漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

古今和歌集 0370

2020-11-03 19:19:56 | 古今和歌集

かへるやま ありとはきけど はるがすみ たちわかれなば こひしかるべし

かへる山 ありとは聞けど 春霞 たち別れなば 恋しかるべし

 

紀利貞

 

 かえる山という名の山があるとは聞いていますが、春霞が立って旅立たれたならば、あなたを恋しく思うことでしょう。

 「かへるやま」は越前の国に存在した地名。そこにむけて旅立つ相手との別れを惜しむ歌。「たち」は霞が「立つ」と旅に「発つ」との掛詞になっています。