平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

家族ゲーム~監禁・ゲーム・嘘メール・暴力……見ていてつらい問題作

2013年04月18日 | ホームドラマ
 体罰が社会問題となっている現在、よくこの作品をやりましたね。

「こんな世界にも希望はある。でもな。現実は、お前が思ってるよりよっぽど残酷なんだ。だから強くなれ」
 茂之(浦上晟周)を強くするために、吉本荒野(櫻井翔)は〈負荷〉をかける。
 賭け勝負・監禁・嘘メールで友達を信頼させておいていきなり梯子を外す……。
 それらは茂之が学校で受けていたいじめなどよりはるかに思い負荷。
 より強い負荷をかければ、学校でのいじめの負荷など跳ね返せるようになるというわけだ。

 だけど、こんなやり方でいいのだろうか、と僕は思ってしまう。
 たまたま茂之は強い子で、吉本も茂之なら大丈夫だと考えて負荷をかけたんだろうけど、親友の園田の言葉を信用して学校に行ったら、いきなり「俺があんなコメントすると思うか? 全部家庭教師の仕業だよ」なんて言われたら精神が崩壊しますよね。
 茂之はそれを怒りという形で吉本にぶつけたからよかったけれど、弱い子なら、その場で自殺してもおかしくない。

 僕はつらい現実があったら逃げろという立場なので、やり方としては『35歳の高校生』の馬場亜矢子(米倉涼子)のような、となりにいて〈寄り添ってあげること〉の方が好きですね。
 吉本がやっていることは、柔道の体罰コーチがやっていることと同じ。
 というより体の痛みでなく、精神的に痛めつけている分、より陰湿。
 痛めつけている対象が子供だから尚更つらい。
 この作品の製作者が、「現在の体罰批判の風潮は間違っている」と主張したいのならいいのですが、果たしてそこまで考えてこれを作っているのかどうか?

 物語としては『家政婦のミタ』を意識した家族の再生もの。
 頭のおかしな家庭教師がやって来たというホラー物であるのなら、ホラー物として見ればいいのでしょうが、作品の狙いは違うようです。


コメント (8)
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