やまかぜに さくらふきまき みだれなむ はなのまぎれに たちどまるべく
山風に 桜吹きまき 乱れなむ 花のまぎれに 立ちどまるべく
僧正遍昭
山風に吹かれて桜が散り乱れてほしいものだ。舞い散る花びらに道が見えなくなって、帰っていく人々が立ち止まってくれるように。
一つ前の 0393 と同じく、帰って行く人々の足止めを桜にゆだねる想いを詠んでいます。もちろん誇張表現ではあるでしょうけれど、帰り道がわからなくなるほどの桜吹雪とはどれほどのものでしょうか。美しい平安絵巻の情景が目に浮かびますね。^^