古今和歌集 0381 2020-11-14 19:09:06 | 古今和歌集 わかれてふ ことはいろにも あらなくに こころにしみて わびしかるらむ 別れてふ ことは色にも あらなくに 心にしみて わびしかるらむ 紀貫之 別れというものは、色がついているわけではないのに、どうしてこれほど心に染みてわびしく思われるものなのだろうか。 「別れ」というものは具体的な事物ではなく、当然色などはついていないのに、まるで衣が染料に染まるように心をわびしく染めるのはどうしてなのだろうという問いかけの形で、あなたとの別れがそれほどまでに私の心に響いているということを表現しています。