平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

「保守」とは何か?~都知事選・田母神俊雄氏の発言から考える

2024年06月22日 | 事件・出来事
 東京都知事選の立候補者討論会。
 立候補者の田母神俊雄氏の発言が「保守とは何か?」を考える上で、
 面白かったので紹介していきます。

 保守を名乗る小池百合子氏との違いについて
 田母神氏、いはく
 保守には二種類ある。
『伝統的保守』と『戦後保守』だ。
 自分は『伝統的保守』であり、小池百合子氏は『戦後保守』。
『伝統的保守』とは、対米従属でない「一国独立」。戦前の価値観を大事にすること。
『戦後保守』とは、対米従属を含めた戦後の価値観を守ること。

 明解ですね。
 本当の保守とは田母神氏の言う保守だ、と僕も思う。
 しばしば「保守」を名乗る人が「老人を切り捨てろ」みたいなことを言うけど、
 年長者を敬い、大切にするのが「保守」だから。
「老人を切り捨てろ」というの新自由主義者の発想。

 神宮外苑開発について
 田母神氏、いはく、
 反対。
 明治神宮は外苑も神聖な場所である。
 外苑は、明治天皇と昭憲皇太后のために全国から献木されて植樹された場所。
 決して伐採してはならない。

 これが「保守」なんですよね。
 伐採もそうだが、マトモな保守なら明治天皇と昭憲皇太后を祀った場所の隣りに
 巨大高層ビルを建てるなど、もっての他と考えるはず。
 100年前の日本人の思いを無碍にして外苑を再開発しよう、という「経済優先」の発想は、
 これまた新自由主義の発想である。
 ちなみに小池百合子氏は神宮外苑を単なる「人工林」と認識していた模様……。←保守がこれかよ!

 46億円の都庁プロジェクションマッピングについて
 田母神氏、いはく、
 廃止。
 そのお金を困っている都民のために使いたい。

 これぞ「保守」の発想。
 政治は民のためにあるべきだ。
 戦前の保守は、民を顧みない腐敗政治家と財閥を糾弾した。
 戦前の保守なら、政治家と電通(プロジェクションマッピング)や外苑開発(三井不動産)との癒着を追及してるだろう。
 それなのに現在の保守を名乗る連中は──
 大企業と結託している腐敗政治家を責めない。それどころか擁護する。
 
 というわけで、「保守」を考える上で、田母神氏の発言は面白かった。
 
 田母神氏の主張は一貫している。
 関東大震災での「朝鮮人虐殺追悼式典」に出席するかと問われれば、
「出席しない」「追悼文も送らない」とキッパリ発言し、持論を滔々と述べる。
 一方、小池百合子氏は、慰霊は他でもやっているから、と誤魔化している。

 腹が据わってないよな、小池百合子。
 僕は田母神氏とは反対の意見だが、
 誤魔化す小池百合子よりキッパリと言う田母神俊雄の方が人して好きだ。


※関連動画
 ライブ【東京都知事選、公開討論会@日本記者クラブ】(YouTube)
 外苑開発などで、他の三候補から責められる小池百合子。
 小池百合子、パワー落ちたな。
 街頭演説もせず逃げまわっているみたいだし。


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6 コメント

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蓮舫さんを応援します (半沢)
2024-06-22 17:16:05
コウジさん今日は
記事の作成お疲れ様です

此の方は右翼的なんでしょうけど…
色々ありますが私は好きではないです。そう靖国参拝後に街頭演説した
そうですよね田母神氏。 如何にもと言う感じ
此の施設は戦争を美化しA級戦犯も祀られている悍ましい場所です。そんな所に
参拝するような人は信用できません。
此の方、福島県出身のようですが会津藩は受け入れません
ま、会津藩と言っても今は色んな地域に過ごしていますのでどうでもいい
と言えばどうでもいいですが…
返信する
田母神氏の限界 (コウジ)
2024-06-23 08:44:33
半沢さん

いつもありがとうございます。

半沢さんの考え方だと、おっしゃるとおりになりますよね。
朝鮮人追悼式典拒否・靖国参拝──
このあたりは田母神氏の右翼としての限界だと僕は考えます。
たとえば、よりまっとうな右翼の一水会などは靖国を否定しています。
なぜなら昭和天皇がA戦犯を合祀した靖国を否定しているから。

ただ、ブログ本文でも書きましたが、人としては小池百合子氏よりは信頼できます。
きれいごとを並べて本音を隠す人物より、敵を作っても正直に自分の考えや思想を語る人物の方がよほどマシ。
だから国民民主の玉木雄一郎氏にも僕は否定的なんですよね。
返信する
好き嫌いで言ってはいけないとは思いますが ()
2024-06-23 11:02:10
「保守」という言葉の意味は広いですよね。
今回の2種については、なるほどと思いました。
ちなみに、国語辞典(旺文社:新訂版が1973年なので古いです)では、「旧来の在り方や伝統を尊重すること」⇔「革新」とあります。
 「旧来」というのがいつを想定するかにも依りますが、まあ《伝統を大事にする》が基本的概念でしょうか?
 そう考えると、神宮外苑開発は伝統や文化(人の思い)を軽んじる「非保守」ですね。

 で、田母神氏ですが、印象で言うのはダメだと思いますが、怖いです。右翼と言うか軍国主義の気配を感じます。と言っても、私は氏の事を良く知りません。ただ、そういう気配を感じます。気配だけで、右翼っぽいとかいうのはダメだと思いますし、「右翼」を否定するつもりもありません。(「右翼」についても言及する知識がないのです)

 で、本題は小池氏です。
 もちろん、氏の人格や思想について本当のところは知り得ていないので、書くのは憚られますが、それでも、キャスター(この時代のことはほとんど知りません)、国会議員、都知事と露出度が高いので、ある程度、氏の生き方については想像できます。
 でも、今回は好き嫌いという感情で書きます。
 氏の生き方は嫌いです。力のある人物(組織)に摺り寄り、それを利用して力を得る。…それの繰り返し。
 《自分をいかに輝かせるか》の才能・手腕はすごいと思う。
 上記の才能は個人的には好きではありませんが、その才能を日本や都民の為に活かされるのなら、文句は言えないなあと。
 でも、《自分が舞台の中心にいる》ことが主目的であるように感じてしまうのです。

 今回のコメントでは、かなり感覚的な書き込みをしてしまいました。もともと、感覚的、感情的な人間ですが、自分のブログでは、記事執筆動機が感情的ではあっても、なるべく、客観的な視点を入れて書くようにしています。それでも、独善的だとは自覚していますが。
 今回は、コウジさんのブログのコメント欄で毒を吐かせていただきました(自分のところではそれを避けたいです。自分勝手な奴です)。
 もちろん『平成エンタメ研究所』は私のところよりメジャーなので、人の目に触れる可能性は大きいです。もし、問題ありと判断されれば、削除してください。コウジさんに読んでいただければ、それでいいと思って書きました。
返信する
三島由紀夫・西部邁・鈴木邦夫 (コウジ)
2024-06-23 11:59:47
英さん

いつもありがとうございます。

安倍晋三氏の登場で、「安倍氏=保守」と考える人が増えました。
で、安倍氏とは何だったかと言うと、「戦後保守&新自由主義者」だったと僕は考えます。
まあ、保守(=旧きを守る)と新自由主義(=すべてを壊す)が両立してしまう所がすごいのですが……。

右翼に関しては、僕はだいぶ許容範囲が拡がりました。
それは映画『三島由紀夫VS全共闘』を見たせいですが、三島由紀夫・西部邁・鈴木邦男(一水会)氏らの思想については一理あると考えています。
三島と全共闘が一定の理解をし合えたように。
なので僕の評価では、三島・西部・鈴木>田母神>戦後保守・will、HANADAを読む人たち(門田隆将・一色正春など)です。
平成になって、思想化・理論化されていない保守・右翼が増えました。

まっとうな保守を知るためには、政治学者の中島岳志さん、作家の古谷経衡さんなどのYouTubeを漁ってみるといいかもしれません。
………………………………………………
小池百合子氏については、わかりづらいですよね。
僕も英さんと同じで、《自分をいかに輝かせるか》《自分が舞台の中心にいる》という印象を受けます。
元側近の告発や議会での振る舞いなどを見ると、「困った性格の人なのかな?」と思ってしまいますが、思い込み・独善になってしまう可能性があるので書くのを控えています。
返信する
田舎のオッチャン的な… (2020-08-15 21:07:49)
2024-06-23 15:26:03
わたしの記憶違いでなければ、T母神さんって「オレが一声かければ、自衛隊の幹部は一斉に動くぞ。クーデターくらいすぐ起こせる、スゴいだろう」といった妙な自慢をしていたはずです。
戦後のシビリアンコントロールに照らしてみれば論外ですし、戦前の基準で考えても、帝国陸海軍は陛下の軍隊だったわけなので「オレの命令で自衛隊が動くぞ」という自慢は、下手すりゃ大逆に当たるわけで、何考えてるんでしょう(苦笑)。
こう言っちゃ悪いのですが、村の寄り合いで酔っ払っては、誰も聞いていない自慢話ばかり垂れ流す田舎のオッチャンと、大して変わらない感じです。
わたしとしては「昭和戦後の民生重視」にどれだけ共感するかも、保守の要素として考えたいです。
イデオロギーにはこだわらず、庶民の暮らしを重視する民生重視型穏健保守の考え方が、昭和戦後時代のJ民党には、一定数存在していました。
この民生重視型穏健保守の皆さんは、戦前の昭和恐慌から庶民の生活が困窮し、ついには戦争になってしまったことを骨身にしみて理解していたので、庶民の生活に目配りをします。庶民の暮らしを守る保守ですね。
ところが、平成令和になってJ民党に世襲が増えると、こういう民生重視型保守は「おまえはK産党か」と罵られ、排除されるようになっているわけです。



これを言うとコウジさん怒るでしょうが、Rンホーさんは苦戦しそうな気がします。
今回は現与党勢力も非常に上手で、Rンホーさんに「すぐわめくヒステリックなおばちゃん」というイメージをつけようとしていますし、その印象操作は徐々に成功しているような気がします。
また一部でなぜか人気のI丸さんですが、この方の印象も立ち上げ当初のI新の会に似たフレッシュな印象もあり、本来ならばRンホーさんに向かうべき票をかなり食いそうです。
また、某公共放送から日本を守る党が掲示板をジャックしている件など、今回の都知事選挙そのものに「バカげている」という印象がつきつつあって、無党派層はかなり離れるでしょう。
このままだと、おそらくK池さんが少し余裕で勝つでしょうが、みごとですね。
コウジさんなら、評論家みたいに言ってないで何か行動しろとおっしゃるでしょうが、現野党のこれ以上の伸長をおさえようという意図が、あちこちで動いている感じです。
それにしても、掲示板問題は響くでしょう、あれでシラケて投票に行かない人、増えそうです。
返信する
右と左ではなく、上と下 (コウジ)
2024-06-24 07:52:50
2020-08-15 21:07:49さん

いつもありがとうございます。

>民生重視型保守
そう。今回、田母神さんが「民生重視」の発言をしたから驚いたんですよ。
詳しくは添付の記者会見の動画を見て下さい。
それが思考のアップデートに繋がります。
別に真剣に見なくても、作業をしながらラジオ感覚で聞いていればいいんですから。

僕は「右と左」の対立はナンセンスで「上と下」の戦いが重要だと思っています。
大企業寄り・権力寄りの右の方がいますが、「庶民寄りの右の方」とはいっしょに戦いたい。
なので今回、大企業と癒着している小池百合子氏より田母神氏を評価しました。

評論家的な発言には言及は避けますが、
>Rンホーさんに向かうべき票をかなり食いそうです。
この分析は正しいと思います。

しかし選挙戦はこれから。
今回、僕は評論家をやめて、蓮舫さんと共に戦うと決めたので、最後までがんばります。

祭りは参加した方が楽しいですよ♪
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