漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

古今和歌集 0382

2020-11-15 19:27:03 | 古今和歌集

かへるやま なにぞありては あるかひは きてもとまらぬ なにこそありけれ

かへる山 なにぞありては あるかひは 来てもとまらぬ 名にこそありけれ

 

凡河内躬恒

 

 「かへる山」という山は何であるのか。その意味は帰って来る山ということだと思っていたのに、遠隔地から戻ってきた人が泊まりもせずにまた帰っていくという意味であったのだなあ。

 この歌もなかなか意味を理解するのが難しいですね。「あひしれりける人の、越の国にまかりて、年経て京にまうで来て、また帰りける時によめる」という詞書と併せ読むことでようやく言わんとするところがわかってきます。