平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

どうする家康 第38回「唐入り」~秀吉の狂気と衰え、家康の怒りの諫言、義昭の酔生夢死、茶々の深い心の闇

2023年10月09日 | 大河ドラマ・時代劇
 その気になれば徳川など簡単に潰せると脅す秀吉(ムロツヨシ)に家康(松本潤)は言う。
「かつての底知れぬ怖さのあった秀吉ならばそんなことは口にすまい!
 目を覚ませ! 惨めだぞ、猿!」

 確かに秀吉は弱くなった。
 堪えることができなくなり、感情のままに行動するようになった。

 そこへ酔ってやって来る昌山・足利義昭(古田新太)。
 権力者が陥る万能感ついて語る。
「まわりが良いことしか言わないからじゃ」
「遠慮なく厳しいことを言ってくれる者がおってどれだけ助かったか」
「てっぺんはひとりぼっちじゃ。信用する者を間違えてはいかん」

 この秀吉→家康→義昭の流れ、素晴しい! 神展開だ!

 狂気と弱さを表現したムロツヨシさんの演技!
 メリハリのある松本潤さんの演技!
 入って来ただけで場の空気を変える古田新太さんの演技!
 大河ドラマを見る愉しさはこういう所にある。

 仲の高畑淳子さんといい、茶々の北川景子さんといい、
 今回は役者さんが芝居をした回だった。
 実に見応えがあった。

 ちなみに権力者になると本当に物事が見えなくなるようだ。
 岸田首相しかり。
 経団連の十倉会長しかり。
 国民皆保険をなくすと発言した経済同友会の新浪会長しかり。
 だからこそ批判することは大事なのだ。
 現に新浪会長は批判を受けて、先程の発言を訂正した。
  ………………………………………………………………………

 昌山・足利義昭は『酔生夢死』の境地に達したようだ。
 酔って夢うつつで楽しく生きる。
 人生はそれだけで充分。
 他に何も要らないし、求めない。

 秀吉は仲の最期の言葉で迷い始めている様子。
「すまなんだ。息子が皆に迷惑かけて。」
「腹いっぺえ食べてえと言っていたのに何も与えてやれなかったでよ」
「息子は自分が何が欲しいのかわからんようになってしまった」
 秀吉が本当に求めていたものは何か?
 腹いっぱい食べることなのか?
 家族なのか?
 愛なのか?

 茶々は圧巻の悪女ぶり。
 家康に対して
「父と母を死なせた男の妻になっていることがつらい」
「徳川様は父であったかもしれないお方。
 父上だと思ってお慕いしてもよろしうございますか?」
 この誘惑は阿茶の局(松本若菜)によって見破られてしまうが、
 茶々の心の闇は深そうだ。

 そして次回予告の茶々・淀君の衝撃的な言葉──
 秀頼は秀吉の子ではなかった!
 こんな悲惨を聞かされて死んでいく秀吉は地獄だろう。
 それは次回。

 次回も見事な芝居合戦が見られそうだ。

コメント (4)
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