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マイナ取得で給食無償、方針撤回 岡山・備前、保護者ら反発 ”適切かどうかの判断ができない市長、他は大丈夫?”

2023-04-05 16:00:32 | 社会

 世帯全員のマイナンバーカード取得を条件に子どもの学校給食費や保育料を無償化する方針を打ち出した岡山県備前市の吉村武司市長が5日、記者会見し、この条件を撤回すると表明した。本年度はカードの有無にかかわらず無償化する。一部の保護者らが「任意であるカード取得を強制しかねない」と反発していた。

 岡山弁護士会も3月、「公平でなければならない教育や行政サービスに合理的理由のない差別を持ち込む」と再考を求める会長声明を出していた。

 市は昨年度は市立小中学校の給食費を全額免除した。本年度はこれらを原則有償に戻し、世帯全員がカードを取得していれば免除する方針を保護者に伝えていた。


感想
 おかしなことをおかしいと判断する常識が備前市の吉村武司市長には欠けているようです。
この市長を継続していると、他でも知らないところでおかしなことしていくリスクが高いように思います。
 賛同していた、市議会常任委員会も市教委もおかしい人の集まりのようです。
でも、希望は市民はおかしくないということです。
次の選挙ではおかしいことをしない人に一票を投じられることではないでしょうか。

子供のうつ病、大人との違いは 小中高生の自殺者数「過去最悪」で対策急務に ”子供は苦しんでいる”

2023-04-05 15:12:55 | 社会

2022年に自殺した小中高校生が過去最多の514人に上った。自殺の原因として多いうつ病は、子供にも発症のリスクがあり、自殺対策としても早期発見と治療が求められている。しかし、日本では子供のうつ病に対する治療法や医療体制が確立しておらず、早急な対応が必要とされている。北海道大学病院の齊藤卓弥特任教授(児童思春期精神医学研究部門)に子供のうつ病の特徴や課題を聞いた。

厚生労働省と警察庁の発表によると、全国で昨年1年間に自殺した人は2万1881人。このうち小中高生が514人で過去最多となり、小学生は17人、中学生が143人、高校生が最も多く、354人だった。小中高生を含む19歳までの1006人のうち、自殺の原因・動機がうつ病とされたのは79人で、学業不振の104人、その他の精神疾患(うつ病、統合失調症、アルコール依存症、薬物乱用、摂食障害以外)の97人、進路に関する悩み(入試以外)の84人に次いで多かった。
「反抗期」として見逃されることも

うつ病は、気分障害の一つで、気分がひどく落ち込んだり、何事にも興味を持てなくなったりし、眠れない、食欲がない、疲れやすいなどの身体症状が現れ、日常生活に支障が生じるようになる。

斉藤教授によると、うつ病を発症すると、大人は元気がなくなったり、抑うつ状態になったりすることが多いが、子供の場合は、イライラしたり、怒りっぽくなったり大人とは違う症状が出ることが多い。そのため、反抗期などと見なされ、見逃されてしまうことも多いという。

また、小学校低学年から中学年ごろの「児童期」と小学校高学年から高校生ごろの「思春期」では、症状が異なる場合もあり、児童期では不安やイライラ、癇癪(かんしゃく)などが見られ、一方、思春期では食欲や睡眠の障害、他者からの非難に敏感になる、自殺行動が増加するといった現象がみられることもある。

さらに、大人以上に別の病気を疾患する併存症が多く、「うつ病とともに、不安症や注意欠如・多動症(ADHD)などの病気を同時に抱えるケースもある」(斉藤教授)という。

子供のうつと自殺が社会問題化し、医療整備などが進む米国でも、子供のうつが認知されだしたのは、1980年代の後半からだという。70年代後半に公開されたRDCという精神医学の診断基準で子供のうつ病が診断されたことがきっかけとなった。

「それまでは、精神分析的な考え方が優勢で、子供は自我の発達が達成されていないということで、うつ状態はあっても、うつ病にはならないとされていた」(斉藤教授)という。

米国小児学会(AAP)は子供のうつに関するガイドラインを作成。自殺予防対策として、うつ病の早期発見、治療につなげるため、12歳以上の子供のすべてを対象としたスクリーニング検査を年に1回行うよう推奨している。

現在は、診断基準として、アメリカ精神医学会が作成する「DSM」とWHO(世界保健機関)が作成する「ICD」などがあり、日本の医療現場でも利用されている。
薬物治療などに課題

うつ病の治療は、薬物治療のほか、認知と行動に働きかけ、思考のバランスを整える認知行動療法や家族など他者との関係性に焦点を当てて治療する対人関係療法などがある。

しかし、斉藤教授によると、海外で子供のうつに有効とされている薬が日本では承認が下りておらず、認知行動療法や対人関係療法についても治験が行われていないため、治療法が根付いていないという。

斉藤教授は、「抗うつ剤は、年齢が低いほど有効性が低くなり、薬が限られる」と言う。国際的にはWHOが「フルオキセチン」を子供のうつ病の必須医薬品としてどの国でも使用可能にすべきものと考えている。米国では子供のうつ病の治療薬として「フルオキセチン」が8歳以上、「エスシタロプラム」が12歳以上に有効だとして承認されている。しかし、日本では、フルオキセチンは承認も販売もされておらず、エスシタロプラムは販売されているが子供のうつ病には承認されていない。

このため、日本では、子供のうつ病の治療の選択肢が少なく、「併存症の別の治療を先に進めたり、家庭や学校などに働きかけてストレスを取り除く『環境調整』をしながら、うつが続く要因を減らしていくのが最大限の治療となり、症状が重い場合には12歳以上にエスシタロプラムを未承認であることを説明の上処方することもある」(斉藤教授)。

ほかにも、児童精神科医の不足の解消や、復学後に勉強や人間関係で取り残されないように支援するなど、さまざまな課題やサポートが必要とされているとし、斉藤教授は「国を上げて子供のうつ病のための医療整備を進めてほしい」と訴えた。

腹痛など身体の不調がサインに

長引く新型コロナウイルス禍では、子供のメンタル面への影響が懸念されている。国立成育医療研究センターが21年12月、全国の小学5年生から中学3年生までの子供2350人(回答率52%)に、郵送で行った調査では、小学5~6年生の9~13%、中学生の13~22%に、病院への相談が望ましい中等度以上の抑うつ症状が見られた。また、うつになっても「誰にも相談せず様子をみる」と答えたのは、小学5~6年生で25~29%、中学生で35~51%だった。

また、身体の不調を自覚する子供ほど抑うつ症状が見られるとし、週1回以上、腹痛があると答えた子供11~18%のうち、51%の子供に中等度以上のうつ症状が見られた。症状のない子供に比べ、10倍多かった。

同センターの社会医学研究部長、森崎菜穂氏は、親の不安感などが子供に影響したり、相談しにくい状況になったりする可能性もあるとし、自分だけで抱え込まず、日本小児科医会が認定した「子供の心相談医」など、外部に早めに相談することが重要だと指摘。「言葉で伝えられない子供も多いので、周囲の大人がSOSのサインを知り、早めに気づけるようになってほしい」と呼びかけた。

【相談窓口】
「日本いのちの電話」
0570・783・556(ナビダイヤル)…午前10時~午後10時
0120・783・556(フリーダイヤル)…毎日午後4時~9時、毎月10日:午前8時~翌日午前8時

感想
 子どもが苦しんでいます。
それを子どもにやる気がないとか言って子どものせいにしている教育関係者がいるようです。いじめられている子が虐められる何かをもっているから。
不登校はやる気がないからとか。
そうではなく、学校に行きたくてもいけないのです。
苦しんでいるのです。
それを放置していると子どもたちの自殺が増えるだけです。
10代、20代、30代の死因トップが自殺の国、日本。
 
何かおかしいのです。
その対策を打てずにいます。

いのちの電話の相談先よりも、チャイルドラインの相談先を載せた方が良いと思います。チャイルドラインでは電話とチャットがあります。

フリーダイヤルで話す 0120-99-7777(毎日 午後4時~午後9時)

「世界を変えて」総理に宛てられた手紙と、命を絶った男の子の叫び "13歳の声"に見る『不登校』のいま ”「聞く力」をPRされる岸田首相の真偽が問われている”

2023-04-05 13:19:13 | 社会

2022年3月、大阪府泉南市で13歳、中学1年生の男子生徒が自ら命を絶った。
彼は担任にいじめを訴えたが、「お前の話は信用できない」と言われ、不登校になっていた。

少し離れた京都市に住む同じ13歳、中学2年生の女子生徒も学校に行けなくなった。
クラスメイトのいじめを目の当たりにし、担任に相談した。返ってきた言葉は「社会で生きるためには我慢しなければならない」、だった。

不登校の中学生はいま、20人に1人。年々増え続け、過去最多を更新している。小中高生の自殺者数も去年、過去最多を記録した。

これ以上、悲劇が繰り返されないように。京都市の女子生徒は、ありったけの思いを岸田総理への手紙に託した。

2人の「13歳の声」に耳を傾けた。
少年が最期に選んだ場所は…

13歳の少年が亡くなった場所
大阪府泉南市。ひと気がない静かな空き地。ここで当時中学1年生だった松波翔さんが、自ら命を絶った。

去年10月、母親の千栄子さん(49)は、息子が最期に選んだ場所を初めて訪れた。自宅から歩いてわずか5分。どうしても行くことができなかった場所だった。翔さんのためにも見ておかなくては、と決心した。

翔さんは母親と兄との3人暮らしだった。亡くなった日の朝、「誰も知らない遠くへ行く」と兄に告げて家を出たという。
相談しても“お前の話は信用できない”

部屋は亡くなった当時のまま
中学1年生の夏休みが明けた頃から不登校だった。当時のままに残されている部屋にある教材には、ペンも挟まっていた。親に言われなくても自分から勉強をする子どもだった。不登校で遅れた学習を取り戻そうとしていた。

小学生時代の翔さん
小学生の頃から正義感が強く、クラスの輪に入れない子がいると、気になって声をかける優しい少年だった。

しかし、小学3年生の頃、2つ上の兄がいじめを受けるようになり、翔さんも上級生にからかわれるように。先生に相談しても真剣に受け止めてもらえず、「お前の言うことは信用できない」と言われたという。次第に学校に居場所を失い、不登校に。小学6年生の1年間は一度も学校に行けなかった。
不登校だった過去を馬鹿にされ“少年院帰り”

母親や兄と仲が良かった翔さん
母親の千栄子さんは、翔さんが小学4年生のときに離婚。愛息を家でひとりにするのが心配で、自らの職場である引きこもりの若者を支援するNPO法人へ一緒に通勤していた。

母親の職場が翔さんの居場所になった
千栄子さんがいつも身につけているブレスレットは、翔さんがお年玉やお小遣いをコツコツ貯めて、プレゼントしてくれたという。母思いの少年だった。

ブレスレットを見ると息子の優しい笑顔を思い出す
夢は、検察官になることだった。司法試験を受けるために勉強を頑張らねばと、中学から心機一転、学校に通うことを決心した。

しかし、入学してまもなく不登校だった過去を馬鹿にされた。「少年院帰り」などという言葉まで耳にした。担任に相談しても、「誰の発言かわからないと指導できない」と言われたという。

中学入学時の翔さん
同じ中学校に通っていた翔さんの兄は、当時の弟をこう語る。

「『先生はいじめも解決できないし信用できない』と弟は言っていました。『自分は変わろうとしたのに大人は全く変わらない。助けてくれない』と話していました」

自ら訴えても届かなかった
夏休みが明けた頃、翔さんは「自分が小学校で不登校だった理由をクラス全員に話してほしい」と担任に伝えた。しかし、できないと言われ、その後、中学も不登校になった。

夏休みが明けた頃から不登校になった
翔さんと千栄子さんは学校や教育委員会に対し、転校させてほしいと求めたが、願いは受け入れられなかった。泉南市教育委員会は、「翔さんがまずは登校できる状態にならないと転校の判断ができなかった」と話し、精神疾患などの診断書があれば、転校の判断ができたとしている。

その後、翔さんは行政や民間の複数の窓口にも自ら訴えていたことがわかった。弁護士会が設けているLINE相談窓口、大阪府の相談窓口、自殺予防の活動をしている団体…。しかし、いずれも解決にはつながらなかった。

弁護士会のLINE相談窓口に送っていたメッセージ
母の千栄子さんは言う。

「翔は自分の中でいろいろ考えて、いろんな大人にSOSを発信して闘っていました。生前、先生や大人のことを偽善者と呼び、次第に生きていても仕方がないと漏らすようになっていきました。母親として、守ってあげられなかったことが悔しいです」

泉南市では、全国でも珍しく「子どもの権利に関する条例」を2012年に制定し、「子どもにやさしいまち」の実現を掲げている。条例が守られているかを検証する市の第三者機関は、「建前だけの条例になっている」と指摘したうえで、学校や教育委員会が翔さんのSOSに向き合っていないと批判する。

第三者機関「泉南市子どもの権利条例委員会」吉永省三会長
「翔君は大人の社会に失望して自ら命を絶ちました。子ども同士のいじめの問題として終わらせてほしくない。大人に突きつけられた課題として考えなければならないのです」(泉南市子どもの権利条例委員会 吉永省三会長)

放置された“少年の死”
第三者機関が翔さんの自殺の経緯を調べるなかで、判明したことがある。教育委員会は、翔さんが亡くなって4か月もの間、その事実を審議せず放置していたのだ。中学校のクラスメイトは、亡くなった事実さえ知らされていなかった。

生徒から担任に対して、「名簿から翔君の名前がなぜ急に消えたのか」「最近見ないけど今どうしているのか」といった声が複数寄せられたという。その都度、担任は「なにも答えられない」と返答していた。

千栄子さんは息子の相談記録などを開示請求した
千栄子さんは去年8月、教育委員会に直接出向き、翔さんと学校のやりとりの記録や相談した内容が記された文書の開示請求を行った。しかし、教育委員会が開示した文書は、名前や日付以外は全て黒く塗られていた。理由は、「調査に支障が出る」(教育委員会)ためだという。

翔さんの「声」はここでも消されていた。
結局、学校が亡くなった事実をクラスメイトに伝えたのは、翔さんが命を絶って半年以上がすぎた去年9月末だった。そして去年10月、中学校の校長と教育委員会の担当者が訪ねてきた。亡くなってから7か月、学校側が自宅に入るのは、この日が初めてだ。

右奥が校長 手前が泉南市教育委員会の担当者
「お母さんの悲しみの深さを思いますとお言葉が出ないのが正直なところ。今回はこうしてまずはお悔やみを申し上げたい」(校長)

千栄子さんは息子の死の真相を知ろうと自らの口で質問を投げかけた。
「亡くなったことをクラスメイトに知らされなかった翔の気持ちをどう考えますか?」
「いじめはあったんですか?」

しかし、校長は同じ言葉を繰り返すだけだった。
「調査に影響が出ますので」
「答えは差し控えさせてください」

今年1月末、泉南市は第三者委員会を設置し、ようやく調査を始めた。翔さんの死から約10か月が経っていた。
“大人”に失望した中学生

千栄子さんにとって翔さんは優しくて頼りになる息子だった
翔さんは亡くなる2日前、「ママには借りがある」と言って千栄子さんの肩をもんでくれたという。母親の前では最後まで気丈に振舞っていた。

「翔の存在がまるでなかったかのようにされてきました。私がこうやって声をあげ続けて、大人に絶望して亡くなった翔の存在を世の中に知ってもらえたら、翔が少しでも報われるのではと思います」(千栄子さん)

一方で、翔さんのようにいじめられている同級生を、救おうとする子もいる。

大阪の隣、京都市に住む大里芽生さん(13)は、周囲から「死ね」などと言われていたクラスメイトを何とかしてあげてほしいと担任に進言したところ、言下に見て見ぬふりをしろと言われたという。

“大人”への失望から不登校になった彼女に対し、学校側が伝えたメッセージはおよそ信じがたいものだった。

“先生の言葉”で不登校に

不登校になって1年以上が経つ芽生さん
大里芽生さんは、高校生の兄と両親の4人で暮らしている。中学1年生の夏休みが明けた頃から学校に行けなくなった。

自分の部屋には、集合写真や名札など小学校時代の思い出の品々を飾っている。小学生のときには先生から「芽生さんのおかげでクラスが明るくなった」とよく言われたという。特に6年生の担任の先生が大好きで、休みの日も通いたい、と思ったほどだった。

希望を胸に抱いていた中学入学時
卒業後は地元の中学校に入学。しかし、入学から間もなく同級生の男の子が複数の女子生徒からいじめられているのを目の当たりにする。

芽生さんの日記
芽生さんは当時の思いを日記に綴っている。

学校でいじめみたいなのがあって、そのまじめな子に『死ね』『いなくなれ』って聞こえる声で言ってる子がいる。私はまじめな子に話しかけられて話してたら『その子は嫌われてるから離れた方がいいよ』って言われる。自分はみてる人になるのか。本当にそれでいいのかわからない。本当にごめんなさい。
芽生さんが日記につづった思い

いじめを見て見ぬふりができなかった
芽生さんは、男の子を助けたいと思い担任に相談したが、「本人は気にしていないから大丈夫」と言われた。その後、何度相談しても、いじめはなくならなかったという。

芽生さんは次第に学校に行こうとすると頭痛や吐き気を感じるようになる。2学期に入り、母親と一緒に相談に行き、教室に入ることが怖いと訴えた。

しかし、担任から返ってきたのは、あまりにすげない言葉だったという。
「社会で生きるためには我慢しないといけない」
「他の学校でもあること」

芽生さんはこの言葉をきっかけに不登校になった。

「『我慢しなくてはいけない』って言われた時に、先生に相談しても何もできない、理解されないと思って諦めたという感じ…。人が死んだらわかる。死なないとわからないんだろうなと思ってしまう」

文部科学省の調査によると、不登校のきっかけとなった理由として「先生のこと」を挙げた生徒は小中学生ともに3割前後に達し、上位を占めた。いずれも、いじめを含む「友達のこと」よりも多い割合だった。

学校に行きたくても行けない

部屋で本を読む芽生さん
新学期になったら学校に行こうと思っても、怖さを感じてしまう。目標を作って一歩踏み出したい気持ちと、不安が入りまじっている。

「(気持ちが)落ちたときに思うことは、自分は周りに迷惑をかけている、学校に行かないことで迷惑をかけるんだったら、自分がこの世界からいない方がよかったのかなと思います。出席日数も必要だから高校受験が不安…」

去年8月末 中学校では新学期が始まった
去年8月、夏休みが明けた新学期。不登校の子どもが学校に通うようになったり、逆に増えたり節目となる時期だ。

2学期が始まっても、芽生さんは学校に行けなかった。母親の肖子さん(55)は落ち込む愛娘に静かに寄り添う。

「大丈夫。大丈夫」

母に優しく見つめられた芽生さんの目からは、涙がこぼれだす。

母と娘2人だけのドライブで、芽生さんは胸の内を話し始めた。

「本当は楽しく学校に行って、楽しく過ごしているはずだったのに、なんでこんな理不尽なことで自分が苦しむの」

募る“学校への不信感”
中学校は取材に対し、「いじめがあったかもしれない。加害生徒には注意をした」と答えた。そして、芽生さんへのメッセージとしてこんな言葉を連ねた。

「まずは学校に来てほしい。少しずつやる気になって、社会で通用する生徒になってほしい」

学校からすると芽生さんは「やる気」がなく、このままでは「社会で通用」しないそうだ。

「責めなくていい」母が優しく語り掛ける
大人や学校に対する不信感は簡単には拭えない。友達と勉強したり、行事に参加したりもしたい。でも、学校は怖い場所。自分を責め、消えてしまいたい、と思ったこともある。

「学校はわかってくれない、理解されない。自分の気持ちは世の中に通用しない。車に飛び込もうとしたときもありました。そのときは、自分じゃないみたいな。もう嫌だなという感じ」

手紙の宛先は…
学校や先生に相談しても理解してもらえない。去年9月、芽生さんはある人物に手紙を出すことにした。届ける先は学校や教育委員会ではない。日本のトップ、総理大臣だ。

岸田文雄総理への手紙は約1600字にもなった。

たいていの先生は、そのいじめられていた子が死んでしまった後に『知らなかった』『調べたけど見つからなかった』『調査した』などと言い訳をし、死んだ子供がいても学校はまた同じことの繰り返しをする。

提案があります。いじめ、虐待などの専門家の人を学校に配置してください。

理由は担任の先生は手が空いてなく、生徒をきちんと見られないからです。いじめている子は、もちろん悪いですが、その子も事情があるかもしれない。ストレスをどこにぶつけたらいいか、わからないかもしれない。なので、いじめてる子にも向き合ってほしいです。

助けてください。他人事にしないでください。未来を照らしてください。この世界を変えてください。お願いします。

芽生さんが岸田総理に充てた手紙
(MBS報道情報局 吉川元基)
※この記事は、MBSニュースによるLINE NEWS向け特別企画です(年齢・肩書は取材当時)。

感想;
岸田首相はこの手紙を読まれるのでしょうか?
もし読まれて、どう行動されるのでしょうか?

岸田首相は自分の強みは「聞く力」とPRされていました。
これまでの言動からは、都合のよいことは聞くが、都合の悪いことは聞かない力のようです。

教育委員会や学校の先生、特に校長先生は、自分のことを優先して、子ども優先ではないようです。

前川喜平元文科事務次官が、校長次第で学校は変わると言われていました。
まさに二人の学校の校長は子どものことを考えない校長と言えるようです。