幸せに生きる(笑顔のレシピ) & ロゴセラピー 

幸せに生きるには幸せな考え方をすること 笑顔のレシピは自分が創ることだと思います。笑顔が周りを幸せにし自分も幸せに!

「終わった人」 内館牧子著 ”品格のある衰退”

2016-11-22 13:00:12 | 本の紹介
一流銀合の出世街道を同期と競合しながら、トップを走っていた。
支店長、本店の部長を経験した。
そして、200人いた同期がどんどん絞られ、最後の2人に残った。
どちらかが執行役候補になった。
どう考えても、自分の方が優れている。相手は病気で休んだこともあった。
ところが、自分の上司であった、役員が退任し、一方競争相手の上司だった人が役員でさらに増えた。
結局、競争相手が執行役になり、自分はしばらくして子会社の役員に出された。
そして63歳で子会社(数十人の会社)の専務として定年退職を迎えた。

65歳まで残る方法はあったが、肩書もなくなるのでプライドが許せなかった。
十分な老後の生活資金も確保できていた。

最初はすることもなく、暇をもてあまし、友達から「カルチャー教室がよい」と言われ、カルチャー教室に申し込む。
それと老後の体力確保のため「スポーツジム」に申し込む。
それでも何か目標が必要と思い、大学院入学を考える。

スポーツジムの仲間が社長として経営しているIT企業に顧問で入ることになった。
銀行で身に付けた経理を請われてだった。
そこでこれまでの知識・経験を発揮して貢献できていることに銀行時代に味わったやりがいを感じた。

ところが、社長が突然、動脈乖離で亡くなった。
IT会社の役員から、「ぜひ社長になって欲しい」と頼まれ引き受けた。
いろいろと指示をだすことにさらにやりがいを感じた。

ところがマレーシアの取引先のIT企業が倒産した。
その会社との取引は、社長を引き受ける前に始まった新規の取引だった。
3億円の負債が生じた。
社長として、9千万円の負債を抱え、退職金や蓄えから出さざるを得なくなり、老後の資金がほとんどなくなり、手元に1,500万円しか残りませんでした。

家は妻が親から引き継いだ資産でしたので、住むところは大丈夫でした。
しかし、退職金と蓄えは妻の老後の資金でもありました。
妻は、40代後半から美容師の学校に行き、美容師として働いていました。
会社が倒産する前に、自分の美容院をオープンしたばかりでした。
妻は夫の今回の行為をどうしても許すことができません。
夫は、郷里の同級生が行っているNPOを手伝うことで郷里に帰ろうとしますが、妻は東京での美容院の仕事があり、東京が妻の郷里でもあります。

感想
会社を辞めると、それまで**社の自分でしたが、その**社がなくなります。
また、会社で部長していると、**社の部長ということで取引先企業も社内の人も気を使っています。
それをあたかも自分の力だと思っていると、退職した時のギャップを強く感じます。

品格ある衰退
弱くなる自分を受け入れる品格

それを実践することは難しいですが・・・。
今の状況は会社でできたこととは違うことが何かできるので、それを見つけていくことなのでしょう。