
北海道必勝は、安倍政権には最低のライン。もともとが町村派の領袖故町村信孝氏の議席。安倍晋三は策を弄した。5区が地盤の鈴木宗男と密かに連絡をとり、得意のアベノウラコーサクをはかった。公民権を失った鈴木宗男は、子どもの鈴木貴子を立候補させた。「新党大地」は足寄高校で鈴木の後輩の松山千春がかかわり、党名さえ考えた。
鈴木宗男は、共産党は革命政党と反共の常套句で民主党を批判、自民党候補支持を表明した。そこまでは安倍晋三の思惑通り。
しかし、安倍の考えられない事態が発生して安倍自民党は真っ青になった。なんと、日本共産党が選挙区候補を辞退させて、民主党候補支援にまわった。しかも共産党の勢力が強い京都府の候補も辞退して、反共色の強い民主党を考慮して「自主投票」とした。自主投票といっても自民党に投票する党員はまずいまい。しかも、自民党は悪名高い宮崎元議員の影響を考慮して候補さえ立てられない状況にある。
北海道、京都で衆院補選議席を二つ失うことは、安倍晋三にとってとんでもない政局に連なる。衆参同時選挙どころではない.万一同一選挙をおこなって、自公惨敗となれば安倍政権は吹き飛ぶ。
しかし、世界各国の首脳の前で、福島原発の汚染水は完全にブロックしたと、数値まであげてとんでもない嘘をつく虚言癖のある首相。おそらく何でもやるだろう。民主党、維新の党のそれぞれの議員の籠絡や「民進党」へのダメージ演出、共産党などへのスキャンダルでっち上げなどおよそ考えられることはもちろん、想定外のことさえありうる。それは過剰防衛ではなく、いままでに安倍晋三という政治家総理が行ってきたことの経歴を見れば、油断は絶対にできない。
日本共産党の「一人区」選挙政策は秀逸である。「肉を切らして骨を切る」という言葉の通り、共産党が具体的分析に基づいて細かく選挙区に応じてとり組む戦略は、戦後共産党史において、戦後直後の民主化の闘争、1960年代を画期とする人民的議会主義、革新統一戦線による革新自治体メガロポリス、これらに匹敵する反軍事大国主義のレジスタンスと言えよう。
しかもこの共産党の活躍の背景に、反原発運動連合以来、広範な市民の自立的闘いの拡大と成長がある。若者が大健闘しているSEALDsは全国各地に誕生し、重要な意義を果たしている。子育て中のママさんを名前とした市民の団体など、共産党とは異なる団体が活躍し、市民団体も日本共産党も互いを尊重し理解しあっている。これは戦術論ではなく、すでに1950年代にあった大衆社会論争の土台が、21世紀に入り、個人や個性の成熟した集団の誕生という学問的検討の対象ともなる社会発展が背景にあると私は考える。
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重要参考資料【日刊ゲンダイ】
“3点セット”が逆風に…自民党「北海道5区補選」で大苦戦
2016年3月20日
野党統一候補の池田真紀(C)日刊ゲンダイ
「このままでは負ける」――と、自民党が真っ青になっている。4月24日に行われる“北海道5区”と“京都3区”の2つの補欠選挙。不戦敗の京都3区だけでなく、負けるはずがない北海道5区まで勝利が怪しくなっているからだ。
自民党の直近の調査によると、なんと自民候補と野党候補の支持率は「45対43」の横一線。さらに、農業専門紙の調査では、北海道は「政党支持率」まで「自民17%、民主17%」と並んでいるという。
自民党にとって北海道5区補選は、本来、絶対に負けるはずがない選挙。自民党議員だった町村信孝氏が死亡したために行われる“弔い合戦”だからだ。しかも、自民党は、万全を期して町村氏の娘婿を擁立している。なのに大接戦とは、いったい何が起きているのか。地元の政界関係者がこう言う。
「まず、候補者の差が大きい。亡くなった町村さんの娘婿である自民党候補は、とにかくエラソーで頭を下げない。有権者に会えば会うほど票を減らしています。その反対に、野党統一候補の池田真紀氏(43)は、ざっくばらんで明るく、会った人は皆、ファンになっている。彼女は、介護の専門家。苦労しながら子供を育てているシングルマザーです。エリートである自民党候補と違って、生活感があることが受けているのでしょう」
さらに「TPP、安保、保育園」の3点セットが、自民党を直撃しているという。
もともと北海道はTPP反対が強い。さらに、基地を抱えている北海道5区は、安保問題にも敏感。そこへ、保育園問題が加わった形だ。安倍首相が、保育園不足に困っている母親を冷たく切り捨てたことで、女性有権者はカンカンになっているという。
「危機感を強める自民党は、総裁特別補佐の下村博文氏を現地に張りつけるつもりです。対する野党陣営は、女性議員を連日、送り込む方針。4月24日の投票日まで総力戦になるはずです」(永田町関係者)
もし、北海道5区で敗れ、補選連敗となれば、安倍首相はダブル選挙どころではなくなる。
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