漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

古今和歌集 0388

2020-11-21 19:37:58 | 古今和歌集

ひとやりの みちならなくに おほかたは いきうしといひて いざかへりなむ

人やりの 道ならなくに おほかたは 行き憂しといひて いざ帰りなむ

 

源実

 

 人に遣わされての旅ではないのだから、普通であれば行くのが嫌だと言ってさあ帰ろうとなるのだけれど。

 一つ前の 0387 で別れの対象となったのがこの歌の作者源実(みなもと の さね)。別れに際しての男と遊女との歌のやりとりというシチュエーションですね。
 作者の源実は平安時代前期の貴族にして歌人。古今集への入集は、こちらもこの一首のみとなってます。