もう少しで100歳になる開発(かいほつ)駅。
基本の駅施設は大正10年よりほとんど変わっていないようだ。
今まで何人の利用客が腰かけたのか、温もりのある木製のベンチの威厳。
厳しい気象条件下で黙々と歳月を経てきた年輪を見るよう。
木製のラッチに同化しそうな鉄製集札箱もまた大事なこの駅の生き証人。
元は有人駅なので、時代は下るのであろうがこのような設備を見るにつけ都会の子どもらに
「切符」なる存在を知らない世代がやがて登場するのだろうと感慨に耽る。
昭和に入って造られた、交換施設のひとつである側線ホームはとうに使われなくなったが
こうして近隣の住民に丹精される花の園として第二の人生を謳歌する。
上滝線は、市内線からの直通でLRTの構想もあって現在の姿は近い将来変わってしまうかもしれない。
しかとその約100歳になる駅の記憶をココロに刻んでおくことにする。
2017年10月 地鉄上滝線 開発駅
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