平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

幽かな彼女~教師もの×幽霊 しかしストーリーは定番

2013年04月10日 | 学園・青春ドラマ
 教師もの×幽霊
 企画は<既にあるもの>に何をかけ合わせるかで決まる。
 最近の例では『悪夢ちゃん』。
 この作品は、エピソードが学園ものから外れてしまった回もあったが、設定で新しさが出ていた。
 では今作は?
 展開が定番で、破綻がなく、まったり楽しむ分にはいい感じですかね。
 あとは、神山暁(香取慎吾)の配色が凝った上下のファッションや河合千穂(前田敦子)の脚を見せるファッションを楽しんだり、神山が住んでいるアパートの雰囲気・デザインを楽しんだりするのもあり。
 教室の生徒達の中に将来の原石を探すのもあり。

 ただ、従来の教師ものと少し違うのは、こんなせりふを言わせているところ。
 モンスターペアレンツの母親について「かっこ悪い」という女生徒に対して
 霧澤和泉(真矢みき)はこう答える。
「逆よ。 どんなにかっこ悪くても、お母さんはあなたを守りたかったの」
 従来の作品なら、このせりふは言わない。
 モンスターペアレンツの母親をステロタイプとして描いて終わる。

 あとは神山が不登校の相田拓途(神宮寺勇太)に言ったせりふ。
「担任になったばかりで信じてくれとは言わないけど、俺は見ているぞ!」
 ポイントは「担任になったばかりで信じてくれとは言わないけど」とつけ加えているところ。
 従来の熱血教師なら「俺は見ているぞ!」と熱く語って終わる。
 しかし神山は「信じてくれとは言わないけど」と、覚めた客観的な目で、自分と拓途の関係をとらえている。
 これで神山がクールに物事を見られる現実主義者で、単なる理想主義の熱血教師でないことがわかる。

 このように一瞬「なるほど!」というシーンがあるこの作品。
 しかし物語の素材が<不登校>や<モンスターペアレンツ>っていうのは、やはり従来の教師ものの域を出ていない気がします。


コメント
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