平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

西郷どん 第28回 「勝と龍馬」~俺が斉彬様だったらこう言うね。もう幕府なんか見限るこった ←勝カッケー!

2018年07月30日 | 大河ドラマ・時代劇
 長州征伐のお役目を慶喜(松田翔太)に求める吉之助(鈴木亮平)。

 そうなんですよね。
 自分の思いや理想を実現するには〝力〟や〝地位〟が必要。
 薩摩のただの下級武士が何かを訴えても誰も耳を傾けてくれないし、動いてもくれない。
 この点で吉之助は戦略的になったと言える。

 さて、吉之助が目指したものとは、被害少なく、事をおさめることだ。
 大規模な戦争になったら街が焼け、民が苦しむ。
 政治家の役割って、これなんですよね。
 民を飢えさせ、国土を焦土にした昭和の戦争指導者は本当に愚か。
 で、昭和の戦争指導者がなぜ国土が焼け野原になっても戦争を続けたかというと、自らの保身と国体の維持。
 吉之助が生きていたら、昭和の戦争指導者たちに慶喜に説いたのと同じことを言うだろう。
「国とは生きたいと思う者の集まり。生きたいと思う者を守るのが政治の役割」
 ……………

 慶喜はどこで変わってしまったのだろう?

 昔は、徳川家なんかどうでもいい、将軍争い(=権力闘争)なんかまっぴらだ、のスタンスだったのに、今は徳川家の存続と威信にこだわっている。
 ひいさまだった頃の慶喜は粋でカッコ良かったのに。
 将軍後見職という立場が彼を変えてしまったのか?

 ふき(高梨臨)も昔の慶喜が好きだったなんだよな。
 長州征伐のことでは激しく意見を言ったし、今の慶喜には違和感を抱いている。

 吉之助もふきと同様の違和感を抱いていて、今回ラストで、脇差しを畳に突き刺してこう言った。
「昔の縁もこれまででございもす」

 信じて頼りにしていた吉之助に三下り半を突きつけられた慶喜。
 慶喜ははやく背負っている荷物を下ろした方がいいな。
 彼には徳川家という荷物は重すぎる。
〝軽さ〟こそが慶喜の本領であり魅力。

 今回は勝海舟(遠藤憲一)が登場しましたね。
「俺が斉彬様だったらこう言うね。もう幕府なんか見限るこった」
 幕臣なのに、この発言!
 勝は幕府にこだわっていない。
 おそらく幕府の存続にこだわる慶喜と対をなす、対照的な人物として設定されているのだろう。
 勝には、慶喜がかつて持っていた〝軽さ〟がある。

 とはいえ、勝や吉之助と慶喜とでは背負っているものが全然違うんですけどね。
 慶喜に笑顔が戻るのは、将軍職から解放され徳川家がなくなった明治の世になった時だろう。

コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする