古今和歌集 0462 2021-02-03 19:11:54 | 古今和歌集 なつくさの うえはしげれる ぬまみづの ゆくかたのなき わがこころかな 夏草の 上はしげれる 沼水の 行く方のなき わが心かな 壬生忠岑 表面に夏草がしげっているところでは沼水が流れずによどんでいるように、行く末のわからない我が心であることよ。 生い茂る夏草に流れを遮られたよどんだ光景が、そのまま自身の心持ちを表していると感じての詠歌。隠し題は「ゆくかたのなき」に詠み込まれた「かたの(交野)」です。大阪北東部の地域で、現在も交野市として名称が残っていますね。