平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

八重の桜 第15回「薩長の密約」~桔梗の紋のみで登場する坂本龍馬

2013年04月15日 | 大河ドラマ・時代劇
 今回は歴史の描かれ方について考えてみます。
 第二次長州征伐
 ここでは戦闘シーンはなく、容保(綾野剛)が政治的に語り、覚馬(西島秀俊)たちが「薩摩の影」と「新式鉄砲の大切さ」を戦況と共に語り、八重(綾瀬はるか)たちは不安を語った。
 第二次長州征伐を<権力者の視点>、<現場の視点>、<市井の視点>で語った感じだ。
 制作費削減と言ってしまえばそれまでだが、こういう描かれ方も悪くない。
 何と言っても歴史は人間のドラマなのだから。

 坂本龍馬の扱いも面白い。
 薩長同盟。
 今までの幕末ものなら国民的人気の坂本龍馬を登場させて盛り上げる所だが、今作はそれをしない。
 ナレーションで「土佐の脱藩浪人の仲介で行われた」と距離を置いて客観的に語り、龍馬の姿は、桔梗の家紋のみを見せる後ろ姿のみ。
 この描かれ方を見て、この作品の脚本・山本むつみさんのこだわりと筆の抑制を感じた。
 会津の視点を中心に描くこの作品では、坂本龍馬は「土佐の脱藩浪人」でしかないのだ。
 龍馬をあくまで「土佐の脱藩浪人」で留めておいて、それ以上に踏み込まない。
 会津の群像を描かなくてはならないため、龍馬に割く時間がないと言ってもいいかもしれない。

 こうしたこだわりは随所に。
 新選組でも踏み込んで描かれるのは、斉藤一(降谷建志)。
 理由は斉藤が明治になっても生き続けるからであろうが、近藤、土方の影は薄い。
 おまけに新選組に対抗する佐川官兵衛(中村獅童)率いる「別選隊」をクローズアップしている。
 また、権力者パートでも描き込まれているのは、今まであまりスポットの当たらなかった松平春嶽(村上弘明)。
 しかし、今作の描写で春嶽が裏でいろいろ画策していたことがわかる。

 最後は会津の八重(綾瀬はるか)たち。
 今回のメインテーマは<不安>。
 幕府軍の苦戦、事実上の敗戦、将軍・家茂の死……。
 八重たちのもとにはさまざまな不安な知らせが届く。
 身近な所では作物の不作、極めつけは火事。
 前半の、柱で背を測る正月の風景とは180度違うという点で八重たちの不安が伝わってくる。


コメント (6)
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