みさぶらひ みかさとまうせ みやぎのの このしたつゆは あめにまされり
みさぶらひ 御笠と申せ 宮城野の 木の下露は 雨にまされり
よみ人知らず
お供の方よ、ご主人に「お笠をどうぞ」とお勧めなさい。宮城野の木の下露は、雨よりも濡れますから。
「みさぶらひ」は「み(尊敬の意の接頭語)」+「さぶらひ(従者)」。「木の下露」は、気の枝葉から滴り落ちる露の意で、宮城野は萩と露が著名な歌枕です。第Ⅰ句~三句冒頭の「み」の反復が心地よいリズムを生んでいますね。
みさぶらひ みかさとまうせ みやぎのの このしたつゆは あめにまされり
みさぶらひ 御笠と申せ 宮城野の 木の下露は 雨にまされり
よみ人知らず
お供の方よ、ご主人に「お笠をどうぞ」とお勧めなさい。宮城野の木の下露は、雨よりも濡れますから。
「みさぶらひ」は「み(尊敬の意の接頭語)」+「さぶらひ(従者)」。「木の下露」は、気の枝葉から滴り落ちる露の意で、宮城野は萩と露が著名な歌枕です。第Ⅰ句~三句冒頭の「み」の反復が心地よいリズムを生んでいますね。
をぐろさき みつのこじまの ひとならば みやこのつとに いざといはましを
小黒崎 みつの小島の 人ならば 都の苞に いざと言はましを
よみ人知らず
小黒崎みつの小島が人であったならば、都への土産として、さあ一緒に行こうと言うところなのだが。
「小黒崎」も「みつの小島」も所在も詳細も不明ですが、「都への土産に一緒に連れて行きたい」というのですから、それは素晴らしい絶景の地なのでしょう。
古今集本文は残り十首になりました。カウントダウンですね ^^
わがせこを みやこにやりて しほがまの まがきのしまの まつぞこひしき
わが背子を 都にやりて 塩竈の 籬の島の まつぞ恋ひしき
よみ人知らず
夫を都に送り出した後は、塩竈の籬の島の「松」という名のように、じっと「待つ」身には、恋しさがつのります。
第五句の「まつ」は「松」と「待つ」の掛詞。これはわかりやすいですね。^^
みちのくは いづくはあれど しほがまの うらこぐふねの つなでかなしも
陸奥は いづくはあれど 塩竈の 浦漕ぐ舟の 綱手かなしも
よみ人知らず
陸奥は、どこもそうであるが、塩竈の浦を漕ぐ舟が綱で引かれて行く光景が心にしみる。
「塩竈」は現在の宮城県松浦湾。第二句の「いづくはあれど」は諸説あり、上記は「いづくはさあれど」の意と捉えた解釈。他には、「他の場所はともかくとして」と解釈する向きもあるようです。