幸せに生きる(笑顔のレシピ) & ロゴセラピー 

幸せに生きるには幸せな考え方をすること 笑顔のレシピは自分が創ることだと思います。笑顔が周りを幸せにし自分も幸せに!

「大人の道徳」齋藤孝著 ”道徳は人間関係のクッション!”

2019-04-26 08:48:08 | 本の紹介
・道徳「相手を思いやる心」、「その社会が設定しているルールを守る意思」

・ビジネスパーソンに必要なスキル「IT、会計、英語」に「道徳」を追加したい。

・道徳の第一原理は「己の欲せざる所、人に施す勿れ」

・法の外側に「道徳」のクッションを作る。
 法を侵さなければ自由に振る舞っていいわけではない。

・「五常」
 仁 自然に湧く真心、愛情
 義 人の踏み行う正しい道理
 礼 他人に敬意を払う態度、礼儀作法、社会規範
 智 物事を知り、その本質を理解すること
 信 言葉と行いが一致すること

・巧言令色
 口ばかりうまく外見を飾る者には、ほとんど「仁」はないものだ。

・「礼」で「心」を制御する。
 挨拶によて、人間関係が整う、そして、人間関係の束である社会が整う。

・文学から「心」を学び人間を理解する。
 ・移り変わる心 「走れメロス」太宰治著
 ・不倫の悲劇 「アンナ・カレーニナ」トルストイ著
 ・ふぜい百人一首
 ・少女愛好という非道徳 「源氏物語」紫式部著 「ロリータ」ナボコフ著

・「駈込み訴え」太宰治著

・三段構えで人間関係はうまくいく
 ①消極的な道徳 ルールを守る。悪いことはしない。
 ②積極的な道徳 異質な他者とも対話をし、社交の関係を築く。
 ③敬遠     どうしても苦手な他者は敬して遠ざける。

・他者とよりよい関係を築くために自分はどう生きるか。
 ・ブッダ「犀の角のようにただ独り歩め」と道を示した。
 ・福沢諭吉「人にして人を毛嫌いするなかれ」と社交を勧めた。
 ・新渡戸稲造「善意」と「チアフル」を心がけた。
 ・不機嫌は罪である。不機嫌でもいいのは赤ちゃんと天才だけ。

・道徳が試されるのは行動時である。

・ルサンチマン(怨恨)から離れよ。

・「知者は惑わず、仁者は憂えず、勇者は懼れず」

感想
道徳のイメージは、国にとって都合のよい人間を作りたいとの思いが戦前の道徳にはあったように思います。
本来の道徳は徳の道。
孔子の「論語」や朱子学での人としてよいやるべきことがベースになっているようです。

相手を思いやる心、これをどう持ちそして実践していくかなのでしょう。
そのためには多くの学びを通して磨かれていくのだと思います。
読書は多くの人の気持ちや感情を知ることにもなるようです。

巧言令色の令は二つの違う意味を持っているようです。
・巧言令色
 口ばかりうまく外見を飾る者には、ほとんど「仁」はないものだ。
この場合は悪い意味になっています。
このまま令和だと和を飾るで実態は和ではないことになります。
「国民を守るために戦争をする」
と言って、多くの国民が犠牲になり、その戦争を決めた人の多くは責任も取らずに生き延びました。
令和時代がそうならないことを願うばかりです。

https://okjiten.jp/kanji686.html#a
「頭上に頂く冠の象形」と「ひざまずく人」の象形から、人がひざまずいて神意を聞く事を意味し、そこから、「命ずる・いいつける」を意味する「令」という漢字が成り立ちました。
①「命ずる」、「いいつける」
②「法令などを世の中に広く知らせる」
③「みことのり(天皇の命令)」、「君主(国を治める人)の命令」
④「のり(法律、規範、おきて)」(例:律令)
⑤「布告書(広く国民に知らせる書類)」
⑥「いましめ(前もって注意する事)」、「教訓(教え)」
⑦「おさ」、「長官」(例:県令)
⑧「よい」、「立派な」、「優れた」 (例:令名)
⑨「他人の親族に対する敬称」(例:令兄)
⑩「皇后、太子、諸侯などの命令文」
⑪「しむ(~させる)」
⑫「しめば(~だとしたら)」
⑬「もし」、「たとい(たとえ)」(例:仮令、縦令)
日本のみで用いられる意味
⑭「とし(年)」(例:年令)

”令和”作成者が”令”は”良い”意味だと言われています。
言葉のイメージは成り立ちや多くの人がどのようなイメージを持っているかに大きく左右されます。
”良い”とのイメージはどちらかというと少ない、あるいは順番としては低いようです。
令和となると和をいいつけるとの意味合いでもとることができます。
そういうのがあるので、ちょっとクールな感覚もあるように思います。

東大祝辞・上野千鶴子インタビュー 「当たり前のことを言っただけ」〈AERA〉 "上野千鶴子さんを入学式の祝辞の講師に呼ぶ見識”

2019-04-25 08:56:06 | 社会
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20190422-00000031-sasahi-soci&p=1 AERA 4/22

上野千鶴子さんが東京大学の入学式で述べた祝辞は、お祝い一辺倒ではなかった。 論議を呼んだ表現に、フェミニズムの旗手が込めた思いを聞いた。

*  *  *
 依頼は昨年末でした。青天の霹靂でしたから、断ろうかと迷いました。イギリスかぶれの角帽ガウンのコスプレも嫌でしたし(笑)。東大の女子学生比率が2割の壁を越えないことがずっと懸案なのは承知していました。女子の4年制大学進学率が48%になり、どの大学も女子学生比率が上昇するなかで、東大だけが増えないのは異常な事態です。なぜ今年度、上野を選んだのか。昨年からの#MeTooムーブメントと、東京医大の不正入試が相次いだタイミングもあったと思います。内部で上野の指名に尽力してくださった方々もおられると聞き、私に与えられた役割を果たそうと考えて、お受けしました。  

 東大執行部がリスクを背負って依頼してくださった。しかも、私が何を話すかは予測できないわけです。もし発言内容に介入したら、私はその経緯をメディアに明らかにするかもしれませんしね(笑)。原稿は事前に総長以下執行部の方が目を通しておられますが、数字の訂正以外、内容への介入は一切ありませんでした。私に期待と信頼を寄せてくださったことに、感謝しています。

──ワイドショーなどで取り上げられ、ネット上では「全然祝辞じゃない」「腹が立つ」「吐き気がする」といった反応も。  

 いつでもどこでも言っている当たり前のことを言っただけで、データも誰でも手に入るものばかりです。反応があるのは想定していましたが、賛否ともその大きさは想定以上でした。  

 性差別を話題にすると、脊髄反射的に拒否感、嫌悪感を抱く男性がいますが、その点では若者もおっさんも変わらない。18歳男子にもちゃんと男権意識は再生産されているんですね。江原由美子さんの研究に、性差別意識が共学校の男・女、別学校の男・女で誰が一番強いかというと別学男子だったというデータがあります。目の前に生身の女子がいない環境で、両親を見て育つ。父親の顔色をうかがう母親を見て育つのでしょう。  

 優等生って、ものすごく不安感の強い人たちなんです。承認欲求も強いから、ほめてもらいたい。私の言葉で不安の根っこを脅かされたから、過剰反応するんでしょう。本当は、反射的な脊髄反応を「待てよ」と押しとどめるのが知性ってもんだけど、それが無いんでしょ(笑)。

──反発した人たちはどこに「不安」を感じたのでしょうか。  

 私は「勝者の不安、敗者の不満」と言っています。勝者って勝ち続けなければならないんです。成績で一番取って、親から「よかったね。頑張ったね」と褒められた直後、「次もね」と言われる。でも、次も一番を取れる保証はないんですよね。

 強者側にいる人たちは、男女平等を言うフェミニズムに対して「弱者であるお前たちが、俺らと同じ強者になりたいのか」と、自分たちの地位を脅かされる不安を感じるんですね。でもそれは完全に誤解です。例えば、妊婦、障害者、子ども、お年寄り。強者になれない人はいっぱいいるでしょ。その人たちに「強者になれ」って言わないでしょ? それに強者だっていつか年をとれば弱者になる。そこまで言ってやらないとわからない。

 フェミニズムに対するもう一つの誤解は、「俺らと同じになりたいわけ? じゃあ女捨ててかかってこいよ」っていうもの。若い女たちも「フェミって男と同じようにふるまいたい女のこと? ばかなおネエさんたち」って思ってきた。おっさんメディアが自分の間尺に合わせてフェミニズムを理解し、間違ったイメージを流通させてしまった。人は自分の器に合わせてしか、相手を理解しないものです。

 私は「強者・弱者」を「差別者・被差別者」と置き換えると分かりやすいと思っています。「フェミニズムは、被差別者が差別者になろうとする思想ではありません」って。差別そのものをなくしたいだけ。そういえば、わかりやすく理解してもらえるんじゃないかな。でも、その差別から利益を得ている人たちもいますからね。

──努力を否定するのか、という批判もみられました。  

 がんばりだけでなく、「がんばれば報われる」と思える、そのメンタリティーそのものが環境の産物であることを忘れないでと伝えました。その裏側にあるのが「どうせ、しょせん、女の子だし」と水をかけ足を引っ張る“意欲の冷却効果”です。そうやって気持ちをくじかれる。足を引っ張られて本当はやりたいことを選択できなかったとしても、ネオリベラリズムのもとで「自己決定・自己責任」の原則は深く浸透しましたから、「結局お前が選ばなかったんだろう」と言われる。東大女子が2割以下なのも「応募者が増えないから仕方がない」と。「自己決定・自己責任」がここ数十年のうちに強く内面化され身体化された結果、自分を責めるほかなく自傷系の学生が増えたという体感があります。

──意欲の冷却効果の逆の例として、マララさんを挙げられた。

「娘の翼を折らないようにしてきた」……彼女のお父さんの素晴らしい発言です。だから、ああいう恐れを知らず、脅しにもひるまない娘ができたのよ。ほとんどの娘たちは翼を折られてきたということの裏返しですね。

──「女子は子どものときから『かわいい』ことを期待され」て、「相手を絶対におびやかさない」よう、いい成績を隠そうとすると指摘されました。

 上智大卒の女性の友人が面白いことを言っていました。英オックスフォード大にいたとき、留学してきた東大卒男子が周りの女子学生を見て「女の人にもこんなに頭のいい人がいるんですねえ」と心底驚嘆したのを見て、「あなたの周囲にいた東大女子たちが、バカなふりをしてきたことに気がつかなかっただけだろう」って思ったって。

 女性がかわいいふりをするのは、「男社会の二流のポジションに一生甘んじます」って宣言するのと同じ。「あなたのライバルに決してなりません」と。

 このやり方は、男性が権力を握る社会が未来永劫変わらないことを前提にしています。男性を見上げて、褒めそやして、おこぼれをもらう。男の自尊心のお守り役、と私は呼んでいます。それが「賢い女」の伝統芸能なのよ。男性優位の社会ではそれが女の生存戦略でしたが、それを個人個人がやっている限り、決して社会は変わらない。個人としての最適解は、困った構造の再生産につながることもあります。セクハラも賃金差別も、個人的な経験が社会構造につながっている。「個人的なことは政治的である」とフェミニズムの考え方を何度でもくりかえし言わなければならない。18歳の学生には、そこがまだわからない。だから大学で女性学をやるのよ。学問は大事です。

 今回の反応でもわかるように、男権社会のメンタリティーは18歳男子の間にも再生産されています。でも、東京医大の不正入試を世論は許さないし、#MeToo運動で政府の高官は辞職するし、上野が東大入学式の来賓祝辞に呼ばれた。数十年前には考えられなかったことです。変化は確実に起きています。

──新入生に行動を起こしてほしいというメッセージでもあったのか。

「私を突き動かしてきたのは社会の不公正に対する怒り」だと言いました。不公正があったらあなたたちも怒っていい、怒るべきだというメッセージですね。

──知を生み出す知「メタ知識」を身につけてほしいと祝辞を締めくくりました。

 文系理系問わず全ての研究者にとって、これは普遍的なメッセージだと思います。総長も教養学部長も同じ趣旨のことをおっしゃいました。正解が出てしまったことをやっても研究の意味はありませんから。そう考えれば、正解が一つしかないような問いを出して選抜試験をやるということ自体が矛盾ですよね。東大生に世界に通用する人になってほしい。エリートになっても、難民になっても、世界のどこかでちゃんと生きていける人になってほしいと思います。(聞き手・白山羊)

感想
上野千鶴子さんの言葉は、なるほどと思いました。
こういうが生かされる社会であってほしい、またそれができる社会であることが嬉しく思いました。

東大ではきっと呼ぶのに喧々囂々があったのではないかと思いますが、強く押された先生方、そして最終判断された学長の懐の深さも日本の希望のように感じました。

昨年は”忖度”の言葉が脚光を浴びました。
公務員でありながら、国民の利益よりも自分の出世や評価を握っているトップの利益を優先してしまうエリートがいることが明るみ出ました。
その人々は罪を問われることがありませんでした。
きっと同じように忖度する人が続くと思います。
そこへのきつい言葉だったようにも感じました。

忖度された方は、何のために誰のために自分が行動したのかと考えられることはないのでしょうか?

河野外相、WTO判断めぐり朝日新聞に抗議 ”どちらが正しく報道しているのかを確認していただきたい”

2019-04-24 09:54:54 | 社会
https://news.goo.ne.jp/article/sankei/politics/sankei-plt1904240004.html 2019/04/24(産経新聞)
 河野太郎外相は23日の記者会見で、韓国による福島など8県産水産物の輸入禁止措置をめぐる世界貿易機関(WTO)上級委員会の判断に関し「朝日新聞だったかが、やや正確性を欠く記事があって、日本産食品の安全性に疑念を抱かせかねないものがあった」と述べ、朝日に抗議した。
 政府は、日本産食品が科学的に安全で、韓国の安全基準を十分クリアするとの紛争処理小委員会(パネル)の認定が上級委員会の報告書で維持されていると説明している。「最終審」の上級委員会に先立つパネルは第1審にあたる。
 朝日は23日付朝刊1面に「政府説明、WTO判断と乖離(かいり)」の見出し記事を掲載し、「日本政府が第一審の判断を根拠に説明している『日本産食品の科学的安全性は認められた』との記載が第一審の判決文にあたる報告書にないことがわかった」などと報じた。
 河野氏はパネルの報告書について「わが国が適切な基準値の設定、モニタリングと適切な出荷制限管理により安全性を確保し、食品中の放射性セシウムの濃度が日本と韓国の基準値を下回ることを認めている」と反論した。
 さらに「上級委員会の報告書には、上訴されていないパネルによる事実関係の評価について意見を述べないことが明確にうたわれている」とも強調した。
 河野氏は「きちんとした報道をしてもらい、日本産食品の安全性に誤った疑念が想起されないよう厳にお願いしたい」と注文を付けた。
 これに対し、朝日記者は質問の中で「科学的に日本の食品の安全が認められた」との表現に関する認識をただしたが、河野氏は「パネルの報告書の文言を読んでもらえれば、日本産食品は科学的に安全であると、科学的な知識のある方は当然に理解できる」と譲らなかった。

感想

どちらが正しい報道なのかをきちんと明確にしていただきたいです。
もし、河野外相の言葉が正しいとすると、どうしてWTOの上級委員会の判断が、日本敗訴になったのかと疑念が浮かびます。
科学的にきちんと安全と検証できるなら、敗訴にはならなかったと思うのですが。
裁判に負けて、私たちが正しかったと言っているだけのように思えてなりません。
きちんと科学データを出して説明して欲しいです。

日産「厳重な処罰求める」ゴーン前会長を刑事告訴 ”会社は一人で自由にできることはない”

2019-04-23 10:10:20 | 社会
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190422-04220377-nksports-soci 日刊スポーツ 4/22(月)
日産は22日までに、会社法違反(特別背任)容疑で再逮捕された前会長カルロス・ゴーン容疑者(65)を東京地検に刑事告訴したと公式サイトで発表した。「業務上必要性のない自己の利益を得ることを目的とする不正な支出であったことが判明した」とし、厳罰を求めた。

日産は21日付で、以下のリリースを発表した。

「当社は、本日までに、カルロス ゴーン元会長について、会社法違反(特別背任罪)で東京地方検察庁に刑事告訴いたしました。今般の刑事告訴は、当社が、当社子会社を介して海外における日産車販売会社に送金した資金が、実はカルロス ゴーン元会長が、業務上必要性のない自己の利益を得ることを目的とする不正な支出であったことが判明したことを受けたものです。このような行為は、会社として到底容認できるものではなく、厳重な処罰を求めるものです」

日産は、その上で「当社として、このような事態に至ったことを大変重く受け止めており、改めて関係者の皆さまに多大なご迷惑をおかけしましたことを深くお詫び申し上げます」(コメントは原文のまま)と謝罪した。

感想
会社は一人で全てを行うことは無理です。
違法な使徒不明金、そのお金の処理をした人、会計/経理の責任者の決裁があったからこそできます。
まさに、ゴーン容疑者の指示に基づいて行動した人が多くいたのです。
それは、会社として”NO”という人がいなかったのです。
今”NO”と言っているのかもしれません。
しかし、もっと早い段階で”Compliance”に厳しく行っていれば今のようにならなかったのでしょう。
トップの指示に従って出世した人々がいたから、ここまで問題になっているのだと思います。
ひょっとして、問題を正すのではなく、ゴーン容疑者の言う、切り捨てられる前に裏切った出来事なのでしょうか?

1942年に日本兵、豪の看護師21人を銃殺する前に何を 真実追求の動き ”戦争が人をおかしくする!”

2019-04-23 10:01:18 | 社会
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190422-47986990-bbc-int BBC News 4/22(月)

1942年に日本兵、豪の看護師21人を銃殺する前に何を 真実追求の動き
ギャリー・ナン、シドニー

第2次世界大戦中の1942年、オーストラリアの女性看護師の一団が、日本軍兵士たちによって殺害された「バンカ島虐殺事件」。いま、一人の歴史研究者が入手した証拠から、ある事象が浮かび上がりつつある。看護師たちは殺害前、日本兵たちに性的暴行を受け、オーストラリア当局がそれをひた隠しにしてきたというのだ。

「この真実を発掘し、ついに公表するには、複数の女性の力が必要だった」

軍事史を研究するリネット・シルヴァーさんがこう言う「真実」とは、1942年2月にインドネシア・バンカ島で、海の中へ歩かされ、機関銃で銃撃されたオーストラリア人看護師22人の身に起きたことを指す。看護師たちは1人を除いて全員殺された。

「それだけでぞっとした。でも、殺害前に強姦されていたなんて、語るにはむご過ぎる真実だった」。シルヴァーさんは、新著で詳しく書いた証言について、こう話す。

「オーストラリア軍の高官たちは、悲しみに暮れる遺族たちに、家族が強姦されていたという不名誉を与えたくなかった。恥ずべきことだと思われていたので。レイプは死よりもひどい運命と考えられ、ニュー・サウス・ウェールズ州では1955年まで(加害者が)絞首刑による極刑で処罰されていた」

唯一の生存者看護師のヴィヴィアン・ブルウィンクルさんは、虐殺事件で体に銃弾を受けたが、死んだふりをして生き延びた。ジャングルに身を隠し、やがて戦争捕虜となり、のちにオーストラリアへ帰国した。

第2次世界大戦後に開かれた東京裁判では、ブルウィンクルさんは強姦について「話すのを禁じられた」と、シルヴァーさんは言う。ブルウィンクルさんは2000年に死去したが、何があったのか、テレビキャスターに伝え残していた。シルヴァーさんが今回調べたのは、その内容だ。

「ヴィヴィアンは命令に従っていた」とシルヴァーさんは言う。「(強姦被害について黙ったのは)タブーというのもあったし、オーストラリア政府には多少の罪悪感があったのだろう。政府高官は、1942年の香港侵攻の際、日本兵がイギリス人看護師たちをレイプし、殺害したのを知っていた。それなのに、オーストラリア人看護師をシンガポールからなかなか避難させなかった」

オーストラリア政府によれば、虐殺の実行者は今も特定されず、「罪について何も処罰されていない」。

オーストラリア国防軍の報道官は、この性的暴行の訴えについて新調査に着手するかは、政府の判断次第だが、関係者の家族が、こうした犯罪調査の担当部署に「歴史的な新証言を提供することはできる」と説明する。

何が起きたのか調査シルヴァーさんのほかにも複数の女性が、看護師たちへの性的暴行の証拠を発掘した。テレビキャスターのテス・ローレンスさんと、伝記作家のバーバラ・エンジェルさんだ。

エンジェルさんは、ブルウィンクルさんが着ていた看護師の制服に残された、色違いの糸と銃弾の穴について調べた。

その結果、上半身のボタンがいったん引きちぎられ、後に(ブルウィンクルさんの死後、制服が展示された際に)、そこだけ違う色の糸で縫いつけられた様子がうかがわれた。

さらに、制服の2カ所に残る銃弾の痕(銃弾が入った時の穴と出た時の穴)がぴったりそろうには、ブルウィンクルさんの制服は腰のあたりで開かれ、前の部分が下がっていたはずだということも浮かび上がった。

ローレンスさんは2017年、ブルウィンクルさんから生前に打ち明けられたという話を報じた。それは、「ほとんどの」看護師が銃殺される前に「暴行された」という内容で、ブルウィンクルさんは、そのことを公表したかったができず、秘密はブルウィンクルさんを「苦しめた」と言っていたという。

シルヴァーさんはこのほか、バンカ島でマラリアの手当てを受けていた日本兵の証言にも言及している。その兵士はオーストラリアの調査官に、当時、悲鳴を聞いたと話した。また、兵士たちが「海岸で楽しんでいるところで、次は隣の小隊の番だ」と聞かされたと証言していた。

シルヴァーさんはさらに、看護師たちに起きたことの詳細を記録した文書から、重要な証言部分が抜き取られていたことも発見した。検閲があったとシルヴァーさんはみている。

その証言はジーン・ウイリアムズさんによるもので、東京裁判の豪州戦争犯罪局のために夫のハロルド・ウイリアムズ少佐がどのような調査を実施したかという内容だった。

豪ニュー・サウス・ウェールズ大学のピーター・スタンリー教授(軍事史)は、シルヴァーさんの主張は決して意外ではないと話す。

「この話が表に出るのをずっと待っていた。長年、うわさされていたし、ヴィヴィアンさんを知る元女性兵ちが私に話してくれたこともあった。第2次世界大戦中に香港やフィリピン、シンガポールで記録された、日本兵による性的暴行とも一貫性がある」

軍の「人気者」シルヴァーさんによると、オーストラリア人看護師たちは、虐殺される前の1941年までシンガポールで「何の悩みもない、幸せな人生」を送っていた。

「看護師たちは軍の人気者で、食事や酒をごちそうしてもらっていた」とシルヴァーさんは言う。「看護師たちは、平時の軍隊にありがちな、訓練中の事故や、自動車事故、マラリアといった問題に対応していた」

1941年12月8日、日本軍は真珠湾攻撃の数時間前にシンガポールに侵攻した。それを機に、看護師たちの人生は一転したとシルヴァーさんは言う。「看護師たちは、戦闘による負傷者の多さに圧倒された。シンガポールでは民家も病院として使われた」。

ブルウィンクルさんが1945年と1946年に話したいと思っていた「ありのままの真実」を伝えるのは、重要なことだとシルヴァーさんは言う。

「もし私がこの秘密を語らなければ、私自身も、沈黙の風潮と政府の圧力に加担して、加害者を守ることになってしまう」とシルヴァーさんは言う。「看護師たちの話を語る必要がある。それでやっと、彼女たちの正義が実現する」。

シルヴァーさんのもとには最近、看護師たちを個人的に知っているという人たちからメールが届くという。「寝た子を起こすなと言われるのではないかと少し心配していたが、私をけなすような内容のメールは1通も受け取っていない」。

オーストラリア戦争記念館(AWM)には、すでに看護師たちの虐殺についての展示はある。しかしシルヴァーさんは、性的暴行の訴えがあることも展示に反映してもらうよう希望している。

AWM館長のブレンダン・ネルソン博士はBBCの取材にこう述べた。「私たちは訴えを否定も軽視もしない。実際、戦争ではレイプや性的暴行が武器として使われることは知られている。しかしながら、事件の唯一の生存者であるブルウィンクルさんは約20年前に亡くなっていて、何が起きたのかわからないし、今後も確実に知ることはできない」。

#MeTooと比べて

シルバー氏は性暴力被害への連帯を示す世界的な「#MeToo」の運動を意識しながら、次のように言う。「問われている社会的道徳観は同じだ。女性は何か発言したくても、待つよう強いられていると感じてきたし、犠牲者として責任があると思わされてきた。#MeTooはヴィヴィアンに、ついに告発する自信を与えただろう」。

「女性の歴史作家は一般的に、どれだけ銃が使われたかよりも、人間的な要素に興味を引かれる。女性は共感力がある」

今回の証拠を発掘した3人の歴史研究者が3人とも女性だったことが、そのことをよく示しているとシルヴァーさんは言う。「歴史(history)が『彼の話(his-story)』として語られるのをずっと聞いてきた。今回はその反対だ」。

(英語記事 A WW2 massacre and revealing 'an awful secret')

感想
戦争が人をおかしくしてしまうのでしょう。
自分がいつ死ぬか分からない不安と恐怖!
それをごまかすため、女性を強姦など。
ホルモンでの性欲求もあるでしょう。

https://blog.goo.ne.jp/egaonoresipi/e/4efc4faf2627465d6e9190a0051ca90e
「生きている兵隊」 石川達三著 ”戦争は国民に知らせないことから始まる”

石川達三氏が中国南京などを訪問した体験記から「生きている兵隊」を執筆し、中央公論で出版されました。
当時は、言論弾圧があり新聞も含め出版物は全て規制されていた。
たとえば中国娘を殺害する場面、弾丸にあたって瀕死となった母親を抱いて無く続ける娘を、日本兵たひははじめかわいそうに思いながら、
夜通し泣き続ける声に次第に苛立ってくる。ひとりの一等兵が銃剣を抱いて駆け出す。
「えい、えい、えいッ!」
まるで気が狂ったような癇高い叫びをあげながら平尾は・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・あたりを・・・・・・・・・・・・・・・・・。
他の兵も各々・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・まくった。ほとんど十秒と・・・・・・・・・・・・。
平たい一枚の  (空白の二文字は蒲団)のようになってくたくたと・・・・・・・・・・・・。
興奮したへのほてった顔に・・・・・・・・・・・・・・・・・・むっと暑く流れてきた。

と検閲で問題になるか所は伏字として出版された。ほかにも、日本兵が慰安所に繰り出す場面などに、空白がある。
それでも発刊禁止なった。しかし、伏字のものが一部で回った。
そのため、石川達三は召喚され取り調べを受け、禁錮四カ月執行猶予三年の罪になった。

今回、伏字がないものを読んでみました。
問題と思われる箇所を下記にあげます。

・捕虜は足手まといになるので、公には言われていないが、その場で射殺するようにしている。
・12歳の中国人少女がいた。通りすぎたら後ろからその少女がピストルで撃って来た。直ぐにその少女を射殺した。
 小さくても女性でも誰が撃ってくるかわからないため、殺す対象になってしまう。
・寒かったので、殺されたばかりの中国人の温もりで暖を取った。
・母親を殺されて夜中ずっと泣いている少女がいた。その鳴き声がうるさくて、射殺した。
 静寂が戻ったが、その静寂が返って射殺した者の心を苦しめた。
・兵士が服を着替えて民間人に混じって逃げようとしていた。民間人と兵士の区別がつかない。
・現地で食料を調達するようにとの命令が出ている。
・中国人女性の慰安所が出来ていた。敵国兵士(日本人)相手に、30分/1人で相手をしていた。
・中国人の女性がいた。欲望があり、女性を裸にした。
 しかし、裸にする言い訳が必要だったので、スパイかもしれないからと付け足した。
 暗号のような数字の書いてあるメモを持っていたので、銃剣で胸を突き刺して殺した。


上記の箇所は伏字(*****)となったりした箇所だと思います。
伏字が多くても結局出版禁止になり、石川達三氏や出版会社の関係者が逮捕され、罪を問われました。
戦争は人を悪魔にもしてしまいます。相手を殺さないと自分が殺されてしまいます。
また、上官の命令で捕虜の殺害をしなければなりません。
しかし、戦後の裁判で捕虜を殺害したとしてC級戦犯が処刑されました。
その人は捕虜を殺害したくなかったのです。しかし命令に背くと処刑されます。
戦争は人を悪魔にしてしまいます。決して戦争をしない。それ以外の道を探らないといけないのです。

兵士を悪魔にしてしまう戦争。
その戦争を行ったのは政治家のトップでした。
日本人は自ら戦争責任と問うことはなく、占領国による東京裁判でA級戦犯とされた人々が戦争の責任を負ったことになります。
それを許した、あるいは支持した人がいたからでしょう。