漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

古今和歌集 0368

2020-11-01 19:18:37 | 古今和歌集

たらちねの おやのまもりと あひそふる こころばかりは せきなとどめそ

たらちねの 親の守りと あひそふる 心ばかりは 関なとどめそ

 

よみ人知らず

 

 共に行くことはできないけれど、親が子を守るために寄り添わせるこの心だけは、関所といえどもとどめるでないぞ。

 詞書には「小野千古が陸奥介にまかりける時に、母のよめる」とあります。小野千古(おののちふる)は小野道風の子。千古が陸奥の地方官として赴任するに際し、母親が詠んだ離別の歌ですね。「たらちねの」は「親」「母」に掛かる枕詞です。