ひとやりの みちならなくに おほかたは いきうしといひて いざかへりなむ
人やりの 道ならなくに おほかたは 行き憂しといひて いざ帰りなむ
源実
人に遣わされての旅ではないのだから、普通であれば行くのが嫌だと言ってさあ帰ろうとなるのだけれど。
一つ前の 0387 で別れの対象となったのがこの歌の作者源実(みなもと の さね)。別れに際しての男と遊女との歌のやりとりというシチュエーションですね。
作者の源実は平安時代前期の貴族にして歌人。古今集への入集は、こちらもこの一首のみとなってます。