【現代思想とジャーナリスト精神】

価値判断の基軸は自らが判断し思考し実践することの主体であるか否かであると考えております。

四項の人間賛歌~『報道特集』2018/04/07

2018-04-07 18:52:10 | 政治・文化・社会評論
櫻井 智志





公文書の改竄と隠蔽は、民主主義政治を根底から破壊する行為だ。
安倍晋三政権下で、数々の省庁にて、これほど大量の公文書改竄・隠蔽が行われていることは驚くべきことだ。国政統治の正統性を疑う前近代的政治は、国際社会から深く危惧されている。何とも想わないのは安倍総理1人だ。





中国の人権派弁護士の100日を超える不当拘束は、報道もされず今も続く。日本の籠池夫妻の不当勾留日数は、沖縄県平和活動センターの山城博治氏の拘留を超えている。中国も日本も、国民の人権に由来する統治の原理とは無縁だ。個人の生きる権利から構築される思想は、今も実現から遠い。





1万6450人の優生保護法を根拠とする不妊手術の施行。
世界史は極刑や暴虐の歴史でもある。しかし戦後日本で、昭和22年から平成の民主党政権による廃止迄続いた。親の依頼で強制不妊手術を行った医師。精管手術を強制された男性。誰もが後天的に障がい者になり得る事実を忘れまい。
特集タイトルの【障がい者にとっての恋愛と出産】。「息子がいなかったら私は生きていなかった」、64才の女性の言葉が深く重みがある。恋愛や出産が、人にとっての根源的権利であることを踏まえている。そしてつい最近までそれは認められていなかった事実の重さが私に響く。





63年間の長野県松本少年刑務所桐分校。フランスの抵抗詩人ルイ・アラゴンは「まなぶことは、共に希望を語ること」と詩『ストラスブール大学のうた』で書いた。80歳の受刑者は若いときにここ(学校)に来ていたらこんなに犯罪をおかさなかった、と語った。教育と学問の本質を直観する。
長野県の開智学校には、子守学級もあった。中学校本校生が桐分校について語る言葉が心の声としてしみる。人と人とは人間関係でつながる。だが芝田進午氏は歪みや疎外から解放されたコミュニケーションを人間連繋として定義づけた。桐分校でまなぶ受刑者の学ぶ様子に人間連繋の姿を見る。
桐分校の校歌は、長野県信州の自然と人情の深さを象徴するかのように、美しく素晴らしい。




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