平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

立憲民主党、3兆8000億の予算削減を誇っているけれど……。有頂天になるのは控えた方が……

2025年02月16日 | 事件・出来事
 立憲民主党が予算・基金を見直して、財源・約3兆8000億円を確保。
 これを物価高対策に当てる法案を提出した。

 

 立憲民主党、やっと具体的な経済政策を出したな。
 実現して国民生活を助けてほしい。

 でもね、これ、批判が出て来ると思うよ。

 たとえば──
「物価高対策で経済成長じゃないのかい!」
「これじゃ一時的なカンフル剤にしかならない」
「やらないよりはやった方がいいけど、これでどれくらい助かるの?」
「この国の経済を生き返らせるには大量の輸血が必要。もっと市場にお金を投入しろ」
「あくまで予算のやりくり。国債発行(=積極財政)には否定的な所が立憲の限界」

 机の上で政策をひねくり出す所が「真面目な立憲民主党」らしい。
 データや統計を重視するのは大切なことなんですけどね。
 でも時には大胆な政策提言が必要。
 これが政治家の役割だ。
 現在、立憲の議員さんは成果をXなどに挙げて有頂天になっているが、控えた方がいい。
「立憲やるじゃん」にはならなくて、必ず上記のような批判が出て来るから。

 これでさらに怖いのが、
 この予算修正案と引き換えに、現在、審議中の予算案に賛成してしまうこと。
 結果、国民民主党の「年収の壁・178万円UP」も吹き飛んでしまうし、
 維新の「高校完全無償化」も吹き飛んでしまう。

 この結果、出て来るのが、「立憲許すまじ」の立憲批判。
 だから立憲さん、これと引き換えに予算に賛成してはいけません。

 もし、これで来年度予算に賛成したら僕は立憲を見限るわ。
 さすがに世間がわかっていない。
 やはりインテリ集団・お貴族様の政党だと考えてしまう。

 それにしても、
 どうして「消費税5%」あるいは「食品消費税0%」を言い出せないのかな?

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映画「オッペンハイマー」を見たので量子力学について考えてみた~すべてのものは陽子・中性子・電子でできている

2025年02月14日 | 洋画
 映画『オッペンハイマー』を見たので「量子力学」の話を文系レベルでやってみる。

 爆弾には3つのコンセプトがある。
・一般的な爆弾~化学反応でエネルギーを放出するもの。
・原子爆弾  ~核分裂(Fission)でエネルギーを放出するもの。
・水素爆弾  ~核融合(Fusion)でエネルギーを放出するもの。

 一般的な爆弾は「古典力学の世界」「元素の世界」だ。
 たとえば黒色火薬。
 硝酸カリウム(硝石)75%、硫黄10%、木炭15%を混合物で、
 これらの元素が化学反応することで爆発が起きる。
 ……………………………………

 原子爆弾、水素爆弾は「量子力学」「原子」の世界だ。
 原子は「陽子」「中性子」「電子」で構成されている。

 有名なのは以下の「ボーアの原子模型」だ。

 

 陽子と中性子のかたまり(原子核)のまわりを電子がまわっている。
 陽子はプラス電荷で電子はマイナス電荷なので、磁石の仕組みで陽子と電子で反発し合っているのだ。
 より具体的に描くと──

 


 さて、ここで原子爆弾。
 一般的な物理学では、原子核は硬く、化学反応は起きないとされてきた。
 だが、映画『オッペンハイマー』でも描写があったが、それが可能になった。

 ウラン238は陽子・中性子の結合の硬い原子だ。
 一方「ウラン235」は中性子が3つ足りない「不安定」な原子だ。
 この「ウラン235」に中性子をぶつけると、ウラン236になり、ふたつに割れる。
 ふたつに割れた結果、「バリウム144」と「クリプトン89」と「2個の中性子」となる。
 これが「核分裂反応」でその際に莫大なエネルギーが発生する。
 これが原子爆弾だ。

 原子爆弾の怖ろしさは他にもある。
 分裂して発生した2個の中性子がさらにぶつかり、核分裂がさらに起きるのだ(連鎖反応)。
 この連鎖反応で原子爆弾はさらに大きなエネルギーを出してしまう。

 そして、連鎖反応はこれだけでは収まらない可能性を秘めていた。
 大気中の窒素との連鎖反応だ。
 映画『オッペンハイマー』では、窒素との連鎖反応が起きて地球上を覆い尽くすという計算が出てオッペンハイマーがアインシュタインに意見を求めにいくというシーンがあったが、もしその計算が正しかったら世界は滅亡していた。
 ………………………………………………

 そして水素爆弾。
 水爆は「核分裂」ではなく「核融合」の理論で作られる。

 P P2 P3という質量数(中性子の数)が違う元素(同位体=アイソトープ)を融合させて核分裂をはるかに上まわる爆弾をつくろうとしたのだ。
 ※P~水素の原子番号。

 これにはオッペンハイマーは反対した。
 これ以上、人類に破滅をもたらす兵器をつくってはならないと考えた。
 一方、原子力委員会のルイス・ストローズはソ連に対する優位性という政治的理由から水爆を推進。
 反対するオッペンハイマーを排除しようとする。
 映画『オッペンハイマー』でオッペンハイマーのパートが「FISSION」と表示され、ストローズのパートが「FUSION」と表示されたのは、このためだ。
 ………………………………………

 原子爆弾の愚かさについては言うまでもないが、「量子力学」は面白いし、否定されるべきものではない。

 ここからは文系の感想になってしまうが、
・目に見えない、とんでもなく小さなものに膨大なエネルギーが宿っているってすごい!
・世界のあらゆるものが、陽子・中性子・電子でできていると考えたら世界が違って見えて来る!
 ※厳密に言えば、上記を構成している素粒子なのですが。
・それはわれわれ人間も!
 人間も、陽子・中性子・電子のかたまり。
 死ねば、それらに戻るだけ。
 エネルギー不変の法則で消滅することはない。

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USAID問題で陰謀論が炸裂!~反共組織が「左翼の資金源」になってしまった……

2025年02月12日 | 事件・出来事
 トランプ大統領とイーロン・マスク氏の「USAID」閉鎖が話題になっている。
 USAIDとは、その名のとおり、世界各地で人道支援などを行うアメリカ連邦政府の独立機関だ。
 設立は1961年。
 飢餓に苦しむ国々への食料提供から人権保護、教育支援など100カ国以上で活動している。

 これに対し、トランプ大統領は海外援助や開発支援は無駄だと主張。
「政府効率化省(DOGE)」のトップ、イーロン・マスク氏はUSAIDを「腐敗したウジ虫の塊」と
 呼び、同庁を閉鎖しようとしている。
 ………………………………………………

 以上がUSAID封鎖のあらましだが、ここからさまざまな憶測・陰謀論が始まる。

①1961年 ジョン・F・ケネディ大統領が「対外援助法」に署名し、USAIDが正式に設立←正しい。

②支援することにより、各国が自立して成長できるようになり、世界の安定に繋がる←正しい。
 それがアメリカの国益にも繋がる←正しい。

③1950年~60年に高まった共産主義への抑制としても機能←おそらく正しい。
 援助の目的は──
 アメリカを中心とする自由と民主主義の陣営をつくることができる。
 逆に支援しなければ、世界は赤化される。
 統一教会なんかもこの一貫だったんだろうな。

④世界の共産主義化を防ぐという目的からUSAIDをCIAが牛耳ることに←どうなのかな?

⑤CIAが世界でおこなったクーデター作戦でUSIADの予算が使われた←いよいよ陰謀論に?

⑥USAIDは飢餓支援などの本来の目的とは違う予算を使うようになった←イーロン・マスク氏の主張。

⑦その資金の提供先は──
 ウクライナアゾフ大隊、英BBC放送局、WEF世界経済フォーラム(ダボス会議)、
 NTT DATA、ビル・ゲイツ、GAVI(世界ワクチン予防接種同盟)、ロックフェラー財団
 武漢研究所、ファイザー製薬
        ↑
 もし事実だとしたらメチャクチャだな。笑

⑧USAIDの資金は日本のマスコミにも流れている←本当かな?
 
⑨USAIDに日本のマスコミは操られている←本当かな?

⑩岸田元首相もUSAIDに資金提供したから、USAIDの手先←どうして手先という結論になるのかな?

⑪USAIDの飢餓など命に関わる活動→約5%
 左翼、ジェンダー、共産主義者への支援→約95%
         ↑
 どうして左翼の支援になるんだよー!wwwww
 USAIDって、アメリカのため、反共のために作られた組織じゃないのかよーーー!?wwwww

 というわけで、
 トランプの「アメリカ第一主義(=他国のためにお金を使わない)」が「左翼の資金源」になってしまった……。
 認知の歪みがはなはだしい。

 これからは、こうした陰謀論がどんどん出て来るだろう。
 知性の劣化。
 これで盛り上がっているのは一部の人だと思うが、わが国の未来は大丈夫か?
 
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「べらぼう」 第6回「鱗剥がれた『節用集』」~鱗の旦那、濡れ手で粟餅、有り難くいただきやす

2025年02月10日 | 大河ドラマ・時代劇
「告げ口はクズ山クズ兵衛、性に合わねえ」

 鱗形屋孫兵衛(片岡愛之助)が『節用集』の贋板(海賊版)をつくっていることを知った
 蔦谷重三郎(横浜流星)。
 訴え出れば鱗形屋は捕らえられ、蔦重は取って代わって版元になることができる。
 鱗形屋が蔦重を利用していることもわかっている。

 しかし、蔦重は──
「告げ口はクズ山クズ兵衛、性に合わねえ」
 蔦重がためらう理由は──
・性分に合わないこと
・火事で蔵が焼けたことで、鱗形屋の金繰りが良くないこと
・息子も番頭も鱗形屋を盛り立てようとがんばっていること
・鱗形屋孫兵衛が本をつくるのが好きなこと

 結局、蔦重は訴えず、「運天」、運を天に任せることにする。
 しかし別のラインでこの不正が発覚、鱗形屋孫兵衛は捕らえられる。
 鱗形屋孫兵衛からは「おまえが告げ口したのか?」と恨まれる。

 すっきりしない蔦重は長谷川平蔵宣以(中村隼人)に思いを語る。
「濡れ手に粟、棚からぼた餅、俺はうまくやったんでさぁ」
「ただ、うまくやるってのは堪えるもんすねぇ」
 これを聞いた平蔵は、出し抜いたり追い落としたりするのが世の中だ、と諭す。
 蔦重は心を切り換えて。
「鱗の旦那、濡れ手で粟餅、有り難くいただきやす」
 ……………………………………………

 今回の話、落語や講談を聞いているような感じでしたね。
「鱗の旦那、濡れ手で粟餅、有り難くいただきやす」
 で、見事に締めた。

 蔦重の気持ちの描写も、
・道が開けた嬉しさ
・自分を利用していた者が捕らえられた喜び
・追い落された者の後を引き継ぐ苦さ
・ひと言、危ないと行ってやれなかった後悔
・苦さと後悔を抱きながらも前を向く決意
 などが入り交じって複雑だった。

 そう、こういう複雑な心情描写が見たかったんですよね。
 とはいえ、蔦重はこれを引きずらない。
「鱗の旦那、濡れ手で粟餅、有り難くいただきやす」
 前作『光る君へ』の登場人物たちは思いをずっと引きずっていたが、
 蔦重は江戸っ子気質で、カラッとしていて前を向く。

 僕は『光る君へ』の登場人物タイプなので、蔦重の、カラッして前を向ける気質は憧れだ。
 苦境にあっても、笑い飛ばして粋に生きていたい。


※追記
 江戸城パートでは、田沼意次(渡辺謙)の立場・境遇が明らかに。
 意次は絶対的な権力者ではない。
「日光社参」は押し切られておこなわれることに。
 商業を活性化させて幕府の財政再建をおこなったが、あまり評価されていない。
 足軽の出身なので良い家柄の者にバカにされている。
 
 とはいえ、意次は「家柄」「出身」より「実力」「実績」だ。
 田沼家が良い家柄であることを示す家系図を池に投げ捨てた。
 これが意次の矜恃なのだ。
 家柄・出身よりも実力・実績を頼りに生き抜いていこうとしている。

 蔦重同様、意次も岩盤のような勢力と戦っている。

※追記
 今回の江戸言葉
「金々野郎」
「半可通」
「源四郎」
「運天」
「占め子の兎」

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日米首脳会談、顔合わせとしては成功か?~この結果に麻生太郎は面白くない?

2025年02月09日 | 事件・出来事
 石破首相とトランプ大統領の日米首脳会談、顔合わせとしては成功という所か。
 安倍信者や高市早苗を推す陣営は発狂しているようだが。笑

 石破首相、まずはトランプ氏が一番喜ぶことを表明した。
 企業による対米投資を1兆ドル(150兆円)規模に引き上げ。
 今までは120兆円だったようだが、引き上げた分を「天然ガス」や「AI」に投資するのなら
 有効であろう。

 課題のUSスティール買収についてもトランプ氏の意向を受けて、買収から投資の方向性へ。

 そしてヨイショ。
「対面でお話しするのは初めてだが、ずっとテレビで見ていた人を間近で見る感動は格別」
「テレビで見ると声高で、かなり個性強烈。恐ろしい方という印象がなかったわけではない」
「実際お目にかかると、本当に誠実。合衆国と世界への強い使命感を持たれた方と、まったくお世辞抜きで感じた」

 トランプ氏銃撃事件の時の写真については──
「拳を天に突き上げた写真が非常に印象的だった。背後には星条旗、青い空、歴史に残る一枚だ」
「大統領は、神様から選ばれたと確信したに違いないと思った」

 これを「日本の恥」という勿れ。
 これが対トランプ外交の定石なのだ。
 同じことを安倍晋三氏もやっていた。
 仮に高市早苗氏が首相だったとしても同じことをしていたのではないか。

 トランプ大統領もこれを受けて石破首相をヨイショ。
 会談前に撮ったツーショット写真を見せて──
「この写真、みなさんにもお見せしたい。石破総理ほど、私はハンサムではないが」
 会談の記者会見の時には──
「日本はすばらしい国。誇り高く強い国で、世界の歴史の中で偉大な文明を築いてきた。
 80年近く、日米は友情関係を維持してきた。歴史と文化、お互いに対する尊敬心で結びつている」
「この会合の後も、両国の関係やその他の関係についても、これからも未来において、繁栄を見ることができると思う」

 まあ、後半の発言は事前に用意した作文だとは思うが……。
 顔合わせとしては成功だったと思う。
 ……………………………………………………………

 ただ、本質的な問題については両者とも踏み込まなかった。
・関税引き上げ問題
・防衛費UP問題

 防衛費に関して、日本側はGDPの3%を求められるのではないかとヒヤヒヤしていたらしい。

 関税引き上げについては、石破首相が上手く交わした。
 記者に「アメリカが関税引き上げをして来たら日本は報復措置をとるのか?」と聞かれて、
「“仮定の質問にはお答えいたしかねます”というのが、日本の定番の国会答弁でございます」
 と石破首相は回答。
 隣で聞いていたトランプ氏は、驚いた表情を見せ、3度にわたって「ベリー・グッド・アンサー」と答え、会場は笑いに包まれた。

 このような形で終了した日米首脳会談。
 現状では「失点なしの成功」と言えるだろう。

 この結果に麻生太郎は、ぐぬぬっ! という感じか?
 麻生太郎は就任前にトランプ氏と会い、安倍昭恵氏も送り込んだ。
 これで石破茂を追い込んで、高市早苗総理または茂木敏充総理を誕生させるつもりだったのかもしれない。

 だが結果は、岸田文雄・石破茂連合の勝利。
 石破茂氏の後は、林芳正氏を総理に推して来るだろう。


※追記
 そう言えば、森友事件の財務省文書の公開裁判で石破首相は上告しませんでしたね。
 これで財務省文書があきらかにされて、森友事件がクローズアップされれば、
 旧安倍派・麻生派はダメージを受ける。
 前原誠司氏の日本維新の会が協力すれば、石破政権は案外、長く続くかもしれない。

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「イカゲーム2」~資本主義と民主主義の暗喩。だから面白い!

2025年02月07日 | テレビドラマ(海外)
『イカゲーム2』を観た。
 今回、主人公のソン・ギフン (イ・ジョンジェ)は戦うカッコイイおっさんに。
 シーズン1ではダメ男だったのに、
 シーズン2ではイカゲームとこれを運営する組織を潰すために戦う男になった。

 とはいえ、なかなか上手くいかないのが現実。
「こんなゲームをやめて、家に帰りましょう」と言っても、
 莫大な借金を抱えた参加者たちは、
「あともう一勝負!」
「自分だけは負けない!」
「自分だけは大丈夫!」
「こんなはしたガネで帰るわけにはいかない」
 とゲームを続け、泥沼にはまっていく。

 結果、ギフンは志を同じくする仲間と共に銃を持って戦い始めるのだが……。
 …………………………………………………………

『イカゲーム』が面白いのは、これが現代社会の縮図・暗喩になっていることだ。

 まずは資本主義。
 賞金を奪い合うために参加者は争う。
 参加者が死んで脱落すれば、その分、賞金の配分が多くなる。
 他人を蹴落とせば、その分、多くのお金をもらえる。
 同じパイの奪い合い。
 これでは足りない。もっと欲しい、という欲望の増幅。
 まさに資本主義だ。

 ゲームには個人戦があり、団体戦がある。
 個人戦では個人の能力が試される。
 他者と協力し合う団体戦は、会社組織か?

 負ければ命を奪われるゲームをしているのに参加者はゲームを続けたがる。
 なぜ続けるかと言えば、現実社会に戻れば地獄のような現実が待っているからだ。
 地獄に戻るくらいなら、ゲーム会場で一攫千金の夢を見た方が楽しい。
 現実社会は地獄のように過酷。
 競争があり格差がある。
 負け組になると悲惨。
 資本主義を剥き出しにすると、このような現実が見えて来る。
 
 ふたつめは民主主義。
 ひとつのゲームが終わると、参加者は「ゲームを続けるか」「否か」の投票をすることができる。
 結果は多数決で決められる。
 イカゲーム主催者は「このゲームは民主的なゲームだ」としばしば語るが、まさにそのとおり。
 投票と多数決ですべてが決まるイカゲームは民主主義社会の象徴なのだ。

 同時にイカゲームは民主主義の弱点を見せつける。
 多数決で負けた者は勝った者の意思決定に従わなくてはならない。
 自分はゲームを続けたくないのに、多数決で決まれば続けなければならない。
 まあ、本来の民主主義は多数決は絶対ではなく、
「少数者の意見も尊重する」という概念があるんですけどね。
 ただ多数決で大きな流れが決定するというのは確か。

 以上、述べたように、
『イカゲーム』の面白さは「資本主義」と「民主主義」を体現していることにある。
 さて、ギフンたちは銃を取って体制を打倒する「革命行動」をおこなったわけだが、
 その後の展開はパート3の最終章へ。
 今夏に公開されるパート3が楽しみだ。


※関連動画
「イカゲーム」シーズン2予告編(YouTube)

※追記
 参加番号222 キム・ジュニ役のチョ・ユリさんがかわいい!
 調べると、元IZ*ONEのメンバーだった!

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「涙の女王」~恋愛・セレブ・財閥・復讐・陰謀・難病・記憶喪失・親子愛、韓国ドラマのすべてがてんこ盛り!

2025年02月05日 | テレビドラマ(海外)
 昨年(2024年)、最大の話題となった韓国ドラマ『涙の女王』

 脚本はパク・ジウンさん。
『愛の不時着』を書いた脚本家さんだけあって物語の構造が似ている。
・自己中でセレブなヒロインが絶対的なイケメンに出会う。
・イケメンは庶民的でお金持ちではないが、頭脳明晰で身体能力も優れている。
・ヒロインとイケメンは生まれ育った価値観の違いで、しばしば対立する。
 つまりすれ違い。
・しかしヒロインの危機の時には必ず現れて、ヒロインを助けてくれる。
 つまり王子さま。
・ヒロインは反発しながらも次第に惹かれていく。

『涙の女王』の場合は、ヒロインとイケメンはすでに結婚しているが、
 第1話の段階で不仲で、男は離婚を考えている。
 そこからの愛の再生が描かれる。
 そこから始まる物語の構造は『愛の不時着』と同じだ。
 …………………………………………………

『涙の女王』は今までの韓国ドラマの要素を「これでもか」というくらいに詰め込んでいる。
・恋愛
・セレブ
・財閥
・会社買収
・陰謀
・復讐
・難病
・記憶喪失
・子供の頃の記憶
・田舎の素朴な人々
・親子愛
・家族愛
 これらがてんこ盛りで、密接に絡み合っているから面白い。
 ……………………………………………………

 そして登場人物。
 すべての登場人物に設定があり、ドラマがあり、魅力的だ。

 個人的には、ヒロインの横暴を的確に処理するナ秘書(ユン・ボミ)が好き♪
 ナ秘書は事態を一番客観的に見ていてヒロインに的確なアドバイスをしている。
 出番は少ないが、なかなかの存在感がある。

 ホン・スチョル(クァク・ドンヨン)の妻チョン・ダヘ(イ・ジュビン)もいいな♪
 結構なワルなんだけど、少しずつ「人生で大切なもの」に気づいていく。
 ダメ男スチョルの良さを理解しているのもいい。

 主人公側と悪の側をコウモリのように行き来するグレイス・コ(キム・ジュリョン)もいい♪
 敵になったり味方になったり、ともかくこの人のたくましさは見習いたい。
 実は裏で物語をまわしている存在でもあり、彼女が動くと何かが起きる。

 最後にヒロインのホン・ヘインを演じたキム・ジウォンさん。
 すっかりファンになりました♪
 今度、新大久保に生写真を買いにいこう!
 ホン・ヘインは最初は本当に嫌なやつなんですよね。
 でも物語が進むにつれ、彼女の意思の強さや崇高なプライドやツンデレが魅力になる。
 マイナスから始まったヒロインがプラスに転じた時に生まれる魅力の爆発力!

 ヘインに限らず、この作品、すべての登場人物が魅力的になっていくんですよね。


※関連動画
「涙の女王」オフィシャル予告編(YouTube)

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「べらぼう」 第5回「蔦に唐丸因果の蔓」~楽しいことを考えるのが、わっちらの流儀だからね

2025年02月03日 | 大河ドラマ・時代劇
 株を持たなければ版元になれない。
 蔦重(横浜流星)は方向修正する。
 鱗形屋の下で働き、暖簾分けをしてもらう戦略を採る。
 今までは短期で結果が出たが、今回は長期戦略だ。

 まあ、本編でも台詞で語られていましたが、
 史実では軽い本(浮世絵・黄表紙・黄双紙)を売る「地本問屋」になるには株は要らないみたいなんですけどね。
 硬い本(仏教書・儒学書・歴史書・医学書)を売る「書物問屋」になるには株は必要。
 その株は幕府から「営業権」として購入する。
 今で言うと許認可権。
 株をお上から購入するというのは近世的だが、株の発想は今でも相撲の部屋制度の中に生きている。
 近世は現代に近い社会なんですね。

 ちなみに
「地本問屋」が扱う本は、今で言うとライトノベル。絵師さんの存在も重要だ。
「書物問屋」が扱う本は、学術書・教科書。
「問屋」は、日販・東販という感じか?

 話が逸れてしまったが、蔦重のもうひとつの長期戦略は唐丸(渡邉斗翔)だ。
 蔦重は唐丸を当代一の絵師にすることを諦めていない。
 唐丸は必ず帰ってくると信じている。
 絵師になることを諦めていないと蔦重は確信している。

・じっくり腰を据えて目の前の課題に挑むこと。
・大きな夢を見るが、地に足の着いた行動をすること。
 蔦重はこれを学んだようだ。
 同時に「株仲間の失敗」「唐丸を追い詰めてしまったこと」で自分の未熟さも学んだようだ。
 蔦重の学びと歩みは止まらない。
 ……………………………………………………

 今回のもうひとつのキイワードは『世の中をひっくり返す』。

 田沼意次(渡辺謙)と平賀源内(安田顕)は「国を開けば世の中がひっくり返る」と考えている。
 国を開けば、各地の港で外国と商取引がおこなわれ、街ができて宿屋や店が生まれ、新しい商品を生み出し、船をつくり、海外に行く者も出て来ると考えている。
 確かに「世の中がひっくり返る壮大な構想」だ。
 これを実現するには幕府という重しを除けなければいけないのだけれど……。
 夢を見るのはタダだ。

 蔦重も、規模は意次たちよりは小さいが、「世の中がひっくり返る構想」を生みだした。
 唐丸を絵師として売り出す構想だ。
 春信ら人気の絵師の完コピ→「この絵師は誰なんだ?」と世間が注目した所でお披露目。
 これで世の中がひっくり返る!

 蔦重も源内も意次もこうした壮大な夢を持っていると楽しいだろうな。
 目の前の現実の苦労など何でもなくなる。

 花の井(小芝風花)が語っていたが、
「楽しいことを考えるのがわっちらの流儀」
 を彼らは体現している。

 源内が語っていた
「自由にわがままに生きるのだから苦労は仕方がない」
 も体現している。


※追記
 源内は秩父でもうひとつの構想を考え出した。
 秩父の鉱山事業→炭の製造事業→舟による運搬事業。
 蔦重同様、次に源内が何をやってくれるのか、楽しみだ。

※参照サイト
 地本問屋と書物問屋の違いとは?

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森友事件、伊藤詩織さん事件~闇に葬られて来た「ブラックボックス」が開きつつある

2025年02月02日 | 事件・出来事
 伊藤詩織さんが自らの性被害を訴えたドキュメンタリー映画『ブラック・ボックス・ダイアリーズ』。
 この作品がアメリカ・アカデミー賞の長編ドキュメンタリー映画部門でノミネートされた。

 伊藤詩織さんの事件。
・性被害に遭った伊藤さんが元TBS記者を告発。
・警視庁は準強姦罪として伊藤氏の被害届を受理。
 元記者を逮捕することになったが、なぜか途中で逮捕は中止に。
・記者は書類送検されたが、2016年東京地検は嫌疑不十分として不起訴処分にした。
 という事件だ。

 伊藤詩織さんはこの逮捕見送りには安倍官邸の意向が働いたと主張している。
 なぜなら元記者は、安倍晋三氏の本を書くなど、安倍氏と親交のあるアベ友だったからだ。
 東京地検の不起訴処分も怪しい。
 なぜなら伊藤さんがホテルに連れ込まれる「監視カメラの映像」や「タクシー運転手の証言」などの証拠があるからだ。
 実際、民事訴訟では伊藤詩織さんが勝利している。

 ドキュメンタリー映画『ブラック・ボックス・ダイアリー』には
 監視カメラの映像をホテルの許可なく無断使用したなどの問題があるようだが、
 これを機会に事件が再度注目され、「安倍官邸の関与の有無」「警察の対応の妥当性」などが検証されてほしい。

 中居正広氏の性加害疑惑、フジテレビの関与疑惑が話題になっている現在だからこそ意味がある。
 ……………………………………………………

 安倍晋三氏絡みの「ブラックボックス」に関しては、もうひとつ画期的な出来事が起こった。

 森友事件。
 文書改ざんに至った経緯の文書の開示を求めた裁判で、大阪高裁は、国側に開示するように命じたのだ。
 国側の「不開示」の主張を認めた一審の判決を180度くつがえした画期的な判決だ。
 訴訟を起こしたのは、文書改ざんを命じられて自ら命を断たれた近畿財務局職員・赤木俊夫さんの妻・雅子さん。
 もし国が控訴しなければ、改ざんに至った経緯の文書が開示され、森友事件の全貌が見えて来る。
 ………………………………………………………

 最近、少し風通しがよくなって来たようですね。
 今まで暗闇に葬り去られて来た「ブラックボックス」が開くようになって来た。
 こうなった背景には──
・安倍晋三氏の死去
・自民党の力が弱くなったこと
 なども原因としてあるのだろう。

 既存の大きな権威も揺らいでいて、ジャーニーズ、吉本興業、フジテレビ……。

 失われた30年といわれる日本社会。
 今こそすべての膿を出して、新しく生まれ変わる時だと思う。
 
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「Winny(ウィニー)」~警察は未来の技術者・国民にこの逮捕が正しかったと胸をはって言えますか!?

2025年01月31日 | 邦画
 ナイフは犯罪に使われるが、ナイフを発明した人は罰せられるのか?

 映画『Winny(ウィニー)』はこのテーマを扱った作品である。
 現実に起こった事件でもある。

 金子勇(東出昌大)はプログラマー。
 ファイル共有ソフト“Winny”の開発した。

 WinnyはIT用語で言う「P2P」。
 サーバーを介さすパソコンなどの端末同士でデータをやりとりできるソフトだ。
「P2P」はインターネットの次世代型フォーマットだと言われている。
 つまりWinnyは日本がこのジャンルで大きくリードできる可能性を秘めたものだった。

 しかし、Winnyを利用したユーザーが著作権のある著作物を違法にやりとりしたことで、
 金子勇は「著作権法違反」などで逮捕。
 裁判をおこなうことになる。
 結果Winnyは「問題のあるソフト」として使用禁止に。
 ヴァージョンアップも、進化もできず、Winnyはそのまま消えていくことに……。

 そこで冒頭の命題の登場だ。
『ナイフは犯罪で使われるが、ナイフを発明した人は罪に問えるのか?』

 Winnyで違法なデータのやりとりをしたのは別の人間である。
 この人たちは逮捕されていい。
 しかし、開発者はどうなのか?
 金子勇の逮捕は正当なのか?

 金子勇の逮捕の背景には別の理由もあったらしい。
 Winnyを使ったことによるウイルス感染で、愛媛県警の裏金の極秘文書が漏洩してしまったのだ。
 警察とって極秘文書の漏洩は致命的なこと。あってはならないこと。
 それを引き起こしてしまうWinnyは違法なソフトとして消滅させた方がいい。
 だから金子勇を逮捕した?
 もし、これが事実だとしたら、
 警察の事情で優れた開発者や技術がつぶされたことになる。
 とんでもない愚行だ。

 金子勇の逮捕は別の問題も引き起こす可能性がある。
 他の開発者が萎縮してしまうことである。
 自分の開発した技術が悪用されたこと逮捕されるのなら、
 技術者は危なっかしくて技術開発などできない。
 結果、日本の技術は世界からどんどん遅れをとっていく。

 冒頭でも書いたが、Winny事件は実際に起こった事件である。
 映画『Winny』は、優れた開発者や技術が政治的・組織的な思惑で潰される愚かさを描いた作品で
 ある。
 これは現代日本の縮図とも言える。
 30年間ほとんど経済成長していない日本。
 画期的な技術や製品を生み出せないのは、こうしたことが原因なのだろう。

 現在、世界ではAIの開発競争が盛んだが、ぜひWinny事件のようなことがないことを願う。
 再エネ技術で日本は遅れをとっているが、原子力発電にこだわり過ぎている結果ではないか?
 原子力ムラが再エネ技術の発展を阻害している?


※関連動画
 映画『Winny』予告編(YouTube)

コメント
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