漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

古今和歌集 0387

2020-11-20 19:18:56 | 古今和歌集

いのちだに こころにかなふ ものならば なにかわかれの かなしからまし

命だに 心にかなふ ものならば なにか別れの かなしからまし

 

白女

 

 命さえ思うままになるものならば、どうして別れが悲しいことなどありましょうか。

 別れは悲しいけれど、命さえ永らえればまた会うこともできると歌うことで、逆に命にまで匹敵するほどの別れの悲しみを詠んでいます。
 作者の白女(しろめ)は摂津国の遊女。古今集への入集はこの一首のみです。