「イチロー、モチベーションが下がることはないの?」
「野球で、ですか?」
「そう。俺、去年ホームラン王がとれてしまったやろ。何かパ・リーグで一番になったことで、次の目標がはっきりしないのよ」
「小久保さん、数字を残すために野球やっているんですか?僕は野球を通じ、胸の奥にある石を磨きあげたいんです。 数字だけ残ったって意味がないと思うんです」
彼は私より二歳年下で、その時二十三歳です。三年連続首位打者に向け驀進中だった彼の言葉に、「穴があったら入りたい」という表現がぴったり当てはまる私がいました。
小久保選手がよく行く立川にある焼き鳥屋さんに、イチローが書いた直筆の色紙が飾ってあるのを見つけました。
「人は必ず障害に出会う。誰もが負けそうになる。そこで頑張れる人間になりたい。前向きな姿勢で夢を持って歩いて行きたい」
チャンスで力を発揮することは難しい。打たなければと思えば思うほど、凡退してしまっていたそうです。それを克服するトレーニングを実施したとのことです。
1)歯を食いしばる 手を強く握りしめる 目を強くつぶる 10秒×3回
2)手が温かい みぞおちの奥の方が温かい 額が涼しい。それを感じることに徹する 10秒
すぐに手に入るようなものは、実を結びません。自分を変えたい、悩みを解消したいと思うなら根気が必要だということです。こつこつ積み重ねること以外、成功への近道はないと言い切れます。
能力開発研究所 志賀一雅博士より
眠りにつく寸前に、その日のあった楽しかったことや満足したことを思い出して眠ることです。その際、心の中で「よかった。ありがとう」と唱えます。満足と感謝の思いで眠るのです。睡眠の質を高めるとのこと。ドーパミンが分泌されやすくなります。
感想
イチローの精神面の強さ、しっかりとした信念があるのを感じました。2歳上の著者はそれを素直に受け入れています。そこに小久保選手の大きさを感じました。
大きな結果を残している人は、地道な努力の積み重ねがあります。
その努力をしている人に女神が微笑むことがあるのでしょう。