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南極観測隊の仕事と生活   好きだから、楽しいから

2013-10-31 02:49:53 | ブログ

第53次南極越冬隊長の石沢賢二先生のお話を伺った。

南極点到達では、ノルエーのアムンゼンと英国のスコットが競争した。アムンゼンが勝利した理由には、ルート、犬を多く連れて行ったなどもあるが、何よりもアムンゼンは探検隊になりたかった、スコットは軍人で国家事業として仕事で行った違いがあったのではないか。

南極は日本の広さの約37倍、日本の基地は昭和基地の他にあすか基地、みずほ基地、ドームふじ基地がある。ドームふじ基地は昭和基地から1,000km離れており、雪上車で5km/時で3週間かけて行くが、平均気温-54.3℃である。28か国が基地を設置している。

昭和基地は60棟、隊長1人、観測部門12人、設営部門18人で、業務の8割は地球温暖化に関する調査である。今後は天文観察が大きな役割を果たすのではないかと。医者は2人いるが歯医者はいない。詰め物が寒さのために収縮して外れることがある。

これまでの大きな業績としては、オゾンホールが広がっていることの発見は日本が報告し、フロンガス使用禁止に世界が動き出すきっかけになったと。オゾンホールの広がりは止まり、少し小さくなっている。

食費は2,198円(お酒含む)、バーが3回/週ある。楽器なども置いてあったり、剣道する人もいたりと。部屋は個室。時々部屋から出て来なくなる人がいるとか。

廃棄物は持って帰ることになっており、200トン/年出ており、船が2年間接岸できておらず、ゴミが溜まっていて、油が足らなくなりつつあるとか。昭和基地は湾の中にあるので氷を割って進まないといけないので接岸までが大変だと。

南極で暮らす面白さは、創意工夫の余地が残っている。いろいろな分野を体験できることである。

南極で暮らして思うことは、以下のこと。

1)人間の力では自然にかなわない

2)草木があって、小川の流れる普通の自然は素晴らしい。太陽に生かされている。

3)いろいろあっても家族と暮らせるありがたさ

先生は学生時代から、世界を旅したり、越冬隊として5回、夏隊として2回、好きだからこそできたのだと思います。好きこそものの上手なれと言いますが。

オーロラは最初の1か月は外に出て見るが、1か月過ぎると見ようと思わなくなるとのこと。

昭和基地に多いアデリーペンギンは、巣作り用の石を盗んだり横取りしたり、異性を巡って喧嘩したりする。先生にとってはペンギンは冷酷な眼をしている、臭いから好きではないと。 皇帝ペンギンは17種類の中で一番大きい。130cm、35kg。100日間ずっと卵を温めてその間は食事も摂らない。

南極で隕石が落ちると氷の中なので直ぐにわかる。日本は2010年までに隕石16,836個を発見・採集しており、米国次いで二番目に多く保有している。 

論語に、「これを知る者は、これを好む者に如かず。これを好む者は、これを楽しむに如かず」があります。 

 勉強しよう知ろうと思って学ぶより、好きでやる、それよりさらにやっている時間が楽しいが勝るということです。石沢先生は南極が好きで、現地で楽しみながらお仕事をされたのだと思いました。<o:p></o:p>

 


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